ビジネスにおけるコミュニケーション能力とは
2016-04-05
仮に誰とでも直ぐに打ち解ける意味でのコミュニケーション能力が優れていたとしても仕事で活躍出来るかと問われればYesとは言えないでしょう。ビジネスコミュニケーションでは、どの程度他人と論理的な意思疎通が上手く出来るかと言う意味の能力を指しています。
一般的に学生が「私はコミュニケーション能力が高いです!」と面接で主張する場合は社交性の意味でのコミュニケーションを指していると思います。また企業も、この意味のコミュニケーションを期待している場合があるのでこちらも一概に違うとは言い切れません。
• 自分の考え、主張を如何に上手く伝えられるか
• 相手から発信される情報を如何に上手く処理し主張を汲み取るか
社交性の有無は相手と良好な関係を築く意味では寄与していますが、実務においては業務上利害関係にある人との良質な意思疎通が重要となります。このビジネスコミュニケーション能力を形成する素地となる能力は何でしょうか、意外に思われるかもしれませんがそれは論理的思考力です。
論理的思考は中堅~若手の管理職社員、即ち第一線で仕事をする従業員に対し要求度が高まる傾向があり、身につけてもらうべく研修で取り入れている企業も増えています。何故論理的思考力がコミュニケーションと関係あるかと言うと、論理的思考が狙いとするものが次の2つであるからです。
• 筋道立てて物事を考える事
• 思考を可視化して他者に自分の思考過程を理解できる様にする事
日本人は背景説明から入り、長々理由を説明した後、最後にやっと結論が来るという主張パターンをが好きですが、欧米は逆に結論から入ります。結論や主張を最初に述べ、、続けてそれに至った理由と根拠を説明します。
ビジネスではスピードと効率を重視する欧米らしいと言えますが、日本企業でも積極的に取り入れるところが増えているようです。最初に結論や主張が来ればその後に続く理由や根拠を聴く姿勢も正されます。 一方、いつ結論が出るとも分からない話を長々聞かされる方は直ぐに焦れてきます。また主張に伴う理由や根拠が偏ると、聞き手が満足出来ず同意を得られない場合も少なくないでしょう。
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論理的思考を取り入れる事で結論から始める思考展開や、その思考にモレやダブリが無い様に考える事が出来るようになります。相手が求めている情報をストレス無く与え、逆に与えられた情報からモレを補完しダブリを排除する事でビジネスに必要なコミュニケーションが図れます。
真の意味でのビジネスコミュニケーションは人材の性格よりも論理的思考の鍛錬にあり、さらに人材育成を行うことで既存社員の能力も向上させられます。推理ドラマはラストがわかれば面白くないかもしれませんが、ビジネスでは最初にラストから話し始めないと序盤でチャンネルを変えられるかもしれません。