和製英語の氾濫

 先日、ビジネスマンらしき人らの英会話が耳に入ってきました。3人組でしたが一人はアメリカ人と思しき男性が混じっていました。日本人はどちらも30代後半という感じでしょうか。 一人は流暢に話していて帰国子女では無いものの海外赴任の経験がある方のようです。もう一人はコテコテのJAPANINGLISHでした。所謂カタカナ発音でしたが外人さんは大きく頷いており、会話は成立していました。
 
 そうです、JAPANINGLISHで十分なんですよ。話すことに意義があります。日本人はシャイなのでなかなか英語を口にしませんが話さないと上達しません。間違ってても、単語の羅列でも良いのでコミュニケーションを取るべく積極的に話しかけることが大事です。彼は堂々と話しをしていましたが、その中で気になった単語がありました。コストダウンです。
 
 コストダウンという言葉は今や日本語として十分通じる単語で、ビジネス会話で普通に使われていますが実は和製英語です。初めて外資系に就職した時に、果たして英語でもコストダウンで間違ってないのだろうか?と疑問に思ったのを思い出しました。コスト削減と言う意味での英語は通常はCost reductionかCost savingを用います。コストダウンは所謂和製英語です。
 
 コスト削減の取り組みを行って、削減効果は?と尋ねる時に、How much saving costs?とか言いますね。コストダウンでも意図は通じていたようで件の外人の方も大きく頷きながら会話は進行していました。
 
 余談ですが日本滞在経験があるアメリカ人はJapaninglishの理解力が高いです。ネイティブの人なら通じない発音でもちゃんと聞き取ってくれます。英語が上手くなった錯覚を起こさせてくれるので違う意味で用心が必要です。
 
 恐らく会話していた外人さんもJapaninglishを理解する過程でコストダウンの意味も推測したのでしょう。日本人は英語が苦手なくせに横文字をカタカナにして日本語化するので、この様なついつい使っちゃいそうな和製英語は結構あります。
 
<<和製英語の例>>
 
    •コンセント:          正しくは outlet(米)/socket(英)
    •ブラインドタッチ: 正しくは touch-typing
    •ホッチキス:          正しくは stapler
    •オーダーメイド:    正しくは custom-made
    •リフォーム:          正しくは renovation
 
 もうすっかり日本語化してしまったリストラですが、これはrestructuringが略されたカタカナですね。解雇や首切りを意味して使う人が多いと思いますが、本来のrestructuringにはその意味は全くありません。再構築や構造改革と言う意味です。
 
 もともと傾いた企業を立ち直らせる為にリストラクチャリングが必要で、対策...
の一つとして従業員の解雇がありました。然しながらまず最初に解雇を行う企業が多すぎた、且つ報道でその側面が強調されてしまった為にリストラ=解雇・首と受け取られるようになりました。
 
 解雇や首と言う意味ではlay off(一時解雇)やfire(首にする)が正解ですね。映画で時々、お前は首だ!(You are fired!)って怒鳴られてる人いますね。他にはリベンジもちょっと意味合いが違います。リベンジは復習とか報復とか言う意味です。ボクシングとかでリベンジマッチとか言いますが、悔いが残るので次は雪辱を果たしたいと言う意味では一般的では無いと思います。和製英語のリベンジの本来の意味での英語はreturn matchです。
 

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