物流学の構築 物流地位向上に向けて(その6)

 物流地位向上に向けての連載は、今回の「物流学の構築」で、最終回です。
 
 物流が重要な割に社会にしっかりと認知されていないのは、物流が学問として確立されていないことが挙げられます。ものを効率的に流していくことは極めて重要です。しかしこの点が学問的に研究されていないことは不思議なことです。
 
 しかし事実ですから、これは私たち自身がどうしていくかを決めて、今後の方向性について考え、アクションをとることが必要です。物流業界には良い人財が集まりません。わずかながら存在する大学の物流関係学科でも、卒業生の多くは物流以外の業種に就職していくそうです。
 
 そこで、物流がもっと社会に認知されるように努力していくこととともに、学生へのPRや、実学問としての物流を構築していく必要がありそうです。その過程では、大学と共同研究を実施していくことも考えていくべきです。これから迎えるドライバー不足時代に対応した物流をどうしていくか、官だけが考える話ではありません。
 
 物流に関する研究会を業界として立ち上げ、物流環境を改善すべく活動していくことも重要です。衣料品業界や電子部品業界など、企業の垣根を越え、業界として物流の研究を進めていくと良いのではないでしょうか。
 
 その意味でも各種業界団体に物流の重要性をPRしていく必要がありそうです。では、それを誰が仕掛けていくのでしょうか。最初の口火がないと火は広がっていきません。企業が別の会社に声掛けするパターンが一般的かもしれません。社内の物流部門が業界団体の会合などで声掛けをしてみることはいかがでしょうか。
 
 物流事業者が、その業界向けの物流改革提案をしてみても良いかもしれません。学生向けには物流団体が小冊子を作成して、学校に配るという方法もあります。物流を学問として構築していくためには、やはり物流に関わりのある団体が口火を切ることが必要で...
しょう。まずは小さな種火をつくり、時間はかかるかもしれませんが徐々にそれを大きくしていく。私たちが今やるべきことはこの小さな種火を作ることなのです。
 
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  1.物流の認知度
  2.人々の理解を得るために
  3.なぜ、値下げの話ばかりなのか
  4.コストパフォーマンスの考察
  5.PR活動
 
  

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