物流作業者変更時の留意点 物流4M管理の重要性(その2)

 前回の事例、その1に続いて解説します。人に関しては、習熟計画を作って計画的に育成していく姿勢が必要です。毎年、個人単位にどのような分野を教えていくのかを明確にしていきましょう。人について、もう一つ重要なことがあります。それはある作業について担当者が変わった時の留意事項をまとめておくということです。なぜならば、人の変更時にミスが発生する確率が高まるからです。担当者が変更になった時のルール決めをしておくことが重要です。たとえば、次のようなルールを考えてみたとします。
 

  【 担当者が変更になった時のルール  】 

   ◆作業担当者が変更になった場合には作業開始時に監督者が標準作業書に
    基づき作業を教える。
   ◆その作業について作業者から説明させ理解度を確認する。
   ◆何サイクルか実際にやらせてみて作業観察を行う。
   ◆仕事のアウトプットを確認する。
 
 作業を教える際には「その作業の最も重要な点」について強調して教えることが重要です。「間違えると致命的なポイント」を明確に教え込むことが大切です。実際に作業をやらせて作業観察し、その中で気づいたことをその場で作業者にフィードバックします。アウトプットをチェックし補正が必要であればそれを実施しなければなりません。
 
 多くの会社がこのプロセスを飛ばしてしまい不良を流出させてしまうのです。その理由に「忙しさ」を言い訳のように挙げる会社があります。ただし、この業務プロセスは監督者の重要業務です。会社としては、監督者がこのようなコア業務をしっかりとできる環境を整えてあげることが必要なのです。
 
 もし、他の業務とかぶる場合は、当業務が優先であることを意識させることも必要です。さらに監督者が一人...
である場合には、このような業務を実施できるスタッフを作っておくことも求められます。
 
 作業量が大幅に増えた時や、欠勤者が出た時にも別作業者や応援者に仕事を実施してもらうことがあります。特に普段その職場にいないスタッフが作業応援に入った時にリスクが高まります。常に『人が変更になったらリスクあり』と考えておきましょう。
 
 次回、その3は、物流作業訓練道場です。
 

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