KYTで危険予知センスを磨く 物流安全管理(その2)

 前回のその1に続いて解説します。
 
 安全管理活動の一環としてよく「KYT」活動が行われています。KYTとは危険予知トレーニングの略称です。普段行っている仕事のどこに危険が潜んでいるのかを察知し、仕事のやり方を変えることによって危険を取り除こうという活動です。
 
 この活動は実際に仕事をやっている現場でその作業を観察しながら危険予知を行う方法や、作業をあらかじめビデオに撮っておいて会議室でそれを見ながら論議をする方法があります。
 
 活動の進行役は、できるだけ参加者みんなに意見を出してもらうようにします。そして出てきた意見を否定しないことです。「それは仕方がない」とか「これくらいの危険はつきものだ」とかいった否定的な反応をすることは避けましょう。なぜならそのような「固定観念」そのものがリスクの可能性があるからです。
 
 皆さんも経験があると思いますが、自分で気づかなかったところに意外な盲点が隠されていることがあるのです。他者からの意見は宝物と思って受け取る必要があります。
 
 そしてこのKYTにつきましても皆さんの意見をまとめ、その対策を織り込んで作業の仕方を再設計します。その際に、改善前と改善後の対比ができるように記録を作成しておきます。
 
 この前後比較の資料を現場の見やすい場所に掲示します。これを見ると他の作業でも似たような危険を認識することが容易になると思います。このような安全に関する知識を貯めていって社内で共有化することで事故軽減につながるのです。
 
 そしてもし「ひやり」とした事例があったとしたら、その解決策を小集団活動で作成していくこともお勧めです。QCサークル活動の一環として「安全対策」を作っていくのです。
QCで取り組むことの効果として、次のような...
ことが挙げられます。QCストーリーは理路整然と問題点を解決していくステップになっています。そこで社員の皆さんがこの思考方法を身につけることができ、社内のいろいろな問題解決につなげていけるメリットがあるのです。そしてせっかく取り組んだ安全QCですから、これについても発表会を行うなどして知識の共有化を図っていくことが重要です。
 
 次回は、リスクアセスメントについて解説します。
 

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