ヒラリー氏は42代目大統領ビル・クリントンの妻で当選していたら女性初大統領と言う事になっていたわけですが、今回の結果も英国のEU離脱の国民投票結果並の予想外の結果だったようです。
本選挙方法ですが、国民が全米50州にいる選挙人に投票します。つまりどの大統領を選ぶかは選挙人に託しますよという事です。直接投票が結果に反映されるのでは無く、投票人に託される間接選挙です。
例えば、カルフォルニア州だと選挙人が55名いて、過半数を獲得すれば55名全員の票を獲得した事と同様になります。州に割り当ててある選挙人の数は異なり少ない州は2,3名というところもあるので多数の州を制するより選挙人の多い州を制したほうが勝利に繋がるのです。この選挙の仕組みを考えると選挙活動をする上での注力すべきポイントが絞られてきます。
民主党と共和党、州により支持政党もあるわけなので固い州もあれば中立な州もあるようです。そんな中でこの州を制した方が勝利が確実という州が存在します。
実はこれも過去の統計結果から来ています。1964年以降、この州を制したほうが大統領選に高確率で勝利しています。開票速報でもこの州の当確により注目がおかれてました。何故オハイオ州が要なのかと言うと選挙人の数がすごく多いと言う理由では無く、母集団を表す良いサンプルだからです。実際に今年もオハイオ州を制したトランプ氏が当選しました。
オハイオ州は産業構成や人口構成(人種の割合)などから全米の縮図と言われる州であり、等しく全ての州からサンプリングしたのに近いサンプリングがこの州での結果を見ることで判断出来るからというわけです。
『全米に売り出す新製品のサンプリングモニターならオハイオ州は絶好のモデル州』と言えます。さすがに大統領選挙はアメリカの次の四年を託す人を決める投票ですからオハイオ州だけのサンプリングで済ますというわけにはいきません。今回は「この法則」が外れるだろうと予測されていたくらいです。それだけヒラリー氏有利だと思われていたのです。
日本でも国勢調査で全国民を調査する全数調査がありますが、この結果を元にして各企業が試作品のモニターのため...
例えば、一個100円のものなら広いエリアで多くの人に買ってもらいたいはずですが、1000万のものなら一部のコアなファンや富裕層に買ってもらえば良いのです。このようなサービスの特徴に応じて見込み購買層が異なりますから事前調査においてもデータサンプリングの方法を熟考する事は非常に大切です。
ビックデータ時代です。情報収集・分析・対策立案と施行に秀でた企業だけが生き残れることになります。インフォメーションを上手く活用出来ない所は、例え良い商品を提供できるサービス力があっても淘汰されて行くでしょう。