前回のその2に続いて解説します。
4.発泡成形の2
東洋機械金属は成形機のノズル部分に多孔質金属を用いて、超臨界二酸化炭素を導入して発泡させるプロセスを実演していました。計量工程では二酸化炭素の供給を止め、射出のタイミングで供給するとのことで、溶融樹脂にガスを溶解させてから気泡生成させるのではなく、樹脂流動中にガスを導入して直接気泡を巻き込ませるのでしょう。図9は後述の炭素繊維複合シートの活用を含めた軽量化の提案と物理発泡成形を説明したパネルです。
図9. 東洋機械金属ブースの物理発泡成形+CFRTPインサート成形に関する説明パネル
U&Mプラスチックソリューションズ(以下U&M)は宇部興産機械と三菱重工プラスチックテクノロジーの射出成形機部門を事業統合した会社です。同社のブースでは、自動車のMuCellによるエンジンカバー(図10)、化学発泡によるドアトリムが展示されていました。
図10. U&Mブースに展示されていたMuCell+コアバックによるエンジンカバー
押出発泡では三葉製作所が超臨界二酸化炭素を用いた発泡電線被覆装置を展示していました。同社はクラウスマッファイの押出成形機の国内代理店でもあるが、本発泡成形機は完全に自社開発した装置です。図11に展示パネル、図12に装置の写真を示します。
図11. 三葉製作所ブースの説明パネル
図12. 三葉製作所の通信ケーブルの押出発泡被覆システム(超臨界二酸化炭素使用)
昭和電工ガスプロダクツとプラステコは発泡成形用の超臨界流体注入装置の展示を行っていました(プラステコは操作部分のみ)。積水化成品はスーパーエンプラのビーズ発泡、熱可塑性エラストマーのビー...
ズ発泡等の開発品を多数展示していた。図13は積水化成品のブース配布資料記載の開発製品の部分です。
図13. 積水化成品の開発品(ブース配布資料より)
次回は、後付け式射出ユニットと多材成形からはじめます。
【出典】
PLASTICS JAPAN.com 展示会レポート IPF JAPAN 2017より、筆者のご承諾により、連載。