メールマガジン バックナンバー
メルマガ購読希望者はこちらから会員登録をお願いします。
不利な状況を口実にすることなく、チームの知力と努力を結集(2011/07/18配信)
*******************************************************************
ものづくり工学通信 2011年7月18日号
*******************************************************************
ものづくりに日夜奮闘されている皆様、
今日はなでしこジャパンの話題しかないでしょう。
14日のスエーデン戦では、ほとんど選手を見ることなくパスを渡す場面が多
く見られ、ケース毎にプレイの約束が決まっていて、さらに何度も繰り返し
練習した成果と見受けました。
今朝の米国チームは個々のスピードが速く、必ずしも日本の良さが発揮され
ていなかったようでしたが、2度までも追いついたのは何かメンタルな施策
があったのでしょうか。PKに臨む両国選手達の表情で、勝利を確信できま
した。
不利な状況を口実にすることなく、チームの知力と努力を結集して勝利を
奪い取る術を、我々産業人も学ばねばなりません。
*******************************************************************
今号の内容
1.ものづくり寄席の報告
2.山梨県品質工学研究会7月例会の報告
3.TRIZシンポジウム参加申し込み開始
4.コミュニテイカフェ「ドラッカーマネジメント塾」の紹介
5.技法解説:#8 TRIZ(3)技術効果(エフェクト)
6.書籍紹介「VEとTRIZ」
*******************************************************************
1.ものづくり寄席の報告
すっかり楽しんだ今年度のものづくり寄席でしたが、7月7日のトリは新宅
純二郎先生の『ブラジルにおける日韓企業のものづくり』でした。
BRICSの中で日本から最も遠いためなかなか情報を入手しにくいブラジルで
あり、実際に訪問したマナウス地区やサンパウロ近郊の企業群で見聞した
最新情報は貴重でした。
日本企業はシャープなどを先頭に70年代から進出したものの、90年前後の
輸入自由化の動きとハイパーインフレを原因として後退。一方韓国企業勢
は、IMFショックから立ち直った00年以降に投資を増やした結果、その後
急発展したブラジルで優勢になっているようです。
工場作業者の離職率、休暇率は低く手先が器用で、タイなどアジアの雰囲
気に似ているとのことで、今後も有望な生産地/市場という印象を受けまし
た。
http://merc.e.u-tokyo.ac.jp/mmrc/topics/yose.html
2.山梨県品質工学研究会7月例会の報告
7月8日の研究会は山梨大学渡辺喜道准教授を迎え、「品質機能展開の初歩」
というテーマでQFDを解説して頂きました。
短い開発期間で質のよい製品を提供するためにQFDは考案され、顧客の要求
を重視し、要求項目の重み付けを行った後、それに対応する技術項目をマト
リクスで表現します。
講演後も会員からは多くの質問があり、一見して大規模な作業に見える展開
表の作成ですが、まずは小規模なものから作り上げていくといったノウハ
ウの提供もあり有意義でした。
http://yqes.web5.jp/index.html
3.TRIZシンポジウム参加申し込み開始
第7回目のシンポジウムは9月8日(木)~10日(土)にかけて、新横浜の
東芝研修センターにて開催され、参加受付が始まっています。
チュートリアルあり、セミナーあり、ポスターセッションあり、海外から
の発表者、参加者もいて国際的です。
TRIZ関係の国内著名人はほとんど参加し、交流会や終了後の自主討議もあ
るため、多くの知人を得る機会があります。
熊坂も初日のテーマ講演「課題解決におけるTRIZの位置づけ」を担当し、
ものづくり工学マトリクスの中のTRIZを論じます。
http://www.triz-japan.org/Symposium07.html
4.コミュニテイカフェ「ドラッカーマネジメント塾」の紹介
TOC、トヨタ生産方式などSCMの第一人者である多摩大学の今岡善次郎
客員教授が、崇拝するドラッガーの主張を一話完結で解説する私塾を開設し
ています。
今再び注目されているドラッガーとサプライチェーンの関係とは?
春期日程は終りに近づいていますが、10月から終期も予定されていますので
ご参考にしてください。
http://www.bizdyn.jp/seminar.html
5.技法解説:#8 TRIZ(3)技術効果(エフェクト)
世の中には「アルキメデスの原理」「毛細管現象」「フレミングの法則」
といった有用な法則や科学現象が多数存在します。その中には今抱える技術
的課題に対して有効なものがありそうですが、思い浮かぶかどうかは個人的
閃き次第です。そこでアルトシュラーは多数の法則を一覧にした上で、
「温度を上げる」「エネルギーを伝える」といった目的機能リストとの相
関表を作る事で、使えそうな法則を素早く見つけられるようにしました。
近年の支援ソフトウェアでは、注目される特許もデータベースに加え、目的
とする課題に役立ちそうな事例を瞬時に提示してくれるように進化してい
ます。
http://www.osaka-gu.ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/jpapers/2006Papers/
NakaInterLab/NakaIL-8-KBEffects-060824.htm#EffectsDB
6.書籍紹介「VEとTRIZ」
執筆当時産業能率大学、現在は早稲田大学院の教授である澤口学氏が2002
年に出版した書籍です。書名の通り第2章でVE、第3章でTRIZをそれぞれ
簡潔に要領よく解説しており、初心者向けの良書と言えますが、第1章では
社会環境の変化により、従来の固有技術に加えて管理技術としてQFD、VE、
TRIZ、品質工学といった管理技術手法が必要になってきたと分析しており、
これはこのメルマガで繰り返している主張と良く一致しており、興味深い
ところです。
http://www.doyukan.co.jp/store/item_033025.html
*******************************************************************
山梨学院大学の「ものづくり経営論A」定期試験は本来来週だったのですが、
節電の関係で祭日の今日実施され前期の日程が終了しました。私はなでしこ
応援のため早起きした関係でちょっと眠かったのですが、学生諸君はそれ
どころではなく、良い夏休みを迎えるために時間一杯まで問題に向かって
いました。
メールマガジン「ものづくり工学通信」