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経営システム学会/経営工学会発表大会の報告(2011/06/02配信)
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ものづくり工学通信 2011年6月2日号
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ものづくりに日夜奮闘されている皆様、
どうせ被災地を助けるなら得意な分野でと、被災企業限定の無料指導をこ
こで提案したものの、メルマガとFBだけでは情報拡散不足で依頼もなく思
案していたところへ、技術士会を通じて中小企業庁からの候補者募集が届
き、早速応募しました。
4月の貿易収支が31年ぶりの赤字になる等、震災の影響による産業減退が
次第に明らかとなり、放射能汚染、電力供給不足などもあって早期収束は
容易と思えず、一人ひとりの持つ力を結集する必要があります。
私の提示した支援事項が現地要求に合致して、復興に貢献できる事を心か
ら願います。
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今号の内容
1.経営システム学会/経営工学会発表大会の報告
2.TOC事例交換会の報告
3.ものづくり寄席の報告と次回案内
4.技術士1次試験受験申し込み開始
5.経営品質協議会Facebookページ開設
6.技法解説:#5 品質機能展開
7.書籍紹介「品質展開法(1)」
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1.経営システム学会/経営工学会発表大会の報告
5月8日に神田の明治大学で開催された経営システム学会に、始めて参加し
てみました。文系理系が半々という面白い参加者構成で、数理、MOTか
らメンタル的アプローチまで、経営に寄与する多様な研究が聞けて興味深
いものがありました。
一方5月28/29日は名古屋の愛知学院大で経営工学会の発表大会でした。
会場が非常に広く、大雨の中の移動も大変でしたが、和気藹藹の中で活発
な討議がありました。
自分の発表に対しても、何人かの方から貴重なアドバイスや初耳の情報を
頂き、公の発表の重要性をあらためて認識しました。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jams2/information/2011spring.html
http://www.jimanet.jp/activity/event/spring2011sanka.html#prg
2.TOC事例交換会の報告
5月27日ベルサール飯田橋にて、ゴールコンサルティングシステムズ主催の
最新TOC事例交換会が開催されました。
村上社長による一般動向解説に続き、大小3企業がそれぞれDBR、CCPM、思
考プロセスの実践過程と結果を報告しましたが、空論ではない実践者の発
表であるだけに、緊迫感が伝わり説得力のある内容でした。
さらに終了後の交流会では、発表者と直に質疑応答を交わす事で、資料に
は書けない微妙なニュアンスまで感じる事ができ、大いに参考となりまし
た。
http://www.goal-consulting.com/index.html
3.ものづくり寄席の報告と次回案内
5月19日のものづくり寄席は、李澤建先生による『自動車のローコスト化と
電動化は破壊的イノベーションなのか?』と題し、中国・インドを主とし
た自動車産業の現状を、詳細なデータ・情報をふんだんに使用した分かり
やすい解説でした。
日本メーカーが緻密なマーケティングを進める間に、中国内陸の下位メー
カーがローカル要求に次々と応えてEVを作り始めている状況は、まさに
「イノベーションのジレンマ」であり、かなり危ないものを予感させます。
今後も6月2日元いすず専務佐々木氏の「海外でつくり、海外で売るための
ものづくり」、9日はMMRC岸氏の「転換期を迎えた中国でのものづくり」と
最新の演題が続きます。
いずれも場所は東京駅丸の内口 三菱ビル1階19時開演です。
http://merc.e.u-tokyo.ac.jp/mmrc/topics/image/2011YoseP.pdf
4.技術士1次試験受験申し込み開始
技術士第一次試験の受験申込書の配布及び申込み受付が、6月1日に開始さ
れました。ご存知のように、2次試験を受けるためにはJABEE認定の教育課程
を修了するか、1次試験に合格する必要があります。
1年に1度しか機会がありませんので、是非申請して10月10日(月・祝日)
の筆記試験に備えて下さい。4カ月それなりに勉強すれば、決して難しい
試験ではありません。受験ノウハウの収集は「技術士受験を応援するペー
ジ」(http://www.pejp.net/pe/)をお勧めします。
本年度は、昨年度までのインターネット受付がなくなってしまい残念です。
http://www.engineer.or.jp/c_news/001/001306.html
5.経営品質協議会Facebookページ開設
私も3月から使い始めてはまっているFacebookですが、周辺でも始める人が
増え一大潮流になりつつあります。経営品質協議会でも、試験的にFacebo-
okページを立ち上げ、情報発信を始めました。協議会からの最新の案内を
タイムリーに知ることができます。
閲覧方法はFacebookでログインした後に「経営品質協議会」を検索するか、
下記ページのバナーより進むことができます。
http://www.jqac.com/news/2011/5/25.html
6.技法解説:#5 品質機能展開
どんなに優れた技術、製品を開発しても、そのコンセプト自体が市場や顧
客の要求から離れていたとしたら、決して受け入れられず売れる事もない
でしょう。分かっていながら企画やテーマ設定の担当者は目前の事実や自
分の思い込みに引っ張られたコンセプトを設定しがちです。
そこで、まずは顧客要求を徹底して洗い出して顧客表現のままに整理し
(VOC)、別途整理した品質特性との関連性をマトリクスで明確にする事で、
要求品質重要度を品質要素重要度に転換して、要求に対応した機能、性能
を設計します。
以上で出来た「品質表」と呼ばれるマトリクスを、必要に応じて「部品展
開」「技術展開」「コスト展開」「FMEA」からQC工程表等に展開する方法
が品質機能展開ですが、すべて実行すると大変大掛かりな事から第一工程
である品質表だけで品質機能展開と呼ばれる場合もあります。
製品仕様が顧客の声中心に設定される事と、その過程が明確に残る点で、
極めて優れた製品仕様設定法です。
http://techon.nikkeibp.co.jp/free/nmc/kiji/triz/kiji/kiji1/kiji001.html
7.書籍紹介「品質展開法(1)」
上の説明を文字で読んでもさっぱりピンとこない人も、現物サンプルを
見ると直感的にその構造と効用はほぼ理解できます。しかし実際に作成する
となると、またしても手のつけどころが分かりません。
玉川大学生以来30年以上に渡り品質機能展開(QFD)を追求し続けてきた大
藤先生、小野先生とその師である赤尾先生が、日科技連から21年前に出版し
たのがこの書籍です。
概論はほどほどに押え、品質表の作成手順を実直に丁寧に記述しているため、
これ一冊を見ながら追っていくだけで、勘の良い人であれば完成度の高い
ものを作り上げる事が可能です。その後も何冊かの関連名著が発刊されてい
るものの、実践の参考書としては今でもこの本を薦めています。
http://www.juse-p.co.jp/cgi-bin/html.pl5?i=ISBN4-8171-0258-6
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3月末から稼働開始した我が家の太陽光発電ですが、4月は374kwh、5月は
323kwhと想定以上の働きをしてくれており、毎日少しの時間でも太陽が顔を
出すと嬉しくなります。
勢いでエントリーしてしまった佐渡のトライアスロン大会完走に向けた自
転車練習のためにも、早い梅雨明けを期待するところです。
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