メールマガジン バックナンバー
メルマガ購読希望者はこちらから会員登録をお願いします。
経営品質協議会認定更新研修報告(2010/03/17配信)
*******************************************************************
ものづくり工学通信 2010年3月17日号
*******************************************************************
ものづくりに日夜奮闘されている皆様、
今年も3月5日に技術士試験結果が発表となり、新たに4269人が資格を得ま
した(複数部門合格者含む)。選ばれた技術者としてこれまで以上に活躍
して欲しいものです。
弁護士、建築士などに比べて知名度は低いですが、私の場合は受験活動を
通じ、またCPDを要求される事で、継続研鑽の習慣を身につけたのが一
番良かったと感じています。
*******************************************************************
今号の内容
1.3月8日ものづくり寄席報告
2.経営品質協議会認定更新研修報告
3.日本技術士会「TRIZ入門」
4.機械設計2009年12月号より「コガネイの開発プロセス革新」
5.書籍紹介「技術者の意地」(長谷部光雄著)
*******************************************************************
1.3月8日ものづくり寄席藤本教授講演報告
今シリーズ大トリはMMRC藤本所長で、時節柄トヨタの話が出るだろうと
の予想を外し、「現場の2010年問題」が主題でした。低精度組立などの
単純生産は東アジアに移行するのが合理的ながら、国内生産はまだ生産
性向上の余地があり、能力があって努力している現場を安易に移転する
事を戒める内容です。一旦消滅した生産工場を復活させる事は極めて困
難であり、その意味でも生産性を上げる汎用的なものづくり技術の普及
を推進する必要を感じました。
結局後半ではトヨタの技術状況や対応の問題点についても、長年の研究
に基づいた言及があり、内容は納得性の高いものでした。
また来年の企画を楽しみにしたいと思います。
http://merc.e.u-tokyo.ac.jp/mmrc/topics/yose.html
2.経営品質協議会認定更新研修報告
経営品質向上活動をサポートするこの協議会は、「経営革新の基礎コー
ス」、「経営評価の基礎コース」、「セルフアセスメントコース」を
終了した人をセルフアセッサーとして認定しますが、2年に一度更新研
修を受講する必要があります。
私はCS活動から離れて4年ほど経過していますが、一旦失効すると再
取得が大変なので、失効直前の3月9日に受講してきました。
午前の講義でプログラムの理念を呼び覚まし、午後の事例研究では企業
のコアコンピタンスを基本とする戦略や活動の重要性を再認識しました。
2年に一度CSマインドを再活性する良い機会になっています。
http://www.jqac.com/index.htm
3.日本技術士会「TRIZ入門」講座報告
3月10日に神谷町技術士会会議室にて、CPD実行委員会主催のCPDミニ講
座としてTRIZの説明会が開催されました。
講師はTRIZ協会の理事でもある創造開発イニシアチブの堀田社長で、
TRIZの概要から成功事例、応用のコツまで2時間に渡り、詳細な説明が
ありました。
70人ほどの会場は満席の盛況で、これを機会に技術的課題にTRIZを応用
する技術士が増加すると期待されます。
https://www.engineer.or.jp/ippan/dmsw0211.php
4.機械設計2009年12月号より「コガネイの開発プロセス革新」
パナソニックやエプソンなど大手企業でのものづくり工学活用は一般化
してきたが、中堅どころではこれからという企業が多い。
そんな中、空圧/油圧制御機器で堅調な業績を続ける(株)コガネイは、
QFD、TRIZ、品質工学にCAEも併用して小型かつ高性能のバルブを開発し、
好評を博している。
担当者は、1つのメソッドに絞らず、適材適所で必要な手法を使う事が
大事だったと言う。
この記事では触れていないが、コガネイ社はTOCやFMEAでも優れた効果
を出しており、変化の時代到来を予感させられる。
http://pub.nikkan.co.jp/mgz/sekkei/zsek09120-092.pdf
5.書籍紹介「技術者の意地」(長谷部光雄著)
ここ5年ほど経営者に分かる品質工学の良書を連発している長谷部氏の
最新刊です。「読むだけでわかる品質工学」という副題のとおり、身近
にありそうな架空のセンサー製造会社を舞台に、小説形式で問題を解決
しながら、パラメータ設計だけでなくオンライン品質工学やTRIZ、
さらに技術者の意思問題まで、わかり易く解説してくれます。主人公の
上司、部下、同僚、奥さん、子供、飲み仲間たちとの例話のやり取りは、
ちょっと込み入った品質工学の理論と哲学の理解を助けてくれます。
http://www.fiberbit.net/user/noppo/books/books.htm
*******************************************************************
先日「高校野球の女子マネジャーがドラッカーの『マネジメント』を読ん
だら」を読みました。時間待ちの本屋でふと手に取ったら、面白くて1時間
ほどで読みきってしまいました。
ベタなストーリーでしたが、それだけに思わず目頭が潤んできて困りまし
た。合理的な理論は多数存在する訳ですが、それを理解しやすい形で提示
する重要性を再認識した次第です。スケールは違うものの、ゴールドラッ
ト博士の「ゴール」も、学術書形式で発表されていたらあそこまで注目さ
れなかったでしょう。トピック5で紹介した長谷部氏の小説も、同様の効
果が期待されます。
メールマガジン「ものづくり工学通信」