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製造業従事者の減少は問題か?(2013/05/08配信)

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製造業従事者の減少は問題か? 【ものづくり革新便り2013年5月8日号】
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昨年度のものづくり白書を見ると、製造業の雇用者は2001年の約1200万人
から大幅に減少して1000万人を割り込んでいる模様です。
特にここ5年ほどの減少傾向は、団塊の世代が生産者年齢から卒業している
ことも一因でしょう。




しかしこの間15%以上少ない人数で総生産額はほぼ横ばいですから、それだ
け労働生産性が向上していると言えます。




また2010年の白書を見ると、製造業への新規入職者推移で高卒者が過去20年
で3分の1になっている反面、大卒者は全く減っていません。
これは日本の製造業が労働集約型から知識集約型へ移行していることを示す
一つのデータと言えましょう。




ドラッガーは生産価値を上げたければ、ナレッジワーカーになるしかないと
言います。製造業といえども戦略、企画、開発、設計といったナレッジワー
クを鍛え上げ、製造業の生産性を上げてきたと言えましょう。




しかし、製造現場がすべて肉体労働であると思うのは短絡的です。
優秀な製造部門は、作業そのものよりも改善活動というナレッジワークの現
場であり、進化した製造プロセスは十分に高い生産性を発揮し、新興国に勝
る競争力を持っているのです。





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今号の内容
 1.品質工学エバンジェリスト田口伸氏講演会@山梨のご案内
 2.専門家ピックアップ
 3.品質管理学会にて及川氏&石川氏が発表します
 4.共催セミナーご案内
 5.掲載記事ピックアップ
 6.技法解説#52:Q7その8 層別
 7.書籍紹介:「品質コストの管理会計」(梶原武久)
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 1.品質工学エバンジェリスト田口伸氏講演会@山梨のご案内
5月15日に山梨県工業技術センターで開催される山梨県品質工学研究会に、
タグチメソッド創始者故田口玄一氏の御子息で、米国を中心に世界中で品質
工学を指導している田口伸氏が講演して下さいます。
講演テーマは「米国における様々な事例を通して品質工学の変遷と、品質
工学の始祖である田口玄一の人となりを偲ぶ」です。
当講演は、研究会のH25年度総会と併催になっていますが、非会員の方も
無料で聴講できますので、事前にご連絡の上15時にお越しください。
 http://www.asiusa.com/company/leadership/shin-taguchi




 2.専門家ピックアップ
今月新たに仲間になった羽根田修さんは、直近10年間の工場指導で105億円の
コストダウンを実現した省エネ、品質改善、作業改善、5Sの専門家です。
化学、金属、成形工場など素材・装置産業を得意とし、目標達成率は95%を
誇る実力者です。
 http://www.monodukuri.com/specialists/profile/46




 3.品質管理学会にて及川氏&石川氏が発表します
5月25日(土)と26日(日)に日本科学技術連盟・東高円寺ビルで日本品質管理
学会が開催されます。
チュートリアルセッションでは、品質管理界で多くの功績がある東京大学
久米均名誉教授が「日本の製造業-これからの経営と品質管理」、サン
デンの牛久保雅美が「会社の『品質』-グローバル・エクセレント・カン
パニーズ-」という講演があります。いずれも国際化が求められる日本の
製造業に一石を投じる内容が期待されます。
またものづくり革新ナビ登録専門家の及川忠雄さんと石川朋雄さんも、
お得意の分野で発表します。
 http://www.jsqc.org/q/news/events/101kenkyu.pdf




 4.共催セミナー案内
ものづくり革新ナビの登録専門家が講師をつとめる日刊工業新聞社主催の
セミナーです。
サイト上での解説とはまた違った直接のお話を是非お聞きください。




(1)5月22日「海外ビジネス、中国委託生産の要点」青山利幸さん
  http://www.monodukuri.com/seminars/detail/34
(2)5月22日「ステージゲート法」浪江公一さん
  http://www.monodukuri.com/seminars/detail/32
(3)5月23日「人材育成型人事制度のススメ」熊原徹司さん
  http://www.monodukuri.com/seminars/detail/33
(4)5月23日「ERP導入の不安をなくすには」鎌田光雄さん
  http://www.monodukuri.com/seminars/detail/26




 5.新着掲載記事
4月後半は、5件の解説と1件の事例を新たに掲載しました。
解説:
(1)マンネリに陥る理由とその脱出方法- 【後編】
    http://www.monodukuri.com/gihou/article/130
(2)顧客起点のB2Bマーケティング
    http://www.monodukuri.com/gihou/article/131
(3)生産財のグローバル・マーケティング戦略 その1
    http://www.monodukuri.com/gihou/article/132
(4)5S導入の手順と効果
    http://www.monodukuri.com/gihou/article/133
(5)ステージゲート法の課題と対応
    http://www.monodukuri.com/gihou/article/134
事例:
(6)国際生産成功のための基本的要点(その9)
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/65




 6.技法解説#52:Q7その8 層別
層別とは、与えられたデータを一群ではなく、属性で分類したグループ
ごとに分析する事です。
例えばQC七つ道具のひとつ散布図を作成してみたら、2つの因子の間に相関は
ないように見えても、装置、作業者、作業方法、材料ロットなどで層別して
分析してみると相関係数がぐっと大きくなることがあります。
またヒストグラムではデータが正規分布することが多いものですが、左右
非対称な場合に層別の因子を導入を検討してみましょう。
七つ道具の八番目というのは妙なものですが、弁慶の七つ道具になぞらえる
ためにどうしても7つにこだわった結果のようで、取り上げる資料によって
入っていない事があります。
 http://www.monodukuri.com/gihou/article_list/133




 7.書籍紹介:「品質コストの管理会計」(梶原武久)
従来型の日本品質管理活動においては、「品質第一」主義が主流でしたが、
近年は過剰品質という評価も聞かれるようになり、一方でクレームやリコ
ールの話題も頻出しています。
本書では、品質コスト(予防、評価、不良)に関する広範なアンケートと
インタビューを通じて、これらのメカニズムを解明しています。
最適バランスポイントから遠く離れていた昔は、コストを評価するよりも
ひたすら不良を減らすことがすべての面で優位だったものの、バランスポ
イントに近づいた近年は品質コストが過少あるいは過大になる危険性が高く、
以前に比べると品質コスト評価の重要性が上がっていると結論付けます。
結論だけを知るならば、第9章を読むだけで十分でしょうが、もし$$$name$$$さん
が品質担当者であれば、過去の研究やデータの隙間に横たわる事実の襞を
感じ取るために、全頁をめくることも楽しいでしょう。
 http://www.biz-book.jp/%E5%93%81%E8%B3%AA%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%AE%E7%AE%A1%E7%90%86%E4%BC%9A%E8%A8%88/isbn/978-4-502-28240-9




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今回紹介した梶原氏の書籍は、2008年度の日経品質管理文献賞を受賞した
もので、大変興味深く3年前に購入していましたが、ようやくこのGWでまと
もに目を通すことができました。このメルマガを書いていなければ、一生
書棚の飾りになっていたかもしれません。
私は精神力の弱い人間なので、こうやって無理やり外部強制力を設定して
実行を促しています。たまにやりきれず迷惑をかけることもあるかもしれ
ませんので、遠慮せずにどなりつけてください。