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ものづくりもストーリー性の時代(2013/03/20配信)

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ものづくりもストーリー性の時代 【ものづくり革新便り2013年3月20日号】
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3月としては記録的な暖かさで、桜が開花したところも多いですが、
皆様の周辺はいかがでしょうか?




一昨日やまなし産業支援機構主催のイベントで、昨年のビジネスプランコン
テスト以来の知人である吉藤さんが、甲府に来て講演してくれました。
昨年のコンテストでの5分間プレゼンもインパクトがありましたが、今回
45分のフルバージョンを聞くとさらに説得力が増します。
彼の開発しているロボットの仕様、デザインもさることながら、そのコンセ
プトに至るストーリーや込められたメッセージに人は共感します。
最近の日本製品に薄れて、アップルやFacebookに強く感じるように思います。
決して日本人に欠けているわけではなく、むしろ当たり前のように持ってい
る特質だからこそ、その強さを意識しづらいいのかもしれません。




3月27日に予定している「ものづくり革新ナビ講演会/交流会」も、おかげ
さまであと十席を残すのみになりました。
 http://www.monodukuri.com/information/detail/14




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今号の内容
 1.今時商品の価値はどこにあるのか:妹尾堅一郎氏講演報告
 2.専門家ピックアップ
 3.大学改革のPDCAとは:新藤久和先生講演報告
 4.掲載記事ピックアップ
 5.変革の時代に必要なアダプション思考:長谷部光雄氏講演報告
 6.ビジネス展開と計画立案技術の革新:村松健児氏講演案内
 7.技法解説#49:Q7その5 散布図
 8.書籍紹介:「経営のための直観的統計学」
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 1.今時商品の価値はどこにあるのか:妹尾堅一郎氏講演報告
3月13日秋葉原にてAICOS主催の講演を聴講してきました。
副題は「イノベーションを産業生態、事業業態、商品形態から考える」と
なっており、高度成長期は国内同士で単品の性能を競争するのが成長モデ
ルでしたが、今やネットワークを介してn:n:nで伝わる生態系に
なっており、勝者はアップル、アマゾン、インテル、グーグルなどで、
日本企業の存在感がありません。
時代は複合体複層の世界であり、産業界全体を見て価値を形成する組合せを
見つける必要があることを、シンジェンタ、モンサント、プローバという
農業関係企業を例に展開しました。
これまで私は、AICOSで関心のある講師の時だけ参加していましたが、異業種
の話こそしっかり聞かなければいけないと諭されたようです。
 http://www.akiba-ic.jp/seminar.html#sem02




 2.専門家ピックアップ
先月新たに仲間になった熊原徹司さんは、人材育成、人事制度構築の専門家で、
体験型教育の歩行ラリー研修を得意としています。個別能力よりも組織全体
能力の向上が求められている今、組織研修の重要性が増しています。
 http://www.monodukuri.com/specialists/profile/42




 3.大学改革のPDCAとは:新藤久和先生講演報告
3月12日(火)東高円寺にて、クオリティトークに参加しました。
元来品質管理学会でTQMを発表してきた新藤先生ですが、丁度1年前に
大学の労働側である教授から理事職という経営側に立場が変わり、戸惑い
ながらも大学のビジョンから活動計画を作成し、PDCAを回した過程を報告
して下さいました。
ある種特殊な世界であった教育界に、市場原理を持ち込もうとする文科省と
対応する大学の苦労を垣間見た2時間でした。
 http://www.jsqc.org/q/news/events/




 4.掲載記事ピックアップ
3月前半は、5件の解説と2件の事例を新たに掲載しました。
解説:
(1)海外委託生産における製造物責任管理
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/115
(2)効果的な教育研修の進め方3 ~ジョブスキル教育のポイント~
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/117
(3)ステージゲート法とディスカウントキャッシュフロー(DCF)その1
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/118
(4)効果的な教育研修の進め方4 ~階層別教育のポイント~
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/120
(5)ステージゲート法とディスカウントキャッシュフロー(DCF)その2
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/121
事例:
(1)国際生産成功のための基本的要点(その2)
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/58
(2)国際生産成功のための基本的要点(その3)
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/59




 5.変革の時代に必要なアダプション思考:長谷部光雄氏講演報告
3月8日(金)の山梨県品質工学研究会は、顧問の長谷部さんがSkypeを使って
表題の講演をしてくれました。
内容は、変化の激しい産業界にあって、それに追従するためには数億年に
渡って環境に適応してきた生物の進化に学ぶところがあり、演繹と帰納に
並ぶ第3の論理としてアダプションすなわち複雑系の問題には、複数の失敗
から学びながら最も良く説明できる仮説を推論してゆく方法が有効と提案して
くれました。
これは維持管理のためのデミングサイクルPDCAに対する、お手本の無い創造の
ためのシューハートサイクルPDSAに相当するものだそうです。
初めての試みだったSkype講演は、音質も良く質疑応答も順調で、地方での
研究活動の可能性を拓く実験結果となりました。
 http://yqes.web5.jp/meeting.html




 6.ビジネス展開と計画立案技術の革新:村松健児氏講演案内
3月30日(土)新宿の工学院大学28階第3会議室で開催される日本型MOT研究会
は、(株)O2O代表の村松健児氏による「ビジネス展開のスピード・コスト・
品質と計画立案技術の革新」です。
製造技術については日本の優位性が失われつつありますが、革新の余地が
大きい計画立案技術について、元東海大学経営システム工学科教授の村松氏
から問題提起と提案が示され、参加者との間で活発な議論が展開されます。
 http://www.geocities.jp/motbukai/




 7.技法解説#49:Q7その5 散布図
散布図とは、2つの特性間の相関を評価するために、2特性値を縦と横に
それぞれ配置し、サンプル毎にその2特性値に対応した座標をプロットした
図です。
2特性の関係は直線、二次曲線、指数曲線だったりしますが、直線的の場合、
右上がりの時に正の相関、右下がりの時に負の相関があると呼び、最も良く
マッチした直線を回帰直線と呼びます。
単に相関係数を計算して無相関であっても、散布図を見ると二つのグループ
があって、層別してみるとそれぞれ直線的な相関を持っている事が分かる
こともあるため、図に示す事が重要です。




 8.書籍紹介:「経営のための直観的統計学」(吉田耕作著)
この本は、見方によっては統計学の凡庸な参考書です。扱っているのは、
平均や標準偏差などの基本的統計量から、QC7つ道具、確率、検定、推定と
技術者にとって当たり前のものばかりです。
しかしこの本を特徴づけているのは、文科系の学生、従業員を対象にして
いる点で、取り上げている事例は、売上、経費、人事評価などであり、
比較的数学に弱い人たちに対して、懇切丁寧に意味づけから解説します。
若い時に数学を苦手としながら、MBA取得後はデミング博士から直々に薫陶
を受けたこともあり、分からない人に教えるツボをわきまえているようです。
 http://ec.nikkeibp.co.jp/item/contents/mokuji/m_P43530.html




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大学を卒業後30年ぶりに行ったMOT大学院が思いのほか楽しかったので、
修了後1年のブランクを経て来月から、東京工業大学の経営工学専攻博士後
期課程に進学することにしました。
ものづくり革新プロセス導入の成功要因をテーマに研究し、企業事例をヒア
リングして帰納的にまとめようと考えています。
この件を先日Facebookに書き込んだら、過去最高128人から「いいね!」を
いただき感動しました。皆さんからの大きな期待を感じます。
皆様のご協力が必須ですので、よろしくお願い致します。