メールマガジン バックナンバー

製造業にとっては、深層の競争力を磨く好機 (2013/01/08配信)

*******************************************************************
  ものづくり革新便り    2013年1月8日号
*******************************************************************




皆様、明けましておめでとうございます。




昨日の特別号を受け取った方もいらっしゃるかと思いますが、こちらは
通常バージョンでお送りしますので、続けてお読みください(^_^)/




年明けで市場も再開し、円安、株高傾向が明らかになっています。
意地の悪い人は、為替は米国の望む方向に動くと言い、それが本当だと
すれば日本の貿易収支が黒字の時は円高で、赤字の時は円安にしたい道理
で、素直に喜んでいられません。
原発が止まってエネルギー源の輸入が増えている時を狙って、円安を仕掛
けているようにも見えます。
ともあれ製造業にとっては、深層の競争力を磨く好機ではあります。




*******************************************************************
今号の内容
 1.実践ビジネスモデル研究会参加報告
 2.掲載記事ピックアップ
 3.「サービス革新による利益創出」「魅せる化経営」2本立て発表
 4.成功事例に学ぶ!「5Sの導入と強化」セミナーのご案内
 5.「コマツのアフターケット戦略」セミナーの案内
 6.技法解説#44:QC7つ道具
 7.書籍紹介:「統計学を拓いた異才たち」デイヴィッド・サルツブルグ著
*******************************************************************




 1.実践ビジネスモデル研究会参加報告
12月19日東京八丁堀区民館で開催された、開発工学会の実践ビジネスモデル
研究会に参加しました。
個人的には「知識・スキルをネットで販売する「ココナラ」が作る社会」
という発表が興味深かったのですが、ものづくりに関連するテーマとしては、
もう一つ元IBMの外山咊之氏が報告した「構造マトリクス」でした。
 私の頭では俄かに理解できませんでしたが、経営要素の関連を二次元表に
して接続していくことで構造を明示化し、合理的な経営判断に使うようです。
具体的には原価計算や材料所要量の例が挙げられたため、BOMとかMRPと目的
が近いように感じましたが、これに限定されず使われるようです。
二元表を接続していくという点ではQFDと共通であり、もっと定量的なツール
のように思えました。
神戸製鋼やサムスンといった企業名が実践企業として挙がっており、うかう
かしていられないという印象が残ります。
 http://jdes.cher-ish.net/html/htdocs/




 2.掲載記事ピックアップ
12月後半は、3件の解説と4件の事例記事を新たに掲載しました。
解説:
(1)発明原理を使って根本原因から工学的矛盾(技術的矛盾)を克服する方法
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/95
  会員限定特典としてこのページから「工学的矛盾マトリクス」がダウン
  ロード可能です。
(2)グローバル競争を勝ち抜くための戦略~グローバル・マーケティング~
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/96
(3)統計的実験計画法と品質工学の違い
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/97
事例:
(1)知的財産における三位一体の戦略について【食品業界の事例】
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/50
(2)トンネル崩落事故に思う「安全設計」のあるべき姿
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/51
(3)酵素反応による脂肪酸製造のパラメータ設計事例
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/52
(4)科学的手法(TRIZ,QFD,タグチメソッド)の社内展開:オリンパスの事例
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/53




 3.「サービス革新による利益創出」「魅せる化経営」2本立て発表
1月11日(金)19時から東京九段にて、開発工学会主催のビジネス・イノベ
ーション研究会が開催されます。
前半は㈱日立製作所でインフラシステムが専門の藤井享氏が、単なる製品
からサービスとのパッケージ化による「顧客の求める機能」提供への転換を
提案します。
後半は名古屋商科大学大学院マネジメント研究科教授で経営コンサルタント
でもある矢本成恒氏が、下請企業から最終消費者を顧客とする事業戦略転換
における製品開発のフレームワークを考察します。
うーん、聞きたいんですが、都合がつきません。
どなたか参加してレポートお願いします!
http://jdes.cher-ish.net/html/htdocs/?action=common_download_main&upload_id=184




 4.成功事例に学ぶ!「5Sの導入と強化」セミナーのご案内
$$$name$$$さんの製造現場では、ものを取り違えたり、紛失したり、
探し回ったり、そんな現状はありませんか?
工場を見学させてもらう機会が多いのですが、しっかり利益を出して
いる企業の現場は緊張感があり、「あるべきところにものがある」
状態が維持されています。
トヨタ自動車が発祥という説もある5Sは古くて新しい概念です。
誰もが一度はやろうと思ったができていない、やってみたけど
うまくいかなかった、そんな経験をお持ちなのではないでしょうか?
今回は多くの工場の現場指導で実績のある中小企業診断士で
技術士(経営工学部門)でもある秋山氏が、自身の経験から生み出した
ノウハウを惜しげもなく提供してくれます。
資料だけでなく、現場の映像も映写しますので、勘所が直観的に習得
できることでしょう。
現場の生産性向上を望んでいるあなたにお勧めします。
 http://www.monodukuri.com/seminars/detail/19




 5.「コマツのアフターケット戦略」セミナーの案内
1月16日(水)午後 6時東京田町で、「 ICTを活用したコマツのアフター
マーケット戦略-日本流製造業強み発揮」と題するセミナーが日本MOT
学会とJATESの共催で開催されます。
講師はコマツの高橋進氏で、昨年9月22日に芝浦工大MOTトップセミナー
の内容と同じと思われ、単なる製品の魅力だけではない、日本にふさわしい
おもてなしの事業化として非常に参考になるお話です。
事業戦略をお考えのあなたにお勧めです。
 http://www.js-mot.org/doc/20130116seminar.pdf




 6.技法解説#44:QC7つ道具
ものづくり技法と言えばまずこれが思い浮かびます。
'50年代から活発化したQC活動の流れの中で、誰でもやさしく理解できる
ツールを体系化するために、弁慶の7つ道具になぞらえて'60年代末頃から
こう呼ばれるようになりました。
パレート図、特性要因図、グラフ、チェックシート、ヒストグラム、散布
図、管理図の7つです。グラフの代わりに層別が入ることもあります。
現在はエクセルの機能として特性要因図以外は簡単に作成できるため、
あえて技法という感覚すらなくなっていますが、基本的な知識としての
重要性は残っており、QC検定3級レベルでも必修項目です。
来月からは一つ一つ解説します。




 7.書籍紹介:「統計学を拓いた異才たち」デイヴィッド・サルツブルグ著
前述のとおり現在では、平均、標準偏差、分散分析などクリック一つで計算
できますが、ここに至るまでには多くの統計学者たちの苦労と論争がありま
した。
その数理的な主張と哲学を理解する事は容易でありません。本書ではむしろ
彼らの人間性や、フィッシャーとピアソンの確執に代表されるエピソードに
焦点をあてた大河ドラマ的な表現になっており、数式が全く出てこないため
に、その方面を苦手とする人たちにも面白く読み進める事ができるでしょう。
この本によって、無味乾燥に思えた統計的品質管理(SQC)に対する印象が
変化して欲しいと思います。




*******************************************************************




例年だと12月中旬の市民駅伝を最後に、私のランニングは冬眠に入るのです
が、今年はちょうどその日に衆議院選挙が重なったために、公務員の方々が
準備できず1月13日に延期されてしまいました。
おかげで年末年始の休暇中も寒い山梨で練習を続ける羽目に陥っており、
体重が増えがちなこの時期には良い事かもしれません。
もう数日の辛抱です。