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イノベーション促進の方法(2012/12/18配信)

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  ものづくり革新便り    2012年12月18日号
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12月15日の技術士会山梨県支部例会にて、
「技術経営(MOT)専門職大学院での体験と課題」という演題で
15分間発表しました。


閉塞感のある社会でのイノベーションの必要性は、
2年間のMOT課程で十分理解できましたが、
イノベーションを引き起こし、促進してゆく方法論は、
まだ確立されていないように思います。
ものづくり革新技法の普及で、
少しでもその流れを作れるようにしたいと考えています。




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今号の内容
 1.ものづくり革新ナビ1周年記念講演会、交流会のご案内
 2.「新興国におけるアプローチ」講演聴講報告
 3.掲載記事ピックアップ
 4.「標準化と品質管理全国大会2012」講演資料、動画配信を開始
 5.QC検定申込み始まる
 6.技法解説#43:冗長設計
 7.書籍紹介:「設計開発の品質マネジメント」久米均著
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 1.ものづくり革新ナビ1周年記念講演会、交流会のご案内




ものづくり革新ナビは、ネット上で情報を交換する事で、今年3月より製造
業のプロセス革新を促進してきました。
その結果利用者のアクセス数は増加してきたものの、まだ潜在的な可能性が
あるような気がしていました。
そこで製造業者と専門家さらに著名人をお呼びして、リアルな双方向交流の
場を設定することとしました。
来年早々の一般公開に先行して、まず会員の皆様にご案内しますので、是非
ご参加をお申込み下さい。




・日時場所:3月27日(水)18時~21時@中野サンプラザ14階クレセントルーム
   http://www.sunplaza.jp/access/




・基調講演:「アジアで成功するものづくり中小企業」




・講師:岸本太一氏(敬愛大学経済学部・国際学准教授、東京大学ものづくり
    経営研究センター特任研究員)




・講師略歴:一橋大学卒業博士取得後、2009年より東京大学ものづくり経営研究
   センター特任助教となり、元気ある中小企業を研究。
   近年は海外進出での成功要因を探求している他「長期存続中小企業プロ
   ジェクト」で実務家との交流を求めている。




・講演概要:数十社の海外進出したものづくり中小企業を訪問すると、ほぼ例外
   なく、海外で成功している企業は国内も堅調である。中小企業が海外にて
   成功するための要因と国内堅調の関係を探ると、単純な日常業務での
   分業関係を越えたダイナミックでディープな関係が見えてくる。




・交流会:講演終了後に大学関係者、登録専門家、ものづくり革新ナビ一般会員
   (製造業経営者、管理職、技術者)が、立食形式で情報交換しながら、
   ネットワークを広げます。




・参加料:1月末まで申込み5000円、2月末まで6000円、3月以降7000円
  (専門家・一般とも、飲食込み)(非登録専門家や非会員は参加できません)




・これまでに参加のご回答をいただいた招待者:
  赤尾洋二先生(山形大学:品質機能展開)
  中川徹先生(元大阪学院大学:USIT/TRIZ)
  神田範明先生(成城大学:商品企画7つ道具)
  中村昌允先生(東京農工大学大学院:リスクマネジメント)
  越水重臣先生(首都大学東京産業技術大学院大学:品質工学)
  東秀忠先生(山梨学院大学:ものづくり経営)
  緑川賢司社長(株式会社ミナロ:コマ大戦主催など元気な中小製造業代表)




・定員:会場の関係上、先着合計60名で締め切らせていただきます




・申込み:info@monodukuri.com宛にメールにてご連絡頂き、確認メールを返信
  参加料支払い後はキャンセル不可ですが、会員間の権利移転可能




・広報:元旦に当社のネットワーク約1000名にメール告知
   1月中にFacebookページ(ものづくり革新ナビ、ものづくり系のグループ)
   2月中に新聞、雑誌、ネットニュース系列にプレスリリース
   $$$name$$$さんのお知り合いにも声をお掛け下さい





 2.「新興国におけるアプローチ」講演聴講報告
12月8日武蔵工大MOT主催の講演会で、元トヨタ専務岡部聰氏の講演「新興国
における現地現物的アプローチ」を聴講し、アジア新興国市場での事業を考える
にあたり大いに参考となりました。
東工大社会工学科で、KJ法で有名な川喜多二郎教授に師事された岡部氏は、
トヨタ自販で海外特にアジア圏で活躍した経験から、新興国での事業成功には
次の4つが重要であると語りました。
 (1)市場ニーズにマッチした商品開発  (2)各国の政策と強調
 (3)良きパートナー     (4)良き人材による現地主体の事業展開
いずれの項目でも、先進国市場に比べて新興国は平均からの片寄り、ばらつきが
大きいため、統計的な判断よりも野外活動の要領で、現地現物を子細に観察し、
インサイダーとして時系列で変化を捉え、主体的に判断、行動する事の重要性を
強調していました。
 http://office.shibaura-it.ac.jp/mot/topics_top_seminar.html
 




 3.掲載記事ピックアップ
12月前半は、1件の解説と2件の事例記事を新掲載しました。
解説:
(1)付加価値向上イノベーションの必要性:上記講演の要旨
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/94
事例:
(1)ファクシミリの紙送り時間と安定性を劇的に改善したキャノンの事例
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/48
(2)新興国で求められる現地現物的アプローチ【トヨタ事例の講演】
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/49





4.「標準化と品質管理全国大会2012」講演資料、動画配信
10月16日に終了したこの大会ですが、全発表22件中17件の資料、12件の動画が
閲覧可能になりました。
通常の講演会では会場に行かないと手に入らない資料が多く、動画の一般公開は
さらに少なかったと思います。
来年3月29日が閲覧の期限になっていますので、有効に活用しましょう。
 http://www.jsa.or.jp/info_detail/zenkoku_doc_list.asp





 5.QC検定申込み始まる
12月10日から第15回QC検定の申込み受付が始まりました。
ものづくり革新ナビの技法とQC検定の守備範囲は、同じではないものの
かなり重複します。QC7つ道具、新QC7つ道具は当然ながら、2級からは回帰
分析、実験計画、信頼性工学、QFDが含まれ、1級では品質工学や応答局面法も
入ってきます。
体系的な学習、実力の向上、評価、習得のモチベーションアップのために
挑戦をお勧めします。
 http://www.jsa.or.jp/kentei/qc/qc-top.asp





 6.技法解説#43:冗長設計
万一事故があった時に機能や情報などに冗長度を持たせることで、事故や
トラブルを防止したり、被害を低減したりする設計方法です。
並列装置が自働で切り替わる「常時冗長」、待機装置を異常時のみ切り替
える「待機冗長」、n系統のシステムのうちk系統が正常であれば動作を継続
できる「koutofnシステム」、動作原理の異なるシステムで補完しあう
「ダイバーシティ」などの方式があります。
 http://www.monodukuri.com/gihou/article_list/59





 7.書籍紹介:「設計開発の品質マネジメント」久米均著
1970年くらいから、品質管理の中心が製造から設計/サービス部門に移って
きたと考える筆者が、設計開発の品質マネジメントについてまとめた良書
です。
プロセスとしては研究からマーケティング、企画、設計開発までをカバーし、
内容では要件、手法、管理、標準化、教育まで広く記述されています。
文体はまるで新書のように読みやすく、しかも事例がふんだんに配置されて
いるため、必要に差し迫ってからでなくとも、目を引いた部分から読んで
おく事ができます。
特に設計開発部門を管理する、部課長さんに読んでもらいたい1冊です。
 http://www.juse-p.co.jp/





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いよいよ今年最後のメルマガになりました。
忙しいながらも、さすがにもうじたばたしても始まらないから、
忘年会で飲んだくれよう、ってところですね。
私もここまで6つの忘年会に参加し、後5つ残っています。


普段あっていない人と話すと、新鮮な情報が聞けたり、
良いアイデアが閃いたりすることがあって積極的に出かけるのですが、
自分の場合酔った後の記憶がなくなるので、
良いアイデアが思い出せない事も多々あり反省します。


携帯電話のボイスレコーダーで録音する人もいますね。