1.効率向上のための改良点
2.出力軸高推力駆動におけるサイクロイドとの相違点
3.各種歯形の駆動採用によ優劣
4.電動シリンダー活用による問題点
5.高速回転可能な回転数予想
6.最適な潤滑方法
7.振動は平歯車の追加(バランスさせる為の反対側に組み合わせる)による対策の問題点
上記の疑問点があり、ご助言よろしくお願い申し上げます。
念のため、ギアーの構造は特許広報をご覧下さい。特許4664403
必要であれば、資料送らせて頂きます。
特許4664403を拝見させていただきました。当方、残念ながら特許専門家であり、この関連技術そのものには深い知識を持ち合わせておりませんので、直接の回答になっていないかもしれませんが、ご了承願います。
まず、貴社ご機構の良い点、悪い点を把握するためには、他社の技術内容を把握して、自社技術と比較することが近道と思います。
特許4664403の特許公報のトップページを見ますと、貴社発明の技術分類はFIで「F16H 1/32 A」となっておりますので、この技術分類で特許検索をかけてみることをお勧めします。
特許検索は、特許電子図書館(http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl)を利用すれば無料で行うことができます。使用法につきましては、特許電子図書館のマニュアルをダウンロードしていただくか、お近くの発明協会にご相談いただければ、無料で使い方を指導していただけると思います。
特許検索によるヒット件数が多い場合には、例えば、貴社と競合する企業やベンチマークとする企業に絞込みをかけて10~100件程度の特許公報をダウンロードします。
さて、その後1件1件の特許公報を読み込んで、他社技術の分析を行うわけですが、お時間が無い場合には、とりあえず要約の部分だけ読んでいただければと思います。
要約には、【課題】の欄と、【解決手段】の欄が簡便に記載されておりますので、短時間での技術概要の把握に役立ちます。例えば、以下のような観点で要約を読んでみてはいかがでしょうか。
【課題】の欄
4.電動シリンダー活用による問題点
5.高速回転可能な回転数予想
7.振動平歯車の追加(バランスさせる為の反対側に組み合わせる)による対策の問題点
【解決手段】の欄
1.効率向上のための改良点
2.出力軸高推力駆動におけるサイクロイドとの相違点
3.各種歯形の駆動採用によ優劣
6.最適な潤滑方法
このような観点で明細書を読み込んでいただければ、疑問点を解消できると思います。
また、特許分析を行うことにより、自社技術の強み・弱みがわかりますので、R&D戦略構築に役立つ資料となると思います。さらに、類似する技術を開発している他の企業名がわかりますので、例えば、御社の技術の売込みをかける営業活動にも役立つ資料となると思います。
以上、ご検討ください。
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私はギアの固有技術につきましては専門外のため、具体的な助言は難しいですが、QFD(品質機能展開)やTRIZ(トゥリーズ:発明的問題解決理論)などの開発設計手法の専門家としてコメントさせていただきます。 また、疑問点として7項目挙げておられますが、2.3.5.の各項目につきましては技術的知見が必要と思われますので差し控え、それ以外の各項目に対して私の考え方をお伝えします。
1.効率向上のための改良点
①まずギアの効率を明確に定義し、当該揺動ギアの効率に対してどの程度まで向上させるかの目標を設定します。
②次に、現在の揺動ギアで目標とする高効率が得られていない原因を分析します。 トルクや回転数が減衰している
要因を、論理的に、技術的に分析して根本原因を特定します。
③その根本原因に対して、改良するためのアイデアを数多く創出し、それらのアイデアを評価して改良コンセプトを
設定します。 このアイデアを多数創出する際、私はTRIZ(トゥリーズ:発明的問題解決理論)を適用しています。
4.電動シリンダー活用による問題点
①当該揺動ギアを活用する電動シリンダーを想定して、その構成要素(部品)の働きを記述した機能(分析)モデルを
作成します。
②特に、揺動ギアの働き(機能)と、想定し得る問題点(有害作用)を機能モデル上に追記していきます。 問題点と
しては主に、入力エネルギーを揺動ギアが出力に変換する際に生じる発熱、騒音、振動など目的外エネルギーや
作用の減衰などが考えられます。
③そしてこれらの目的外エネルギーや機能が不足する要因は、1.項での効率問題の要因にもなります。
6.最適な潤滑方法
①まず、一般的なギアの潤滑方法に倣った方法を想定します。
②潤滑油の種類、量、ギアに対して注入する方向、場所(歯車、軸、軸受など)、流量、など設定可能な因子を特性
要因図(フィッシュボーン)で分析・整理します。
③潤滑性能を評価する特性を設定します。
④②項の各因子から潤滑性能に影響を与えると思われるものをいくつか選定し、それらの水準を3段階くらいに
ふって、直交表による組み合わせ実験(あるいはシミュレーション)で各因子の最適水準を選定します。 この部分
には、私はタグチメソッド(品質工学)を適用しています。
7.振動は平歯車の追加(バランスさせる為の反対側に組み合わせる)による対策の問題点
これは、バランスさせるために平歯車を追加すると、振動の問題が生じるということだと思います。
①平歯車によって発生する振動の原因を、4.項でのコメントと同様に分析して、根本原因を特定します。
②その上で、根本原因に着目して改善アイデアを前掲のTRIZなどで創出します。 因みにこの問題は、あることを
改善しようとすると別の不具合が生じてしまう、というTRIZが得意とする問題(工学的矛盾問題)に相当します。
以上ですが、これらの問題点に対する改善結果は、新たな発明につながる可能性が大いにあります。 問題を発生させている原因を、事実に基づいて、技術的に分析し、多くの改善アイデアを創出して、取得された「特許4664403」をさらに強化されることをお勧めします。
株式会社アイデア 笠井 肇
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