防災家具をメイン商品として、今後、防災家具&用品の開発ブランドメーカーを目指します。
シーズを元に商品開発した1.0 顧客志向優先の2.0 協働による3.0などがありますが
私は昨年までランチェスターの弱者の戦略をベースに考えていました。
しかし、時代は3.0だったんですね
弊社に。その3.0を導入する為は、どのように展開したら良いでしょうか?
弊社の基本的展開としては
商品開発
①防災セミナーを開催して、防災に関心のある人をあつめ、防災家具の販売を仕掛けます。
②その中から、私たちと一緒にセミナーを開催する人が出てきます。
③さらに、いろいろな意見を持つ人が、クリエーターとして商品企画へ参加するよう仕掛けます。
販売代理店
①地域代理店、販売店、ネット販売店(アフィリエイト)の3段階の代理店組織を経由して流通させます。
中には、メーカー直販が良いと言う意見もありますが、大手ならそれも出来ます。
しかし、零細では、宣伝力が無い為、3階層代理店システムを選びました。
価格戦略的にも、30万で販売しても、直販20万円で販売しても、販売できる個数はそれ程変わらない商品なので、
メーカーとして、収益を独り占めするより、代理店として関わった人達と、利益を分配したいと思います。
一部、連鎖取引も含め、初動販売先開拓のスピードを上げる事も検討しています。
②販売代理店の売上利益から、システム的に義援金を徴収し、社会貢献活動グループへ寄付していきます。
今後の展開として、ご指導いただけると嬉しいです。
補足1
的確で素晴らしい回答、ありがとうございます。
私は3.0にしがみつこうとしていましたが、解決策が見つからず悩んでいましたが
やっと、霧が晴れたような思いです。
これからも、色々な問題にぶち当たるとは思いますが、
その際は、また、ご指導いただけると幸いです。
井上様、
ご質問有り難うございます。
なかなか難しいご質問ですし、井上様のビジネスの詳細も存じ上げませんので、一般的なコメントにならざるを得ないことをお断りした上で、思いつくことを書き連ねさせて頂きます。
マーケティング3.0の時代で恊働を考えるとのことですが、その前に次の2つのことを考える必要があると思います。
1)恊働が本当に必要なのか?必要だとしたら、それはなぜか?
2)恊働を求めるとして、相手(顧客、パートナー)は応じてくれるのか?
以下それぞれについて検討したいと思います。
1)恊働の必要性
マーケットが成熟するに連れて、1.0から2.0へ、さらに3.0に移行する(これを面白く説明した例としては斉藤徹氏のコラム http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2010/10/marketing30-6fe.html があります)とのことですが、これは必ずしも必然とは限りません。むしろ、自分たちがどの段階のマーケットで勝負するかの意思が重要となります。
たとえば、言い古された例ですが、iPodは成熟化されたと思われた市場で、商品力があれば1.0で大ヒットを飛ばせることを示しました。また、2.0の例として、時間を節約しながらセンスの良いものを洋服を着たい人たちに対するセレクトショップがありますが、セレクトショッップは自分たちの目利き力で勝負しているので、顧客に相談するのは自殺行為となり、決して3.0へは移行しようとしません。
一般に顧客が価値を認識しにくいエリアは、3.0に馴染みやすいと受け取られる傾向があるようですが、価値の訴求が難しいエコ製品でも、「エコトクくん」( http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20090217/1023838/?ST=life&P=2 )のような1.0のヒット商品もあります。
ということですので、月並みな言い方で恐縮ですが3.0かどうかは、自社が何で勝負したいかが先に決まっていて、その上での選択ということになります。1.0や2.0でうまい案が思いつかないから3.0という選択にはならないということです。
2)恊働できる条件
仮に3.0の世界で勝負するとして、恊働を模索するとしても、相手にも都合や選ぶ権利があります。したがって、相手から見て、その企業のやることに共感できて、協同するに足る存在となっていることが、当然前提条件となります。そう考えれば、以下のような条件を満たす必要があることがすぐ分かります。
a) その企業の価値が伝わってくること
b) 自分たち(顧客、パートナー)に対する貢献姿勢が明らかであること
c) 社会に対する貢献姿勢が明らかであること
d) 信頼される企業であること(口先だけでなく、言行一致で信念を貫いていること)
e) 積極的に顧客等と対話していること
以上の2つのことを合わせると、これも当たり前でしかも実行が難しいことで恐縮ですが、自社のミッションと顧客への提供価値を明確にし、しかもそれが顧客から共感できることが最重要で、その上で初めて1.0-3.0のどこで勝負するのかということになります。価値が認識しにくい事業については、エコの世界で共感を獲得していったボディショップの例( http://jp.fujitsu.com/group/fri/downloads/events/fri/pdf_fri_f97_01.pdf)が参考になると思います。また、幸いと言うか、井上様の関わっておられる防災の世界は、社会的使命のある世界ですので、むしろミッションから入ることはやりやすいかと思います。
以上のようなことを踏まえた上で、商品企画、販売についてどうするかについては、井上様が述べられていることは、それで正しいと思います。要はそれらが自社のミッションからストーリーとしてつながっていて(言行一致)、相手(顧客、パートナー)が共感できるようになっていることが重要だと思います。
もう一つ付け加えるとすれば、規模の小さい会社が時差の価値を訴求していくためには、これからの世界ではSNSは欠かせないと思います。SNSの世界は、まだまだ皆さんて手探りの状態ですが、成功例とされるものが出て来ていますので、それらを丹念に追いかけられるのが良いと思います。例を見て頂ければ分かりますが、成功例に共通するのは自社の信念を地道にしつこく発信し続けているということです。(事例を追いかける起点としては、上に上げた斉藤徹さんのコラムあたりが良いかと思います。)
以上、一般的すぎるコメントで恐縮ですが、紙面の上で分かる範囲で気になる点を述べさせて頂きました。勘違い、至らぬ点等多々あるかと思いますが、ご容赦の程お願い申し上げます。また、もしご必要でしたら、別途お問い合わせいただければと存じます。
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防災安全㈱
井上 様
‘企業のための親切な町医者’プロ集団を目指しているNS管理技術研究会の鈴木甫(はじめ)と申します。
防災家具&用品の開発メーカーとして、世の中の役に立つ商品・サービスの提供に真摯に取組んでおられる様子、何よりです。
これまで、ランチェスターの弱者の戦略をベースに考えていたが、時代は‘コトラーのマーケティング3.0’だと気付いた、ということですが、御社の基本的展開を拝見致しますと、既に‘協働による開発、マーケティング3.0’を取り込んでおられるように見受けられます。
マーケティング3.0はコトラー博士が、それまでのマーケティングに限界を感じられていた折にインドネシアでの研究の中からヒントを得て開発されたもので、極めてアジア的なものです。中小企業に取っては、ランチェスターの弱者の戦略のマーケティングは極めて有効で(使い方が正しければ)、これにマーケティング3.0’による協働を取り込むことで一段と効果を発揮します。
ただ、‘道具は使いよう’ですので、使った結果がどうだったのか、ランチェスターの弱者の戦略で狙った成果が出ていれば、その中で協働してくれる相手(顧客)を見出して、一緒に開発に取組む。そうすれば1ランク上のマーケティング3.0が実践でき、確実に顧客を囲い込むことができます。
また、ランチェスターの弱者の戦略で思った成果が出ていないケースは、これを実践する際にツボを得ていなかった(道具の使い方が悪かった)わけで、それを分析してPDCAを廻し、いい結果が出るようにすることが肝心です。2.0がダメなら3.0ではなく、2.0をものにして、3.0でレベルアップしていく、ということです。
御社ならば、試行錯誤をしつつも御社なりのノウハウを確立していけるように思いますが、専門家の指導を得て(スポーツで言えば、いいコーチに付いて)効果的に進めるのも大事だと思います。
戦略やマーケティングは、企業秘密に属するところが多いので、詳細については個別に、然るべき専門家に相談されることをお勧めいたします。
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