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QUESTION 質問No.298

L18直交表の因子について

設計・開発品質工学(タグチメソッド) |投稿日時:
L18直交表を使用した検証を行おうとしており、
その中の2水準の因子に、材料違い(水準1:ZDC2、水準2:ADC12)を設定しようとしております。
この内容を社内で相談したところ、
"材料違いは因子に入れてはいけないと、過去に教わった"という風に指摘されました。
これは、事実でしょうか?

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

「超実践品質工学」をコアとしたデータエンジニアリングで、設計・開発をお手伝する、
株式会社ジェダイトの鶴田(つるぞう)と申します。

L18直交表をパラメータ設計で制御因子を割り付けるのに使用すると想定してお答えします。

結論から言えば、材料の違いを制御因子とすることに何の問題もありません。要因効果図よりどちらかSN比が良い水準を選択することになります。材料に限らず、名義尺度となる水準をもつ因子を割り付けることも同様に差し支えありません。

しいて留意点を言えば、
①このような因子ではチューニングができない、
②(材料等の)物理的・化学的な何が効いているのかが分からない、
といったことが留意点として挙げられます。
しかし、①については、チューニングは連続量の因子で行えばいいですし、②については、改善という立場では、まずよい水準が選べればよいので、物理的・化学的な何が効いているのかは、さしあたり実験の目的としては重要でなく、必要があれば調べればよいのです。

"材料違いは因子に入れてはいけないと、過去に教わった"との指摘をについて、なぜいけないのかを問いただし、納得のいく根拠があれば、もう一度ここで相談してみてください。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

実験計画法や多変量解析、品質工学等の活用をメインにしたコンサルをしている村島技術士事務所の村島です。鶴田先生のご説明に同感ですが、一点さらに注意した方がいいことがあります。わざわざ質問事項に具体的に水準名をお書きになっています。ZDC2というのは亜鉛合金のことですか? また、ADC12というのはアルミダイカスト合金のことでしょうか?このくらい違う材料を使う場合、それぞれに対する他の制御因子の最適条件は変わるのが普通です。それを無視してよいのは、他の制御因子の条件がいかなる場合であっても最適な材料はどちらかということを知りたいときだけにのみ情報価値があります。もし、亜鉛合金やアルミダイカストでそれぞれに最適なプロセス条件などがあった場合、L18の1列目あたりにわりつけたら、まったく変な結果になります。こういう場合、割り付けないほうが無難です。
 品質工学も実験計画法も「実学」なので実際のテーマに即して、割り付けてもよいという人、割り付けてはいけないという人、それぞれの根拠・理由をきちんと理解されてから、割り付け可否を考えられた方がいいと思います。
 ちなみに、この手のコンサル内容は大変多いです。他の制御因子との関わり合いでもって判断することになるので、事前に他因子を含めて専門家によく相談された方がいいと思います。
 なお、材料水準それぞれに他の制御因子水準の最適条件が変わるのであれば、変身法を使うか(L18ではできません)、1水準ずつ実施した方が初心者的です。