とするとありましたが、データが例えばすべて1だった場合はどう処理すれば良いのでしょうか。
また、別の質問になりますが、誤圧法として色々提案されているようですが、現状でも
誤圧法として認められているのは、タグチの標準化誤圧法のみだという認識で良いでしょうか。
補足1 投稿日時:2017/05/11 15:47
申し訳ありませんが、もう少し教えてください。
データが0と1のデータではなく、例えばmaxで10程度取るようなデータであった場合に、すべて3の時はどのような処理をすればよいでしょうか。
同じように最小計測単位が1であれば、田口の方法では、m=3-(1/4n)、σ=√(1/4n)とすれば良いですか。よろしくお願いします。
「超実践品質工学」をコアとしたデータエンジニアリングで、設計・開発をお手伝する、
株式会社ジェダイトの鶴田(つるぞう)と申します。
>データがすべてゼロの場合、m=1/4n、σ=√(1/4n)
これは文献[1]によれば、田口氏による定義にすぎませんの1つの便法です。
ほかにも以下にような補正方法があります。
ホールデンの方法 m=1/(2n+1)、σ=√(m(1-m))
データの1つを最小計測単位の1/2に置き換える方法。
0と1のデータでしたら、最小計測単位は1ですので、
100個のデータがすべて0の場合、そのうちの1つの
値を0.5に置き換えたときのmとσを用いるものです。
さて、すべてのデータが1の場合、
田口の方法では、m=1-(1/4n)、σ=√(1/4n) とすると元の定義と整合がとれます。
ホールデンの方法[2]では、m=1-[1/(2n+1)]、σ=√(m(1-m))
3つ目の方法では、データの1つを0.5に置き換えればよいです。
いずれの方法が良いかは事例やデータの性質によると考えますので、3通りで計算してみて、結果(判別制度)を比較されてはいかがでしょうか。
>誤圧法として認められているのは、タグチの標準化誤圧法のみだという認識で良いでしょうか。
よいかどうかは別として、いろんな方から別の誤圧も提案されています。
いずれも、田口氏の誤圧の判別能力をより改善しようという試みとみることができます。
文献[3]では数種類の誤圧の式が提言されています。
文献[4]では項目間の相関を考慮する方法等が提言されています。
誤圧に限らずMTシステムでは現在もいろんな方法が提案されていますので、事例によって適切な手法を使い分けたり、入力する情報を適切なものとする処理が必要となります。ご必要であれば専門家の指導を受けられるのがよいでしょう。
参考文献
[1]田口玄一:標準化誤圧によるパターン認識, 標準化と品質管理, 53, 3, pp.86-92.
[2]田口玄一:品質工学の数理, 日本規格協会, p.89, (1999).
[3]矢野耕也他:印鑑照合システムへの誤圧の適用, 品質工学, 19, 4, pp.22-29, (2011).
[4]細井光夫他:相関情報を考慮した誤圧の計算方法の提案と適用事例紹介, 第24回品質工学研究発表大会論文集(QES2016), 品質工学会, pp.34-37, (2016).
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補足1についてご回答します。以下は私の考えとして述べますので、参考までとしてください。
田口の方法は、あくまでデータが0~1の間になるケースを論じています。0のときも1のときも分散が0で、分散はp(1-p)という性質のデータです。
ご質問のケースでは、mは0~10までで、平均は中間の値をとっているので、mはそのままm=3でよいのではないでしょうか(3より小さくなる理由がない)。
σは特性値の性質によるでしょう。σがmの大きさによらず一定のような特性では√(1/4n)でもよさそうですが、特性が望目的(mが大きいほどσも大きい)であれば、√(m/4n)となりそうです。
第3の方法で示したやり方で、全データのうち2つを、3.25と、2.75にして(3±最小計測単位/4)、σを求めてはいかがでしょうか。
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