最近、どの会社もIOTに向かうという方針を出しており、当社でもその方向に向かいますが、如何せん、ITに精通したシステムエンジニアが少ないのです。また、そういうシステムエンジニアは、ソフト経験はあるのですが、ハードの知識や見識がないため、IOTとしてのシステム製品を開発すねるのは難しいのではないかと思います。「I」のほうが、システムとしての機能で、そこにぶら下がるのがハードとしてのいくつかの「THINGS」なのですが、ハード間の技術でさえ、お互いの理解が十分でない所に、そこにソフト出身のSierがきて、統括的なSE機能を求められても、充分なシステム設計ができるとは思えません。よく我々が口にするのは、ハードからソフトを理解することはできるが、ハードからソフトを理解するのは難しいのではないかと思います。
また、世の中はソリューションブームなのですが、ソリューションというのは、顧客の課題を把握して解決するというビジネスです。ここでも大手のSIerがプライムとなり、弊社はその下に隠れます。ソリューションをやるといっても、この大手の下にいる限り、顧客課題よりも、大手SIerから振ってくるSPEC、これがまたいい加減な内容なのですが、そこに振り回されるのが精いっぱいで、ソリューションなんかできるとは思いません。
だいたい、SIerがビジネスの「良いとこ取り」をするのは明らかであり、その「一次下請け」のようなハード単品の電機メーカーには利幅はないと思います。絶えずコストダウンを求められ、おそらく赤字体質が常態化し、それに対する脱却としてリストラというながれになるのではないかと思います。
最後に、マネジメントについてお話ししたいと思います。SIerはPMBOKでプロジェクトマネジメントを考えますが、あれはどうみても、ハード系に馴染めません。だいたいハード系の会社は社内のものつくりの規定があり、そことバッティング、もしくは多少ダブル、或は全く合一など、ひとつひとつを確認なければなりません。まだ、P2Mのほうが、考え方を示しているに留まっているので、個々のプロジェクトマネジメントは、社内規則を尊重しつつ、社内規則で手におえないところはP2Mの視点から考えるというやり方が必要なのではないかと思いますが、社内にはまだその知識を活かそうという土壌はありません。
「IOTをやる」「ソリューションをやる」という掛け声は、
単品では儲からないのが背景としてあるので分からなくないのですが、どうみても課題・問題が山積です。
今、少し調査しているのですが、成功しているIOTは、多様な技術を取れ入れて不複雑な関係をもったものにはしていないように思いました。「I」と「T」を極力シンブルにする開発ではないかと考えています。だから、ベンチャーでもできるのではないかと考えております。
弊社のように、ハード系、もう少し付け加えますと、多品種非量産の部門縦割りで、重要顧客からspecを頂くBtoB型ビジネスを、何十年とやってきた会社にとっては、「IOT」「ソリューション」は、あまりにも高飛びしすぎではないかと思うのですが、如何でしょうか。(むろん、ハードでソリューションを考えろと言えばできなくはないと思いますが。)
社内で、IOTという言葉が飛びかうたびに、「当社ができるIOTとは何か」「当社にふさわしいIOTとは何か」の議論が先だと思うのですが、新しいビジネスが必要だと言うことで、そういう議論の余地なしのような空気です。闇夜に剣を振るう、暗中模索の挑戦のような気がしてなりません。
こういう会社さんが当社だけでなく、あちらこちらとあるような気がして、おそらく読まれていて、うちの事を言われているのではと思う会社さんがあるのではないかと思います。長々となり、まとまりがつかなくなりました。すみません。
如何でしょうか。
貴社の立場が今一つよくわからないのですが、機械を通信ネットワークで結んで稼働状況を監視したり、遠隔制御するという話はIoT以前に20年位前から電機業界、機械業界で当たり前のように行われていた取り組みではないでしょうか。たとえば、FMSがブームになった時代もありました。
IoTブームの中でインターネット接続がもてはやされていますが、それはインターネット網によって外部との通信コストが下がったからであって機械メーカが大騒ぎするというほどの話ではありません。機械接続の場合重要なのはICT技術よりもセンサーやアクチュエータの技術であってこれはSIerには手も足も出せません。この分野でのSIerには付加価値的な技術優位性が少ないので、IoTやソリューションによる利益的な恩恵はあまりありません。ブームに踊らされて宣伝用語(バズワード)として騒いでいるだけです。数年前に大騒ぎしたNGN同様いずれ騒がれなくなると思います・
SIerのIoT狂騒は気にせずに、貴社が販売している機械にとってのネットワーク化(IoT化ではない)のメリットを議論されるのが先ではないかと思います。
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モノづくりメーカーで実務作業に携わった経験から、モノづくり工場の改善活動の支援をするようになり、25年足らずです。多くの業界、業種、事業での経験・体験・見識から、見解を述べたいと思います。
「IOT」「ソリューション」は、あまりにも高飛びしすぎではないかと思うのですが、如何でしょうか。(むろん、ハードでソリューションを考えろと言えばできなくはないと思いますが。)
⇒ トレンドの一つでしょうし、あるいは、時機なのかもしれません。
乗るのが必然か、乗らなければ生き残れないのか?
時機(チャンス)だ、必然だと捉え、前向きに取り組みたいですね。
”動けば、風が吹く”。
社内で、IOTという言葉が飛びかうたびに、「当社ができるIOTとは何か」「当社にふさわしいIOTとは何か」の議論が先だと思うのですが、新しいビジネスが必要だと言うことで、そういう議論の余地なしのような空気です。闇夜に剣を振るう、暗中模索の挑戦のような気がしてなりません。
⇒ ”新しいビジネスが必要だと言うことで・・”と同じ背景で、私のお客様はIoTビジネスの構想(議論)に入ります。
この議論に、外部(当方)を活用する「オープンイノベーション」です。問題意識を持たれている”あいおう亭”様が、空気作りのための音頭を取られると良いように思います。
こういう会社さんが当社だけでなく、あちらこちらとあるような気がして、おそらく読まれていて、うちの事を言われているのではと思う会社さんがあるのではないかと思います。長々となり、まとまりがつかなくなりました。すみません。如何でしょうか。
⇒ ご推察の通りです。私のお客様に限らず、色々な企業でIoTが唱えられていますし、組織化も進んでいます。
流行モノに終わらせないようにしなければなりません。
小さなウネリを、自ら率先して起こしてみましょう。
大きなウネリにならなければ、単なる、流行りに踊らされただけと気づけます。また、違う道(事業やシナリオ)を探すだけです。
必然であれば、大きなウネリになる筈!と、思います。
モノづくり工場経営研究所 西水
(ACE西水経営士事務所)
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石橋と言います。製品開発や製品開発の仕組み作りをやってきた経験をもとに、開発マネジメントのコンサルティングをやっています。
BtoB のビジネスをベースにハードウェア開発を中心としていたメーカーが IoT に対応できるのかという大きなスコープのご質問ですが、カギとなるのはデータ指向とシステム設計だと考えています。
IoT ビジネスに必要となるのは、センサーや機器からどのようなデータを受け取り、他のデータと組み合わせて分析することにより従来とは違う新しい価値を顧客に提供するということであり、製品やサービス(ソリューション)の企画や開発をデータの活用を中心にしたスタイルに変えることが必要となります。
一方、ハードウェア技術が中心となっている製品開発の場合、精度やコストの目標を達成するための試行錯誤や擦り合わせが中心となっていることが多く、決められた目標達成スタイルになっています。
自らの製品開発スタイルをデータの活用や管理を重視した開発スタイルのシフトしないと、システムエンジニアを育成したり SIer との協業を行うことも難しいが現実です。データ指向の開発スタイルに変えることは、今からすぐにでも取り組むことができます。次の記事を参考にしていただければと思います。
データ指向ものづくり、生産性を高める設計を可能にするものづくり
<https://www.monodukuri.com/gihou/article/775>
加えて取り組むべきことはシステム設計の見直しです。ハードウェア技術が中心となっている製品開発の場合、ハードを中心に必要な機能や要素の見通しが立てやすいためシステム設計がほとんど行われていません。これが IoT ビジネスにシフトする際の大きな障害となります。ご指摘の通り、IoT ビジネスにおける製品開発とは装置やデバイスなどのハードウェアを含むソリューションやサービスを開発するということであり、ハード、ソフト、データが一体化したシステムとしての設計が重要になるからです。
たとえハード技術中心の製品であっても、ハード、ソフト、データに分かれていない状態でシステム設計を行うように開発のやり方(開発プロセス)を導入することができます。従来はハード技術者を中心に頭の中で暗黙的、属人的にやっていたシステム設計を可視化するということが目的で、方法が明確になればハード技術者であっても可能です。以下の記事が参考になると思います。
図研 Club-Z グローバル化は設計・製造の仕組みを見直すチャンス
システム設計とは
<http://www.zuken.co.jp/club_Z/z/column/t01/24/col_090827_1.html>
品質特性はシステム要件のカギ
<http://www.zuken.co.jp/club_Z/z/column/t01/25/col_090930_1.html>
システム設計は仮説と検証の繰り返し
<http://www.zuken.co.jp/club_Z/z/column/t01/26/col_091029_1.html>
実際に、従来の製品開発のやり方を上記の方法で変えることにより、単独で稼働する民生品や生産設備を作っていたメーカーが、他製品とネットワークでつなげることができる製品を開発できるようになった実績もあります。いきなり直接的な IoT 製品やソリューションの開発を行うのではなく、まずは、データ指向とシステム設計に取り組みこと、IoT ビジネスはこの延長上にあると考えます。
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貴社とSIerの関係がよくわからないのですが、貴社がそんなに卑屈になる必要はあるのでしょうか?SIerに機械のネットワーク化のノウハウがあるとは思えないので、最終的には貴社に頼らざる負えないのではないかと思います。SIerが勝手に値引きするのはいいとして、貴社までそれに巻き込まれる必要はないと思います。
このあたり具体的な価格交渉のアドバイスが必要であればクローズドQ&Aで対応しましょうか?また、もし貴社が中小企業の場合は小生も専門家登録している中小企業庁の下請かけこみ寺事業(価格交渉サポート業務)による支援も可能です。
それよりも心配なのは、SIerのプロジェクトマネジメント体制です。そもそもシステムソリューションがしっかりとできるSIerがいるのかという疑問があります。ユーザとSIerのトラブルに巻き込まれないように注意してください。
SIというビジネスは日本独特のビジネスです。欧米にはSO(システムアウトソーシング)はありますが、責任分担が不明確なSIはありません。本来のシステム開発受託契約形態はSIでなく一括請負開発が基本です。しかし、一括請負はベンダリスクが大きいのでリスク軽減のために準委任と請負を組み合わせたSIという契約がはびこるようになりました。これがベンダの無責任体制を助長させてトラブルになるケースが増えています。
SIビジネスの責任問題は今般の民法改正(準委任契約での完成責任の明確化など)で大きく変化していくと思われます。
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技術士(情報工学部門)の坂東と申します。
現在、坂東技術士事務所の代表(個人事業主)ですが、メインの収益源はIoT(組込)システム開発です。
さて、IoTについては色々な議論があると思います。
私個人としては、技術論というよりビジネス論の側面が強いように感じています。
(つまり、IoTの手段よりも目的が大事と言うことです)
コメントを拝見する限りだと、御社には技術力(特にハードウェア)は十分にあるように感じられますが、肝心のビジネスについては「暗中模索」とのことです。
よって、まずは「IoTで何をしたいのか?」を決めるべきでしょう。
実際のところ、目的さえ明確に決まってしまえば、後は、その目的を達成するための技術を検討するだけです。
(日本企業の特性として、トップダウン(鶴の一声)の方が現場が動く傾向にあります。)
> 最近、どの会社もIOTに向かうという方針を出しており、当社でもその方向に向かいますが、
> 如何せん、ITに精通したシステムエンジニアが少ないのです。
> また、そういうシステムエンジニアは、ソフト経験はあるのですが、ハードの知識や見識がないため、
> IOTとしてのシステム製品を開発すねるのは難しいのではないかと思います。
IoTの技術面においては、「ハードウェアに精通しているソフトウェア技術者」(いわゆる「組込系エンジニア」)が少ないのが大きな課題であるというのは私も同意です。
私はソフトウェア寄りの人間ですので、現在、ハードウェア寄り(機械、電子工学など)の知識を勉強中です。
IoTにおいては、「ハードウェア向けにソフトウェアを最適化する」(「擦り合わせ」)という発想が必須だと思います。
そういった「擦り合わせ」の思想は、元々、ハードウェア製造業(ものづくり企業)が発祥です。
特に、伝統工芸のような職人芸の世界では、個々の部品同士を「擦り合わせ」することで、品質を高めてきました。
「擦り合わせ」こそが日本企業の強みでもありました。
IoTの「擦り合わせ」に関しては、御社のようなハードウェア製造業が有利だと考えます。
> 社内で、IOTという言葉が飛びかうたびに、「当社ができるIOTとは何か」「当社にふさわしいIOTとは何か」の議論が先だと思うのですが、
> 新しいビジネスが必要だと言うことで、そういう議論の余地なしのような空気です。闇夜に剣を振るう、暗中模索の挑戦のような気がしてなりません。
自社内のみではリソースや知恵が限られていて苦しいという場合は、「オープン・イノベーション」という発想も一案です。
経済産業省「オープンイノベーション白書」
http://www.meti.go.jp/press/2016/07/20160708001/20160708001.html
P&Gの成功事例が有名ですが、他の法人や個人から幅広くアイデアを有償で募集し、場合によっては、ビジネスでコラボします。
知的財産権の扱いや成果の配分などクリアすべき課題もありますが、ノウハウを得るための一つの方法論です。
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