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QUESTION 質問No.306

画像処理用LSIの市場について

企画戦略/マーケティング |投稿日時:
弊社では、FPGA搭載可能なIPとして、4K映像の動画圧縮伸長に使われるH.265 CODECを開発中です。売りとしては高ビットレートでの画質の良さと、4K映像を数Mbpsの低ビットレートにしてもある程度見える映像にできる点です。
IPは回路規模が大きく、また処理データ量が多いため、高価なFPGAと、多くのDRAMが必要で、コスト的にはかなり高いものとなっています。
当初、放送業界やCATVで使用される映像機器への売り込みを検討しましたが、お客様への販路には高い障壁があり、参入が厳しいと考えています。
そこで専門家の方々から、弊社IPの売り込み可能な市場についてご意見頂きたく、お願い致します。

以上、宜しくお願い致します。



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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

脇本と申します。最近、専門家Bに登録させていただきました。
よろしくお願いいたします。

ご質問からかなり時間が経っていますが、専門分野ですので回答させていただきたいと思います。
時代の変化で貴社もビジネス環境も変化していると思いますが、ご参考になれば幸いです。

H.265/HEVCは高度BSの4K/8K放送に採用され、ご指摘のとおりCATVでも4Kコンテンツの帯域圧縮で活用されています。しかしながら、MPEG-LA以外にHEVC Advanceなど複数のライセンス団体が統一できなかったこともあり高解像度を除いてMPEG-4/AVCを置き換えるまで普及していないのが実情と理解しています。さらに、ネットワーク配信系でVP9後継となるAV1が既に一部で用いられており、さきごろ7/20に次世代CODEC規格であるH.266/VVCもITU承認に向けた最終コールとなっていると発表がありました。2K以下の解像度では、高度にチューニングされたソフトウェアCODECによるMPEG-4/AVCが依然として全盛です。

かかる状況で放送系以外へのH.265/HEVC ハードウェアCODECの売り込み可能な市場としては、やはり実用化され稼働している規格でありH.264/AVCの1.5~2倍の圧縮度を持つことを活かした既存コンテンツや監視データなどMPEG-2/MPEG-4資産のアーカイブ圧縮(トランスコード)は考えられると思います。ハードウェアによって、同じ画質を維持しながら実時間の数倍以上の変換速度が実現できるのが望ましいです。コロナ禍で注目されているテレビ会議系については、一般的にソフトウェアCODECが用いられているためハードウェアの追加は難しいでしょう。リモート監視用途等で極めて小さい遅延時間が達成できれば、特定用途に用いられる可能性はあると思われます。