ものづくりドットコム 専門家の熊坂です。
質問内容が専門的で回答が届きませんでしたので、K技術士に尋ねたところ下記の回答がありました。
「ASICをやってる企業は、それぞれに得意分野やロットサイズがあって、その分野ならプロセス、生産設備、顧客へのルートは確立してると思います。
ご質問の方の特許がASICという形態に関係なく新機軸として価値あるものなら、それに近い半導体を扱う企業に持ち込めばご質問のような苦労は無いかと思います。
しかし、質問からはASICの形にすることで初めて価値が発生するような感じも受けます。持ち込まれた企業が最終販路まで見えないとしても、考案は最終用途で効果を発生するとしたら、初めから素子のユーザに話を持ち込んでそこから半導体メーカに注文することを提案します。
素子のユーザが大口でなく、不特定多数の個人であればこの案は成立しませんが。ご参考になれば幸いです。」
K技術士にもっと相談したい場合は、info@monodukuri.comまで別途ご連絡ください。
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脇本と申します。最近、専門家Bに登録させていただきました。
よろしくお願いいたします。
ご質問からかなり時間が経っていますが、半導体製品の観点で回答させていただきたいと思います。
時間の経過で環境も変化していると思いますが、ご参考になれば幸いです。
半導体は一般にカスタム品と汎用品に分類されます。特にロジック回路主体のカスタム品はご質問にあるASICと通称されることが多く、汎用品は対してASSPと言われることもあります。用いる半導体テクノロジーや回路規模、開発や量産の難易度、量産時の特殊な対応有無などにもよりますが、開発費用は億円単位の規模となることも少なくありません。この開発費はカスタム品(ASIC)の場合は半導体のユーザが負担し、汎用品(ASSP)は半導体メーカが負担するのが原則です。カスタム品(ASIC)をユーザの費用負担で開発した場合、半導体メーカが断りなく自社ブランドで販売することはできず当該ユーザ専用の製品となります。汎用品(ASSP)の場合は、半導体メーカが特定ユーザ以外にも広く拡販することが大前提になります。
ご質問の文面からすると、半導体メーカは商社を通じて自社ブランドで拡販し独占販売権を持つとのことですので、質問者の方は開発費を全部または一部負担しない前提と思われます。この場合、半導体メーカが自力で開発費を回収しなければなりませんので、当該分野のビジネスに知見のある商社を活用したいと言われたのだと思われます。逆に言えば、開発費を半導体メーカが負担しないのであればカスタム品(ASIC)としての扱いとなり、このような要求にはならないと思われます。
回答No.1で言及されているスキームでは、この開発費をカスタム品(ASIC)のエンドユーザに負担いただき、専用製品とすることを示唆されております。この手法が最もシンプルで確実と考えますが、もしこのスキームが不可能であれば何らかのかたちで費用負担を複数のユーザまたは投資家に分散させ、半導体メーカに開発費を負担させないことが次善策と考えます。実際に多くのファブレス半導体メーカでは、この手法が活用されております。
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