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QUESTION 質問No.388

プル生産へのロボット化は現実的でしょうか?

設計・開発生産マネジメント |投稿日時:
中小企業の製造メーカーで機械の開発をしています。多品種少量生産なのでプル生産を採用していますが、人不足ということもあり、なかなか生産性が上がらず、自分で組立をする日もあります。もう40代で管理職なのに組立で1日の半分は時間を取られてしまいます。
このような状況を打開すべく検討をしています。
人材採用が出来れば良いのですがなかなか見つかりません。
そこで、小ロットでもロボット化するメリットがあるのではないかと考え始めました。
小ロットのプル生産でもロボット化はメリットありますでしょうか?
費用対効果になりますが、同じような作業を一日中行なっています。ネジの種類や停める場所が変わる程度です。よろしくお願い致します。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

大変興味ある質問です。すなわち、回答が難しい問題です。
1. まず、プル生産について
 プル生産(引っ張り型生産指示方式)はプッシュ生産(押し出し型生産指示方式)の対照です。前者の典型がかんばん方式で、後者のそれはMRPです。前者は分散制御方式で、後者は中央制御型方式とも言われます。前者は消費された分を補充する生産方式で、各工程間の情報は利用せず、隣り合う工程間でのみ生産情報を共有するため分散型と言われます。一方、後者は全工程の情報を1カ所で共有し、各工程のリードタイムを考慮して、前工程か押し出すように生産するため、中央制御型と呼ばれます。引っ張り型のメリットは後工程(製品側)の発注量変動および在庫量変動が前工程(原材料側)に遡っての増幅しないので、在庫量の削減と工程稼働率の向上に効果的です。しかし、モデルチェンジなど需要の質的変化に対しては対応性が劣るります。
2. ロボット化の有効性について
 ロボット技術の進歩は単なる機械化を超えて多様な変化に追随できる可能性を高めています。この多様化の程度が問題です。今日の市場要求は品種の多様化が前提です。品種多様化に対する工程の対応性がロボットと人間の対応性でどの程度差異があるかが判断上のポイントになると思います。人手不足は深刻です。これをロボットで対応できれば設備投資という金銭的問題に置き換えできます。バブル直後、トヨタは生産の機械化投資を行いましたが、需要量の激減により大きな打撃を受け、機械化から人間化に方針を変化し、働き安い環境投資に方針変更したと言う話を聞いたことがあります。
3. まとめ
 生産技術の発展と需要動向の変化は設備投資上の大きな課題です。この2つの将来変化の見極めが難しい現在、その判断はトップの見識による所に依存すると思います。
以上