材料開発分野において、近年、「マテリアルズ・インフォマティックス」という新たな研究開発手法が模索されいろいろ取り上げられています。
一方、「品質工学」も非常に重要な開発手法でありますが、
現在、それらの関係が築かれようとしているのか、
将来、これらの関係性がどのようになるのかについて、
どなたか論じてくださる方はいないでしょうか?
今後の研究開発の方向性を考える参考にさせていただきたいです。
村島と申します。品質工学や統計的手法のコンサルタントをメインにした技術士事務所を主宰しています。今現在も、品質工学やデータ解析のコンサルに関わっていますが、AIや機械学習、品質工学などの違い、長短、などについて、たまに聞かれます。品質工学からすると、(たとえば、パラメータ設計でいえば、)効果的な制御因子や、誤差因子、あるいは信号因子の考察・抽出は固有技術の問題ですが、そうはいっても過去のデータや物性、物質の組み合わせによる物性や化学変化がわかれば、実験前に非常に有効な因子抽出ができます。実際、管理図をレビューしたり、重回帰分析を行って、過去のデータ解析を行ったりします。あてずっぽうに、実験するわけではないのです。
マテリアルズ・インフォマティックスからのアウトプットは品質工学(パラメータ設計)でのこういった因子抽出に非常に役立つと思われます。又、とくにシミュレーションがなされたり、材料の組み合わせによる物性変化などがわかれば、実験を組むときにも有効です。それらをもとに、頑健性や先行性を考えた実験を組むのが品質工学の役割になっていくと考えます。大きな相互補完的立場をとれる手法だと考えています。
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