1・直交表を作るときにたいていはその右隣に誤差因子の欄もつけますが、ここでいう誤差因子は目的の変数としてとらえて構いませんか?望小特性を意識したいのであればここを目的にすればいいのでしょうか?(ちょっと混乱しています、最適パラメータを決定した後に実験で実証すればいいということなのか?それとも事前にここを目的水準で割り振ったらいいのか?ネット上の文章ごとに”目的”が違う気がいたします。すみません...)
2・それ以前に直交表を作るときに例えば要素がA~Eまであったら5つそれぞれの水準を指定することになるとは思うのですが、その右隣におそらくはeだとかそういう誤差(?)の指定があることがほとんどだと思います。当然上述の誤差因子(目的)とは違う誤差だとは思いますが、参考書を読んでも、まったくその水準のランダムな羅列に意味が見いだせていません。どうやってこの誤差eの部分の水準を決定しているのでしょうか?
3・もし直交表の要素が水準で求まらない値であれば...例えば材質AとかBとかA+Bの複合材質とかCとかであったとき、水準では求まらない値をとるとは思うのですが、品質工学的に言ってここはどう扱えばいいでしょう?一回ぽっきりの検証で済まないことはなんとなくわかります。
考えれば考えるほど、混乱してしまっており、申し訳ありません。ここが違うんだ、ここが誤解です等ありましたら、どうぞご指摘をお願いいたします。
補足1 投稿日時:2018/07/30 16:53
ご返信いただきありがとうございます。もうちょっとお付き合いいただければと思います。
私のケースですと静特性(中でも目指すべきなのは望小特性)だということはわかりました(対象の「摩耗」を最小にさせたいため)。
1・このときに目的特性=望小特性でいいんですしょうか?私のケースですと、誤差因子をそのまま外側に張付けてもいいのだと考えます。
2・その場合、誤差因子の中でもマイナス条件/標準条件/プラス条件を加味しながら外乱=誤差因子をつけていくのだと思います。このケースであると、誤差因子のマイナス条件/標準条件/プラス条件との分岐がまったく理解できません。実験して誤差因子を確かめるのか?というレベルから頭がこんがらがってしまいます。
3・おそらくは目的特性と誤差因子という言葉が混同しているのでは?と自分でも推測いたしますが、今一度ご教授お願いできませんでしょうか。
総括すると最終的に目的特性=摩耗量を減らすプロセスがよくいまだに理解できません。先生によれば、N1/N2/N3の部分で温度を変え、各パラメータ条件で実験値を取り、これを誤差因子(摩耗量?)として表入力して良いのでしょうか?
先の捕捉に編集ミスがありましたこと、お詫びします。
さらに、捕捉させていただくと、誤差因子の部分で温度などを取ったとします、すると...
N1 N2 N3 ⇐誤差因子:温度などの条件(左から順にN1=低温 N2=常温 N3=高温)
10 20 30 ⇐ここが直交表にある制御因子に基づいた、かつ、誤差因子の動向に基づいた摩耗量の具体的な値
ということが下に続くと理解していいのでしょうか?
先の最後の質問に加えて5つめのご質問ですが、ここで誤差因子は温度だけでなくてはいけませんか?
村島技術士事務所の村島です。品質工学や実験計画法、信頼性技法を主にコンサルタントをやっています。品質工学は1000例以上の実践指導歴があります。ただ、ご質問の回答になっているかどうか、よくわかりませんが、とりあえず、回答させていただきますから、わかりにくければ、再度質問願います。
1.誤差因子(直交表外側として理解しました)に各水準がある場合、この水準に対して、データを取るという意味では、ここに目的変数がきます。
2.直交表(内側)の列に割り付ける誤差列eは誤差因子(外側)と違い、実験間誤差を計算するためのものです。何も割り付けないのだから、本来直交表に割り付けた因子以外の影響がなければ、その変動や誤差分散は小さくなるはずです。これが大きい時には、割り付けた制御因子以外の外乱(測定ミスや実験間違い等も含む)が存在するということです。この誤差列の水準はランダムになっているわけではなく、他列に直交するように作られています。その意味では、制御因子を割り付けた列についても全く同じことが言えます。
3.ご質問の制御因子は定性因子(整数因子)のことでしょうか。定量的な水準でなくても、普通に、割り付けることが可能ですから、材質Aを第一水準、材質Bを第二水準とかにとればよいです。ただし、材質ごとに他の制御因子最適条件が異なるのであれば、材質は標示因子として、外側割り付けした方が解析が簡単です。
以上です。
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パラメータ設計でも、特に制御因子間の交互作用が複雑に絡み合うことの多い化学系を得意としている対馬と申します。
1.質問1について
まず、言葉の定義からお話しします。
① 制御因子
安定性の改善のために、設計者が自由にその値を決めることができる因子を制御因子といいます。
接着強度を改善する目的なら、接着剤は何がよいか、塗布回数は何回がよいかなど、接着方法を決めるすべての因子が制御因子になります。
② 誤差因子
安定性の改善をする際に、設計者がその値を決めることができない因子を誤差因子といいます。
接着強度は大きいほどよい望大特性の場合、使用環境で温度が高くなると強度が弱くなるというときには、温度は誤差因子となります。 この場合、低い温度と高い温度でそれぞれデータをとりますので、直交表L18では18×2(低温と高温)=36通りの実験を行なって、SN比を大きくする条件を見出すことになります。
2.質問2について
直交表L18は、2水準が1列、3水準が7列から構成されていますので、制御因子が5個で、それぞれA~Eにわりつけた場合には、残りのF~Hの3列が余ることになりますが、それを誤差列(e)といいます。
この誤差列も、水準1、水準2および水準3のSN比が計算されます。 当然、そこには制御因子の水準はありませんから、水準1~水準3間のSN比の差は、実験誤差等の誤差ということになります。 なお、誤差列はどの列を指定してもかまいません。
3.質問3について
制御因子が材質の場合、材質A、B、A+Bの複合材質およびCが水準になります。 この場合は4水準ですので、6水準まで可能な直交表L18の変則形を用いれば実験が可能です。
以 上
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村島です。補足質問への回答です。
1.目的特性は望小特性でもかまいません。誤差因子は通常、外側配置ですので、これもOKです。
2.誤差因子が外側に配置されるので、内側直交表(たとえばL18)の実験Noごとに指定された制御因子の水準条件のもとでのデータ(摩耗量)をとることになります。
3.目的特性という言葉自体、品質工学ではあまり使いません。目的機能という言葉はよく使います。いずれにせよ、誤差因子の各水準(N1,N2,N3)ごとにデータをとります。
4.補足の2については、「下に続く」でOKです。
5.誤差因子は温度だけでいいかといえば、原則からすれば不足です。しかし、これを増やすと、実験工数が大きく増えます。実験コストを考えれば、調合や、外側直交表を利用するとかのテクニックが必要となります。
以上です。
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対馬です。 補足質問について回答いたします。
1.目的特性について
実験の目的が摩耗量を少なくすることであれば、目的特性は摩耗量になります。 また、摩耗量を少なくしたいわけですから、望小特性のSN比の計算式を用います(SN比は望小特性でも、望大特性でも、値が大きいほうが目的にかなうことを意味します)。
2.誤差因子について
摩耗の例で言いますと、誤差因子とは、摩耗に悪さをする(摩耗量を多くする)けれども、その値を管理できない因子となります。 したがって、温度の高低によって摩耗量の多少があるなら温度が誤差因子になりますし、製品の場所によって摩耗量の多少があるなら、製品の場所が誤差因子になります。 あくまでも、摩耗に悪さをし、しかも管理できない因子が誤差因子になりますので、このことを考慮して誤差因子を決めてください。
また、誤差因子におけるマイナス条件とは摩耗量を多くする条件のことであり、プラス条件とは摩耗量を少なくする条件になりますが、摩耗量は少ないほうがいいわけですから、誤差因子としてはマイナス条件(N1)と標準条件(N2)の2つでよいことになります。
3.直交表L18のわりつけ
直交表L18のわりつけとデータの取り方の例を以下に示します。
制御因子 A B … G H 摩耗量(N1) 摩耗量(N2) SN比
実験No.1 1 1 … 1 1
最後に、静特性に関する書籍を紹介いたします。 その中に、摩耗に関する事例もありますで、読んでいただければ理解が早いかと思います。
品質工学講座4(品質設計のための実験計画法) 日本規格協会
「第5章 混合型直交表と望小・望大特性の実験計画」
以 上
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