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QUESTION 質問No.417

直交配列表の実験数について

設計・開発品質工学(タグチメソッド) |投稿日時:
2因子3水準の直交配列表実験をしたくて、L9(3^4)の直交配列表を用意しました。
2因子での実験になるので、4列のうち2列を消します。
残った2列で、実験する水準の組合せを決めたいのですが、このままだと9通りすべての水準の組合せを実験することになります。
ここでお聞きしたいのですが、2因子3水準の場合これ以上実験回数を減らすことはできないのでしょうか?
宜しくお願い致します。

補足1 投稿日時:2018/09/29 13:00

失礼しました、交互作用を考慮しない場合で検討しています。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

2因子3水準の実験計画で一番小さい実験は3×3=9回です。
直交表のメリットは,実験回数を増やさずに,主効果を追加して割り付けられることにあります。
今回計画している実験の規模なら,直交表L9を使うこともできるし,要因配置実験(2元配置)で行うこともできます。
その場合,因子間の交互作用をどう考えるか?という観点で,実験を計画することになります。
交互作用とは,因子Aと因子Bのそれぞれで推定した最適条件とは異なる水準に最適条件が存在する(可能性がある)場合に求めるものです。
要因配置実験の場合には,実験を繰り返し行うことで,AとBの交互作用を別途求めることができます。→その際は実験の規模は2倍とか3倍になります。
L9直交表の場合には1列にAを割り付け,2列にBを割り付けると,3列と4列に交互作用が現れるという特性があります。
しかし,分散分析を行って,有意差検定を行うことは自由度が小さいため,できません。変動の大きさを比較する程度になります。
実験回数を少なくするメリットとの制約ですね。
どうしても,少ない実験回数で行いたいなら,交互作用は考えないことになります。まずは9回実験して,要因効果図を描きましょう。交互作用がありそうなら,もう一度同じ実験をやりましょう。→乱塊法の考え方で解析することで,A×Bの交互作用が計算できます。
頑張ってください。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

 品質工学や実験計画法、多変量解析と幅広く、コンサルさせていただいている村島です。補足質問で、交互作用を考慮していないとのことですが、本当に交互作用を考慮しないのであれば、L9を使う必要もなく、実験回数は5回で可能です。たとえば、因子A(A1,A2,A3)、因子B(B1,B2,B3)があるとします。まず、Aの3水準で、実験します。このとき、因子Bは何でもよいが、一水準(たとえばB2)に固定します。この実験で、因子Aの3水準のうち、もっともよかった水準(たとえば、A2とします)を決定します。つぎは、A2固定のままで、Bを振ります。しかし、B2はすでに結果が出ているので、実験不要です。最初から、この実験をふりかえると、
 ①A1B2,A2B2,A3B2⇒A2と決定
 ②A2B1、A2B3⇒①のA2B2,と合わせて、A一定(A2)の場合のBの最適条件が出ることになります。
こういった実験を行えば、実験回数からは、直交表に勝るわけです。換言すれば、実験計画法や品質工学において、直交表を使うのは実験回数の低減とは本当は関係ないともいえます。関係あるのは、全ての実験組み合わせを考えた場合よりは回数的に圧倒的に有利だということです。しかし、これはいずれも交互作用があるからこその話です。
①、②の実験の進め方では、交互作用(組み合わせ効果)がまったく考慮されていることはなく、従来実験計画法での交互作用を求めるという立場からも、交互作用があっても、それに影響をうけない頑健性の高い主効果をもつ因子条件を最適とする品質工学の立場からも推奨されるものとはなりません。
 2因子3水準実験での交互作用を考慮し、その効果を求めるのであれば、L27(もしくは9回の完全組み合わせを2回実施、計18回) がふさわしく、交互作用があっても主効果の高い因子を求めたいのであれば、L18がふさわしいといえます。
 L9を使う場合、交互作用があってもその要因効果は他列に出て、うまくプーリングされれば、誤差扱いとすれば有意差検定上の自由度は確保されますが、その保証はありません。又、誤差の自由度も小さく、検定は本来保留となります。
 よろしくご検討ください。




ANSWER
回答No3 | 投稿日時:

少し掘り下げて話をしましょう。
実験計画法とは,別に実験回数を小さくしたり,実験の効率を上げたりすることを主眼にしていません。その場に最適な実験をどのように組み立てるかというための手法です。
フィッシャーも結果の頑健性を見極めるために,色々な手法を考案しました。田口も同じです。→交互作用が出ないように因子間の水準を考えたり,交互作用は重要だから別途解析したりするものです。
1因子実験を否定するつもりはありませんが,「交互作用を考えないなら」という前提はいかがでしょうか?
考えていなくても,可能性があるなら,しっかり計画する必要があると思います。
それは,結果の頑健性に影響するからです。結果を何に使うのか?どんな考察を求めるのか?が大事ですよね。
そういう意味から,しっかりとバランスした(当確率の)計画が優れているのです。4回の実験を省略したため,後悔するなら,最初から因子を直交しておきましょう。
問題なのは,感度(レスポンス)ではなく,ばらつき(ノイズ)の評価です。
私のリコメンドは「2因子3水準の場合,最低でも9回の実験が必要です」です。ご検討ください。