実験計画法や品質工学、多変量解析中心に企業コンサルタントをしている村島です。
ご質問に、端的にお答えします。
1つの作成条件について、そのデータが正規分布近似されるのなら、平均値を代表として問題ありません。正規分布に正確にこだわる必要はありません。10個程度では、そもそも正規分布かどうか、はっきりしない場合が多いので、極端な裾引き分布や、とび離れ値がなければ、OKです。
なお、代表値の周りに、ばらつきが生じます。標準偏差を二乗し、それを10の平方根で割って、1.96をかければいいです。信頼水準95%のバラツキ区間になります。
以上は、一つの作成条件についてのみの話です。他の作成条件が加われば、ばらつきの計算は変わります。
この場合でも、簡単なヒストグラムをつくって、ほぼ正規分布に近いなら、平均値を代表にしても構いません。
平均値をとるというのは、品質工学の視点からすると、2次の損失関数を最小にするということからも、OKです。
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すいません。ばらつきの計算を間違えて書いてしまいました。標準偏差を二乗して、と書きましたが、間違いです。標準偏差そのものを10の平方根で割り、1.96をかけてください。よろしくお願いします。
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非常に類似した事例が、以下テキストに掲載されております。強度を予測する点も類似しています。
立林・手島・長谷川著 入門MTシステム(日科技連出版社)p.204-
この事例では原料配合割合からの強度推定をT法で扱っています。詳細はここではご説明しきれませんので、ぜひテキストに当たってください。
平均値を求めなくても、全データをそのまま適用できます。なお、お薦めしたいことがあります。それは、「推定式を求める前に、全データを散布図等にして眺めてみる」ことです。解析後の結果を見て気づくことも出てきます。
T法についての概要は以下のサイトもご参照ください。
https://www.angletry.com/mtsystem6.php
アングルトライ株式会社 手島昌一
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