品質保証部門に所属していますが、仕入れ品についての責任部署の考え方で悩んでいます。
商品の製造過程で必要となる仕入れ品については、製造部門の責任範疇であると認識しているのですが、例えば商品を使用するうえで必要となる道具を販売している、この道具は当社の仕様を盛り込んだ特注品となりますが、この仕入れ品に対する責任はどの部署が受け持つべきなのかです。道具については、製造元での出荷検査は実施されています。
当社は購買部門はなく、製造部門が発注を兼務しています。
製造部門としては、商品製造に関係ない仕入れ品であることから、その責任を受け持つことに否定的です。例えば営業が商品を販売するうえで必要となる道具であることから、営業が必要としている、つまり営業の責任範疇ではないかとの考え方です。
一方で、仕入れ品の責任は発注部署が受け持つとの考え方も聞いたことがあり、実際はどう判断すればよいのか、あるいは皆さんはどのように対応されているのかご意見を頂ければと考えております。
調達品の管理、悩ましい問題ですね。
まず私の見解としては、現在の御社の状況では、その責任部署は品質保証部にするのが良いと思っています。
考え方としては、製造元のプロセス(製造元の製造~納品までのプロセス)を保証する部門が責任部門です。
例えば、製造部門が発注し、製造元から出荷検査を受け取り管理するということが定められている場合はその責任部署は製造部門になるとは思いますが、その出荷検査の妥当性や不良発生および流出の可能性の検証等が明確になっていない段階では責任を負ってもらうことは難しいでしょう。
そうした一連のプロセスを保証する最後の責任は品質保証部門にあると思いますので、現時点では品質保証部門が出荷検査結果を受け取り、品質を保証するとしておくことが良いと思います。
付け加えますと、時間を経て、製造元のプロセスがより厳格に管理できるようになった場合には、品質マニュアルを改定して製造部門の管轄にすることは良いと思いますが、あくまでも現時点では、ということです。
ご参考になさってください。
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この問題はどこの会社でもよく揉める内容ですね。品質マネジメントシステムを実施しているのであれば、そのマニュアルの中に責任と権限を規定する箇所があると思いますので、会社の実情に合った責任区分を決めれば良い訳です。これが正解という訳ではありませんが、私が品質保証責任者をしていた企業では下記に様に対応しておりました。一つの例としてご検討ください。
社内の製造部門で製造する場合、仕入れ原材料の品質確認は製造部門の責任範疇、製造したものの品質確認は営業部門の範疇としました。仕入れ販売品の品質確認は、社内で製造したものと同様に営業部門の責任範疇としておりました。品質保証部門の業務範囲は、それら全体の流れを総括して会社としての承認を行うことと、必要に応じてシステムを改善・是正することと捉えたことによります。
一方、企業によっては「品質保証部門が全てをチェックして管理しているよ」ということもよく耳にします。
社内で責任と権限の範囲を明文化してオーソライズすることがポイントと思います。
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追加のご質問に対する回答です。
> その中で「製造したものの品質確認は営業部門」が意外でした。
> この場合、営業部門に品質確認部署があり、その部署が対応していたので> しょうか。あるいは、検査部門に依頼し対応されていたのでしょうか。
営業部門が販売する製品は、営業が一義的に品質責任をもつとの意味です。実質は「検査部門に依頼し対応」ですね。仕入れ販売品も、営業部門から検査部門に検査を依頼する形で対応していました。
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会社の「仕入れ品の責任部署」の考え方は様々と思います。「ねばならない」は、無いと思います。
例えば、次のような企業の場合を考えてみました。
製造部門→→→製造部門(出荷検査)→→→営業
品質部門→↑ ↑
仕入品 → → → → → → → ↑
販売業務が主であり、販売の為に必要に応じて製造を行う企業では仕様を提示し外注品製造を得て、顧客の求める商品を提供している場合があります。例えば、商店・商事が出身の企業に、事例として見ることがあります。
このような企業の場合、営業部門の責任や発言力が強く持っています。また、場合によっては、製造部門の品質部門が間接部門のように見えることもあります。
会社のあり方は、経営管理の責任者の考え方になります。一部門の考え方で体制を替えることはできません。自らが行う業務の範囲・責任は、自ら管理を行うことが求められます。
まずは、自らの業務を的確に行うことと思います。その上で、仕入れ品の組み合わせ不具合が起きた場合などで、品質保証部門の存在感を高める行為を行うように検討してください。
一方的な言い方で、大変な言い方を、失礼・非礼で誠に申し訳ありません。
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