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QUESTION 質問No.561

比率を変える直交実験における、残量調整因子の影響評価

設計・開発品質工学(タグチメソッド) |投稿日時:
ある製品の原料比率構成を変えて直交表を組んでいます。

例えば、L9を使って4種類の原料を割付けています。
※4種類の原料は水準はまちまちです(1,3,5%、10,12,14%など)。また、割合のみ変え、合計重量は同じに設定しています。

とはいえ、計算上合計は100%にしないといけないので、実際は4種類ではなく、5番目の原料が入っており、この原料は100-∑p_iで従属的に決定されます(p_iは各原料の水準値)。

この5番目の原料の特性値に対する影響は小さいだろうという前提はありますが、推測の域をでません。例えば、5番目の因子を含めて要因効果図を描くと、ある特性値に対しては5番目の因子ときれいな線形関係が見て取れることもあります。

このとき、5番目は他の因子と交絡しているので、主効果の判断はできないと考えるべきかと思いますが(要因効果図で線形関係が認められても、他の因子の影響を否定できないので、主効果があるともないとも言えない)、その考えでいいでしょうか?

また、この5番目の因子の主効果を確認するには、また別の直交実験を組む(ただし、その場合、また別の因子が残量調整因子になる)しかないのでしょうか?

補足1 投稿日時:2021/10/28 10:04

早速詳しいアドバイスいただき、ありがとうございます。

補足となりますが、特性値はいくつかあり、そのうち1つの特性値が第5因子と相関があり、他の特性値は相関が見られません。

また、溶媒や反応外の組成、というような無視できる組成がない系です。ご提示された混合液体で言えば、比熱を特性値の1つとして取っているので、第5番目の因子の無視ができない系です(溶媒も比熱に寄与)。そのため、4つの割り付けた因子にも、主/従成分という関係を定義していません(比熱の例のように、全体に対する割合が各特性値に対して寄与すると考えているため)。

前提情報が不足しており、申し訳ありません。


>要因効果と第5因子と、9個のNo1-No9の最大となるNoの結果と比較してほぼ同じなら
ここはどういう意味か補足いただくことは可能でしょうか?従属的に決まる第5因子の要因効果図を無理やり描いているため、L9の特性値と一致し、当然ながら第5因子の最大値とL9中の最大値と一致いたします。

補足2 投稿日時:2021/10/28 13:45

森様
ありがとうございます。第5因子は比熱に支配的な効果となっているのではなく、比熱(等すべての特性値に)にも影響を与えうる因子です。基本的に割り付けた4つの因子が比熱等の特性値に主として影響を与える因子です。ただ、構成要素として溶媒的な第5因子が少なからず影響を及ぼす、という意味合いです。

このとき、以下の考えは正しいでしょうか?(何度も申し訳ありません)
・4つの因子を直交表に割り付けたとしても、当然第5因子とは直交しない。そのため、第5因子は他の因子と交絡するので、第5因子について仮に要因効果図で線形が認められても、主効果ありと判断すべきではない(分散分析の前提を逸脱)
・厳密に言えば、第5因子も第1〜4因子に交絡する。第5の因子の各特性値に対する影響を無視できる、と考えられるのであれば、その影響を無視して解析する。ただ、その影響が自明でないなら、第5因子も振って直交表実験をすべき

「No1-No9の最大」というのはL9の9回実験中の最大値という意味ではなく、いわゆる最適条件設計における予測最大条件ということですね。ありがとうございます。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

処方研究が公開されることあまりありません。感謝の意味を込めて、ご参考になれば幸いです。

処方の組成は、主成分と従成分で構成されます。これらは主/従の比で水準を作成します。主成分を量で変更しますと従成分も比で変更します。従成分は主成分にたいして0.8,11.0,1.2などします。反応物の全量を総量(全重量)の0.6,0.7,0.8のように、残りは溶媒または反応外の組成とします。
 相当技術レベルが高いとPQさんを評価しております。
今回は、L9以4因子外の調整に使った無反応物が第5因子でその量が特性(収率?)と相関があったとみていられると思います。この場合は、4個の要因効果はそれなりの効果があるとみなしていいかと思います。

 この場合は、要因効果と第5因子と、9個のNo1-No9の最大となるNoの結果と比較してほぼ同じなら因子間4因子と第5因子の効果はかなり成立しているとみてください。次の実験は、この最大値を基準にして展開してください。A+B=C+Dの反応はA/(A+B)など比を想定しながら次の水準を決めてください。割付と結果を見ない状況の回答ですので的外れがあるかもです。お役に立てば幸いです。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

ご連絡ありがとうございます。
第5因子は比熱に支配的な効果となっている。
一般的ですが、処方(反応)、混合物は、その働き(機能?)とそれを出すための媒体(媒質)が要求されます。そその媒体は、液体か個体で物理的性質に比熱(特性)あったと理解できます。この場合は、働きが目標内の条件で、第5物質が、液体なら、分子構造を変更(側鎖・主鎖等)、樹脂なら高分子量と構造違い、固体なら粒径、比重、空孔率違いなど熱伝導にかかわる分子的、または構造的因子で比熱増減を図るのが一般的です。


>要因効果と第5因子と、9個のNo1-No9の最大となるNoの結果と比較してほぼ同じならここはどういう意味か補足⇒

処方・混合物は、材料と製法と交互作用が大きい研究と想定できます。このとき、個々の要因効果図が成立するかどうか知りたいものです。例えば、電導度特性の要因効果図でA2B1C3D1が最大とします。このときL9の中でNo5は、A2B2C3D1ですからB以外のA2C1D1が一致しており要因効果図はそこそこ説明できると判断できます。一致がない特性ほど要因効果は信頼できないと判断します。ただし、要因効果図の最高水準の組み合わせが最良値とならないことがあるのが処方研究です。一般的には、目標に近いNoの組み合わせの部分水準変更を試みることが多いようです。 参考になれば幸いです。




ANSWER
回答No3 | 投稿日時:

品質工学のコンサルティングをしております対馬です。

まず、5番目の原料も、ある特性値に対して影響するということですので、5番目の原料も制御因子として実験計画に組み込むことを考えたほうがよいと思います。

また、原料の比率の最適化を考える場合には、合計重量を100%として実験計画を立てるのではなく、最も量の多い原料Aを基準として、それに対してほかの原料を何%添加するというようにします。 最も量の多い原料がAとBであれば、A+Bの総量に対してほかの原料を何%添加するというようにし、AとBについてはAとBの比率を制御因子として水準を決めます。
さらに言うと、例えば原料Dは原料Cに対して作用するということであれば、その場合には原料Dは原料Cに対して何%添加するというようにします。
5番目の原料Eについては、100-∑p_iとして従属的に決定するということですが、この意味が4種類の原料A~Dの混合物に対して作用するということであれば、A~Dの総量に対してEは何%添加するということで水準を決めることになります。

いずれにしても、まずは5種類の原料の役割をしっかり把握したうえで、実験を組み立てることが肝要です。

以上ですが、参考にしていただければと思います。




ANSWER
回答No4 | 投稿日時:

PQ様

直交表実験をしていますといろんなことが起きます。例えば、データが取れなかったり、ある水準のサンプルが作れなかったりすると実験計画法で学習した変動計算ができません。しかし、統計解析的に不備(逸脱)があったとしても次善情報として使える情報が幾つかあります。

今回のように、効果のある第5因子が,L9のABCDの要因効果に交絡していたとしてもその要因効果図の最高水準は,その特性のL9の最良Noに近いくみあわせとなります。このような見方もあります。
また、分散分析で有意でなくとも要因効果図とL9のNo結果を比較しながらおおよその要因効果を見定めることもできます。

実験計画法にご関心をお持ちであり、お仕事が「少ない実験で大きい成果」につながることを期待しております。頑張ってください。