三相電源の違いによる影響について
市場品質 |投稿日時:今回、海外で使い始めた装置が故障(電気機器より発煙)が発生し、トランスを確認したところ、弊社が出荷しているトランスとは違うものが使われていました。
装置電源仕様:三相200V
当社出荷品:三相4線式(スター結線)⇒三相3線式200V(デルタ結線)
不具合発生品:三相4線式230V(スター結線)⇒三相4線式200V(スター結線、2次側のNは未接続)
現地でトランスの端子間電圧を測定した写真を確認したところ、1次側230V(線間電圧)2次側200V(線間電圧)になっており、装置の定格電圧に対して過電圧になっていませんでした。
スター結線で200Vを出力する電源に、線間電圧(=相間電圧)200Vの装置を接続すると故障が生じるような過電圧印加となってしまうのか知りたいです。
トランスの結線について詳しい専門家の先生がいらっしゃいましたら、故障原因(過電圧印加)についてアドバイスをいただけませんでしょうか。
よろしくお願いいたします。
補足1 投稿日時:2023/05/01 12:59
大岡様、アドバイスをいただきありがとうございます。
ご指摘のとおり、線間電圧が200Vであれば、結線方式が違っていても過電圧になることはないので、未だ原因不明です。
今回の不具合は、弊社装置を販売している企業からさらに現地の運営会社に販売されているため、現地の詳しい状況が分かっておらず、対応に苦慮しています。
先日、国内の販売先を通して、新しい装置用のトランスを用意したとの連絡があり、今度のトランスは1次側400Vとなっており、設置場所の電源情報すらはっきりしません。
負荷(装置)側に問題が100%ないとは言い切れないので、引き続き電源品質を確認していきます。
ありがとうございました。
なかなか回答をいただけなかった質問ですが、まだ解決していないので時間があったときに調べています。
電力配電方式でTTとTNがあり、国内ではTT方式、海外ではTN方式が多く採用されているということで、
この方式の違いによってトランスの出力電圧(装置の入力電圧)が線間200V以上になってしまう可能性が
あるかもしれないと感じています。
電力配電方式により、トランス出力が変化してしまうことがあるかどうかアドバイスをお願いいたします。
「スター結線で200Vを出力する電源に、線間電圧(=相間電圧)200Vの装置を接続すると故障が生じるような過電圧印加となってしまうのか知りたい」の部分に回答させていただきます。
投稿された内容から考えた場合、スター結線で200Vを出力する電源と、線間電圧(相間電圧)200Vの装置を接続する場合、基本的には過電圧が印加されることはないと考えます。
そのうえで故障に至る条件を考えると以下のような問題が考えられます。
1,電源側の問題:電源側が不安定であったり、電圧変動が大きい場合、装置に過電圧が印加される可能性があります。また、電源周波数が異なる場合、装置が設計された周波数とは異なる動作をする可能性があります。
また、電源品質:電源品質の低下(ノイズ、電圧変動、周波数変動など)が、電気機器の故障を引き起こす可能性があります。
2,負荷不均衡:装置の負荷が不均衡であったり、負荷が急激に変動する場合、一部の回路に過大な電流が流れることがあります。これにより、過電圧が印加され、発煙や故障が発生する可能性があります。
3,接続の問題:電源と装置の接続が不適切であったり、接地が不十分な場合、過電圧が印加される可能性があります。また、接続の際に誤った結線が行われていると、故障の原因となります。
過電圧による故障を防ぐためには、電源側の安定性を確保し、装置の接続方法や接地状況を適切に行うことが重要です。また、電源品質の改善や、過電圧保護機能を備えたトランスの使用も効果的な対策となります。
以下参考として少し古いですがタイの電力品質を記します。
(JIEIE Vol28 No.3 Power Sector in Asiaより)
【MEA(首都圏配電公社)、PEA(地方配電公社)
①需要家当たりの年間停電頻度(SAIFI)
MEA:+401 回
PEA:+,4* 回,
②同停電時間(SAIDI)
MEA:-14+ 分
PEA:/0- 分
なお,PEA の管内は広く需要密度が低いため,MEAに比べ設備の維持管理や事故復旧に時間を要している。
参考になれば幸いです
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