藤本隆宏教授特別講義「広義のものづくりとは何か?」-ものづくり経営の本質と焦点-
開催日 | オンデマンド |
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収録時間 | 147分 |
主催者 | 株式会社産業革新研究所 |
キーワード | 事業戦略 トヨタ生産方式 技術マネジメント総合 |
開催エリア | 全国 |
「ものづくり」とは、「ものづくり経営」とは何なのか?そして日本のものづくりはどこへ向かうのか?
本分野の世界的権威、東京大学経済学研究科教授であり、同じくものづくり経営研究センターのセンター長でもある藤本隆宏先生が、軽妙な語り口で、誰にでも分かるように、ものづくり経営論を展開します。
セミナー講師
藤本隆宏教授 東京大学大学院経済学研究科教授兼ものづくり経営研究センター長
1955年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。三菱総合研究所を経て、ハーバード大学ビジネススクール博士課程修了(D.B.A.)。独立行政法人経済産業研究所(RIETI)ファカルティフェロー、ならびにハーバード大学ビジネススクール上級研究員。
専攻は、技術管理論・生産管理論・経営管理論。
セミナー受講料
1名様 13,750円(税込)
※ものづくりイノベーター認定者は、ランクに応じて当社主催セミナー受講料の割引が可能です。お申込み前に、お問合せフォームよりランクをご申告ください。後程、割引用のクーポンをお送りいたします。※その他クーポンとの併用不可、ご注文後の割引適用は出来ません。
【ご注意】動画の中で30か所程、音声が若干乱れます。内容を理解するには全く問題はありません。ご了解のほどよろしくお願いいたします。
受講について
【このセミナーはオンデマンドセミナーです】ネット環境さえあれば、お好きな場所、お好きな時間に受講できます!
- 視聴期間は受講開始日より2週間です。
- タブレットやスマートフォンでも視聴できます。
セミナー趣旨
戦後の日本は、「資源のないわが国が、原料・燃料・食料を輸入するために、工業製品ならおよそなんでも輸出しなければならない」という「貿易立国」の一念で突っ走ってきたために、製造業は、「なんでも作りなんでも輸出したい」という戦略性の希薄な産業観で、なんとなくここまできてしまったかもしれません。
21世紀の現代は、「製造業のサービス業化」と「サービス業の製造業化」が同時に起こり、ハードとソフトが相互に補完し合い、あらたな付加価値を創り出すことが求められます。そこで必要なのは、設計情報の流れを軸とした「広義のものづくり」であり、それにもとづく多面的な媒体分析あるいはアーキテクチャ特性の分析です。
生産の流れを改善することで多くの製造現場は今後も生産性2倍、3倍が可能と断じる論旨には勇気づけられます。またここで提案される日本の特殊性に立脚したものづくり経営戦略には大きな可能性があります。
本セミナーはものづくり経営論の第一人者である藤本先生が30年に渡り生産現場を歩き続け研究してきたこの分野の集大成であり、また最近の米中貿易摩擦をも鋭く言及しています。
全てのものづくり産業関係者に聴講していただきたい内容です。
受講対象・レベル
製造業関係者、特に経営企画、事業戦略、生産戦略部門の方は必聴ですが、製造業:広義のものづくり関係者であれば、どなたにも参考になる内容です。
非常に平易に説明しますので、新入社員から大企業の経営者まで、広い層にお勧めします。
必要な予備知識
特に必要ありません。
習得できる知識
- 広義のものづくりの意味
- 日本ものづくりの特徴、ポジションと競争関係
- ものづくり力の分析と向上の方法
- アーキテクチャ論の理解と応用
- デジタル化時代のものづくり経営
セミナープログラム
0.自己紹介
1. 広義のものづくり
- 1.1 現場の観察が大事
- 1.2 サービスとの関係
- 1.3 付加価値は設計情報に宿る
- 1.4 設計情報を創造し、媒体に転写する
- 1.5 ものづくり経営学講義の構成
- 1.6 開発は設計情報の創造、生産は設計情報の転写
- 1.7 「ものづくり」は「設計情報の良い流れ」を作ること
- 1.8 サービスもソフトも「ものづくり」
- 1.9 媒体が有形か無形か
- 1.10 プロセス産業における情報転写
- 1.11 サプライチェーンとエンジニアリングチェーン
- 1.12 統合型の開発・生産組織能力
2. 現場と現物から見た産業競争力分析の枠組み
- 2.1 競争力は「選ばれる力」
- 2.2 多層的な競争力
- 2.3 日本流と欧米(中国)流
- 2.4 自動車工場の国別生産性比較
- 2.5 自動車の開発生産性 △
- 2.6 裏の競争力の基本公式
- 2.7 設計情報転写の密度と生産性・リードタイム
- 2.8 統合型ものづくりの組織能力
- 2.9 トヨタ生産方式の組織能力:生産性と品質
3. 流れ改善の基本ツールと実際
- 3.1 IoT、AI、自動化の前に「良い流れづくり」
- 3.2 付加価値(設計情報)の流れ図を作る
- 3.3 生産全体と現場の設計情報流れ図
- 3.4 資金循環・納期・生産リードタイムの相関
- 3.5 生産管理における「列車ダイヤ図」と標準三票
- 3.6 IoTの本質はIfT(ものから情報)
- 3.7 リアルタイム列車ダイヤ図
- 3.8 リードタイムと稼働率のトレードオフ
- 3.9 生産性改善策の類型
- 3.10 工程改善策の類型
- 3.11 工程分析における重要な概念
- 3.12 プロセス分析の例:ボトルネック探索
- 3.13 ボトルネックと制約条件の理論(TOC)
- 3.14 ドラム・バッファー・ロープ
4. アーキテクチャと製品戦略
- 4.1 アーキテクチャによる製品の見極め
- 4.2 アーキテクチャは設計者の発想
- 4.3 モジュラー型とインテグラル型
- 4.4 製品アーキテクチャの基本タイプと製品例
- 4.5 日本企業は「擦り合せ製品」で強い
- 4.6 得意アーキテクチャの地政学的な分布
- 4.7 米中の対立は日本への追い風
- 4.8 アーキテクチャの位置取り戦略
- 4.9 半導体と関連産業のマトリクス
5. デジタル化時代のものづくり経営
- 5.1 デジタル化の現状認識
- 5.2 質量のある世界とない世界の複雑な結合
- 5.3 上空と地上のアナロジー
- 5.4 地上では地道なプロダクト間競争
- 5.5 上空の大変化:GAFAとの共存
- 5.6 米中技術覇権摩擦の影響
- 5.7 上空と地上のインターフェース・中間層の出現
- 5.8 強い現場と強い本社の連携