米国で急進するマイクログリッドと日本の針路
開催日 | オンデマンド |
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主催者 | 株式会社 新社会システム総合研究所 |
キーワード | 電気・電子技術一般 環境負荷抑制技術 |
開催エリア | 全国 |
「コマーシャルマイクログリッド」と「広域マイクログリッド」
【米国エネルギー革命2050シリーズ第12回】
開催日:2021年 8月11日(水)
セミナー講師
クリーンエネルギー研究所 代表阪口 幸雄(さかぐち ゆきお) 氏
セミナー受講料
1名につき 38,500円(税込)
受講について
収録時間 2時間24分 テキストデータ(PDFデータ)つき
■セミナーオンデマンドについて<1>収録動画をVimeoにて配信致します。<2>動画の配信期間は公開日より2週間ですので、その間にご視聴ください。 2週間、何度でもご都合の良い時間にご視聴可能です。
セミナー趣旨
米国では1月20日にバイデン政権が誕生し、新政権の目玉政策であるクリーンエネルギーへの転換が始まった。これに伴い、2035年までの発電セクターにおける脱炭素化と、2050年のパリ協定遵守に向かって全セクターでの化石燃料使用の停止が本格化する。バイデン政権のプランに関わらず、米国の電力業界は、集中型システムから分散型・双方向型のシステムへとシフトしつつあるが、インフラの老朽化、大規模自然災害の頻発、再生可能エネルギー発電の増加等が原因で、停電が起きやすくなっている。同時に、新しい技術、再生可能エネルギー統合にかかる価格の低下、規制の変化によって、エネルギー(電力)を作り、送り、配り、貯め、管理・共有し、使う選択肢と自由度が増えてきている。これらの変革の最中にある米国の電力業界において、「エネルギーの地産地消」、「ビジネス中断リスクの低減」、「地域レジリエンシー強化」、「分散電源統合」、「社会インフラ再構築」に関わるソリューションの一つが「マイクログリッド」である。停電が起きた場合に電力グリッドから「分離」でき、サバイブできる機能が、マイクログリッドと他の分散型ソリューションの大きな違いであり原動力となっている。そのほか、エネルギーコストの安定、温室効果ガス排出量の削減、電力会社(配電事業者)から見て切り離しが容易といったメリットも大きい。マイクログリッドと言っても、「単一需要家向けのコマーシャルマイクログリッド」と「広域自律型マイクログリッド」に分かれるが、本セミナーでは、両方の特徴を詳しくみていく。また、マイクログリッドコントロールシステムの進化、標準規格の制定、HIL(Hardware-In-the-Loop)を用いたテスト手法の進化、法規改正機運(カリフォルニア州のSB1339)、相変わらず多い自然災害と停電、等が後押しとなり、今後10年で両者が車輪の両輪のように進むと考えられる。また、技術革新や増える災害が後押ししているだけではなく、経済性の向上が大きな要因になっている。近年日本でも「広域マイクログリッド」が話題になることが多いが、先行する米国での例を参考に、どこにビジネスチャンスがあるのか、「第三者所有モデル」や「電力会社所有モデル」は成り立つのか等を多方面から解析し、日本はどう取り組むべきかを考える。
セミナープログラム
- 「マイクログリッド」とは何か
- 様々な定義
- 頻発する自然災害がマイクログリッド化を推進
- 州政府や電力会社の関与が大事
- 法制の課題と整備(カリフォルニア州のSB1339で「Over-the-wall規制」の改革)
- 第三者やCCA(Community Choice Aggregation)や電力会社所有モデル
- 化石燃料ベースと再エネベース
- 「コマーシャルマイクログリッド」
- 件数では圧倒的に多い
- 経済性とレジリエンシーが大事
- デベロッパー3社で70%以上を占める
- 「広域マイクログリッド」
- フィーダー線をまたがり複数需要家をカバー
- 送電線リスクが高い遠隔地へのNon-Wired-Alternativeを実現
- 集合住宅でのレジリエンシーと経済性を実現
- 大規模な都市再開発の一環
- スマートシティ実現への第一歩
- マイクログリッドコントローラ
- 三階層のコントローラの詳細と役割
- ディスパッチとトランジション
- 進化・複雑化するコントローラの機能
- マイクログリッド向けインバーター
- グリッドフォーミングインバータ
- グリッドフォローイングインバータ
- 複数インバーターのドループ制御
- マイクログリッドの標準化規格
- コントローラの規格
- コントローラの検査規格
- DCマイクログリッド規格
- 米軍のマイクログリッド規格
- マイクログリッドの検査に用いられるHILテスト
- HIL(Hardware in the Loop)テストとは何か
- コントローラのテスト(C-HIL)
- 電力系のテスト(P-HIL)
- 実例
- マイクログリッドの具体例
- 広域マイクログリッド : ブロンズビル(イリノイ州)・レッドウッド空港(カリフォルニア州)
- コマーシャルマイクログリッド : ビール工場(ハワイ)・シングルマザー向けシェルター(ハワイ)
- マイクログリッドの経済性
- 日本のビジネスチャンスを考える