【世界の再生可能エネルギーと電力システム】
〜日本の立ち位置と解決すべき課題〜
開催日:2022年 2月15日(火)
セミナー趣旨
2020年10月に菅首相(当時)の所信表明演説において「2020年カーボンニュートラル」が宣言されて以来、日本でも脱炭素の議論が加速している。2021年10月に策定された第6次エネルギー基本計画では2030年の電源構成における再生可能エネルギーの比率が36〜38%と「野心的な」見通しが示され、2050年は50〜60%の再生可能エネルギー導入率が見込まれている。
一方、国際議論でも国際エネルギー機関(IEA)や国際再生可能エネルギー機関(IRENA)を中心にここ数年急速に議論や合意形成が進展しており、2021年5月に発表されたIEAの“Net Zero by 2050”という報告書や2021年6月に公表されたIRENAの“World Renewables Outlook”という報告書では、パリ協定に謳われた1.5℃目標の達成のために必要な2050年の電源構成に占める再生可能エネルギーの比率は88〜90%になると試算されている。
このように、日本国内では「野心的」とみなされている再生可能エネルギーの将来見通しは、国際議論の水準からは大きく劣後するものであり、国際議論との乖離が浮き彫りになっている。
本講演では、まずIEAやIRENAなどで議論が進む国際動向を紹介し、再生可能エネルギーが何故ネットゼロやカーボンニュートラルの実現のために最有力視される技術なのか、何故日本ではそれが過小評価されているのか、本来どうあるべきかについて、技術的・制度的側面から解説する。
セミナープログラム
1.脱炭素の国際動向と日本の立ち位置
(1)IPCC、IEA、IRENAにおける議論
(2)日本における脱炭素の議論
(3)国際議論と国内議論の乖離
2.再生可能エネルギー超大量導入の国際議論
(1)柔軟性
(2)電化とセクターカップリング
(3)慣性問題とグリッドフォーミングインバータ
(4)外部不経済と便益
(5)投資と雇用
3.日本の課題と解決策
(1)バックキャスティング
(2)費用便益分析
(3)EBMP(根拠に基づく政策決定)
※参考文献
安田陽著「脱炭素の国際動向〜国際エネルギー機関報告書“Net Zero by 2050”で何が書かれているか?」
化学装置、2022年1月号(2022)
セミナー講師
安田 陽(やすだ よう)氏 京都大学大学院 経済学研究科 再生可能エネルギー経済学講座 特任教授
セミナー受講料
1名につき 33,700円(税込)
同一のお申込フォームよりお申込の場合、2人目以降 27,500円(税込)
受講について
収録時間 2時間46分 テキストデータ(PDFデータ)つき
■セミナーオンデマンドについて
<1>収録動画をVimeoにて配信致します。
<2>動画の配信期間は公開日より2週間ですので、その間にご視聴ください。
2週間、何度でもご都合の良い時間にご視聴可能です。
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