高分子絶縁材料の絶縁劣化/破壊のメカニズムと
高信頼性化技術について詳細に解説!
セミナープログラム
10:00~11:50
「機能性高分子絶縁材料(ナノコンポジット含む)による電気絶縁性の向上」
九州工業大学大学院 工学研究院
電気電子工学研究系 電気エネルギー部門 准教授
小迫 雅裕 氏
電気絶縁材料を用いた絶縁性の確保は至極当然に思われるが、電気・電子機器の小型化・高効率化・高性能化などを狙って放熱性や高機能性などの付加価値を求めると急激に困難になる場合がある。
本講演では、電気・電子部品の放熱・電気絶縁部材への応用を見据えた機能性高分子絶縁材料およびナノコンポジット絶縁材料の開発事例、について紹介し、絶縁技術を将来展望する。
(11:50~12:45 休憩時間)
12:45~14:35
「高電圧機器における高分子絶縁材料の劣化診断技術」
関東学院大学 工学総合研究所 研究員
岡本 達希 氏
電力用機器や高電界機器中の電気部品や電子部品の劣化は、基本的には高電界が原因になっていることが多くあります。そのため本セミナーでは電力機器や電子機器における高電界現象に基づく劣化機構について簡単な基礎現象の説明をしたいと思います。特に部分放電に関する基礎知識が無くても大丈夫な様にはじめに部分放電の基礎については分かりやすく説明致します。その後、いくつかの電力機器における部分放電劣化診断技術の基礎や、最近注目を浴びているオンライン劣化診断技術を紹介したいと思います。
具体的には各種絶縁材料の劣化機構の紹介と発電機巻線、遮断機、ケーブル、送電線などの部分放電劣化診断技術の概要を紹介し、さらにこれら機器へのオンライン診断技術の適用例の紹介も行う予定です。
14:40~16:30
「高分子材料の絶縁劣化現象と絶縁破壊メカニズム」
芝浦工業大学 名誉教授
松本 聡 氏
ゴム・プラスチックに代表される有機高分子材料は大変優れた絶縁材料であるが、使用環境に存在する劣化因子により経年劣化が生じる。また、適切な電界設計や維持管理がなされない場合には、寿命を迎え時に大事故につながることさえある。したがって、高分子材料を有効に使用するためには劣化現象を正しく理解するとともに、適切な絶縁設計ならびに劣化防止対策を施す必要がある。
本講演では初めに高分子材料の種類と劣化メカニズムについて概観する。続いて、絶縁設計の考え方、特に材料劣化に影響の大きい部分放電現象と部分放電の検出技術を概説する。また、各種ポリマーを選択する際の注意点や、高分子材料の劣化評価法について、寿命予測に用いられる統計モデルの基本的な考え方を解説し、予測された寿命の評価法について説明する。
※各講演時間に5分程度の質疑応答を含みます。
セミナー講師
九州工業大学大学院 工学研究院
電気電子工学研究系 電気エネルギー部門 准教授
小迫 雅裕 氏
関東学院大学 工学総合研究所 研究員
岡本 達希 氏
芝浦工業大学 名誉教授
松本 聡 氏
セミナー受講料
1名様 54,780円(税込) テキストを含む
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