透明導電膜・フィルムの最新技術開発動向と応用展開

★透明導電材料の基本的な解説から、「塗布型」透明導電膜について、導電材料の種類、プロセスや従来の透明導電膜との違いについて解説!

★プラスチックフィルムと ITO 膜の界面、ITO 膜の構造などに着目し、課題解決の方策について解説!

★銅ナノインクによるフィルム上での回路形成について、印刷、焼成といったプロセスの解説も含め実用化への取り組みを解説!

★低抵抗・透明性・フレキシブル性に優れた透明導電性フィルム技術NANOWEB®を紹介!

セミナープログラム

第1部 透明導電材料の基礎と応用展開
【11:00-12:15】

講師:マクセル(株) 新事業統括本部 機能性材料イノベーション部 第1製品課 課長 技術士(化学部門) 水谷 拓雄 氏

【講演主旨】
 液晶ディスプレイの登場により、その電極に用いられる透明導電材料はクローズアップされるようになりました。その後タッチパネル、有機ELディスプレイなど製品、技術の進化と共に透明導電材料へ求められる特性、特徴も変わりつつあります。
 本セミナーでは「透明導電材料って何?」「どんなところに使用されているの?」と言った基本的な解説から、コーティングにより透明導電材料を膜へ形成する「塗布型」透明導電膜について、使用できる導電材料の種類、プロセスや従来の透明導電膜との違いなどについて説明致します。
 また、後半は自社の開発事例から塗布型透明導電膜の課題や解決方法などについても具体的に紹介致します。

【キーワード】
透明導電,導電フィルム,導電インク,透明導電膜,ITO,インジウム,導電ポリマー,PEDOT,銀ナノワイヤ,CNT,タッチパネル,ディスプレイ

【講演ポイント】
透明導電膜を各種デバイスへ適用される際に必要となる各種透明導電材料の特徴、メリット、デメリットや製造プロセスの基礎知識を実例を交えた回折で習得頂くことができます

【習得できる知識】
各種透明導電膜の特徴、取り扱い方、アプリケーションへ適応する際のメリット、デメリットに関する基礎知識

【プログラム】
1.透明導電材料(膜)の基礎
 1.1.透明導電材料(膜)とは?
 1.2.透明導電膜の用途(代表的なアプリケーション、使用事例)
 1.3.透明導電膜の用途と表面抵抗
 1.4.ITO(酸化インジウムスズ)について
 1.5.従来の透明導電膜製造プロセス

2.透明導電材料開発の歴史と背景
 2.1.~2000年まで
 2.2.2000年以降
 2.3.近年

3.塗布型透明導電膜の種類と特徴
 3.1.ITO分散インク
 3.2.ITO以外の金属酸化物
 3.3.有機導電ポリマー
 3.4.カーボン系材料
 3.5.銀ナノワイヤ
 3.6.各種透明導電膜の特性比較

4.ITO系塗布型透明導電膜
 4.1.インク製造、および成膜プロセス
 4.2.スパッタITO膜との特性比較
 4.3.デバイスへの応用展開

5.PEDOT/PSSインクを用いた塗布型透明導電膜
 5.1.インク製造、および製膜プロセス
 5.2.静電容量方式タッチパネル用電極への応用展開
 5.3.プロセス、および特性上の課題と改善事例

6.塗布型透明導電材料の現状と将来
 6.1.塗布型透明導電材料の現状
 6.2.最近の研究・開発動向
 6.3.塗布型透明導電材料の将来

7.参考文献・著書紹介

【質疑応答】


第2部 透明導電性フィルムの開発動向と高温高湿耐久性、フレキシブル性向上
【13:00-14:15】

講師:東洋紡(株) 総合研究所 堅田フイルム技術センター リーダー 多々見 央 氏

【講演主旨】
 透明導電膜として ITO(スズドープ酸化インジウム)がプラスチックフィルムに成膜された透明導電性フィルムがタッチセンサーやスマートウィンドウなどでよく使用されている。プラスチックフィルム基材に成膜された ITO 膜には課題がある。高温高湿下において抵抗値が安定しないことや、フレキシブル性と物理的耐久性の両立が困難なことが挙げられる。
 本セミナーでは、プラスチックフィルムと ITO 膜の界面、ITO 膜の構造などに着目し、課題解決の方策について解説する。

【キーワード】
透明導電性フィルム、高温高湿耐久性、フレキシブル性、薄膜の密着性、薄膜の構造

【講演ポイント】
プラスチックフィルム上に成膜された ITO 膜特有の問題を、プラスチックフィルムと ITO 膜の界面、ITO 膜の構造などに着目し、課題解決の方策について解説する。

【習得できる知識】
透明導電性フィルムの高温高湿耐久性、フレキシブル性を付与する技術指針。

【プログラム】
1.透明導電性フィルムの技術課題
 1-1 透明導電性フィルムについて
 1-2 透明導電性フィルムの技術課題

2.透明導電性フィルムの高温高湿耐久性向上
 2-1 ガラス基板とプラスチック基板の差異
 2-2 プラスチック基板への付着力向上
 2-3 プラスチック基板への高品位薄膜形成

3.透明導電性フィルムのフレキシブル性向上
 3-1 透明導電性フィルムのフレキシブル性
 3-2 透明導電膜の構造とフレキシブル性

4.まとめ
【質疑応答】


第3部 銅ナノインクによる有機フィルム上での導電パターンの形成
【14:30-15:45】

講師:石原ケミカル(株) 第三研究部 部長 博士(理学) 有村 英俊 氏

【講演主旨】
 印刷法を用いてフィルム上に回路形成可能なプリンテッド・エレクトロニクス(PE)が低環境負荷な製法として注目されている。大気下で焼成可能なAgナノインクを用いたPEによる回路形成は、一部で実用化されている。今後の市場拡大には、低コスト化、マイグレーション耐性などの観点からCuナノインクの実用化が求められている。しかし、Cuは室温で容易に酸化する性質があり、ナノ粉にすると更に活性となるため、取り扱いが難しい。本講演では、銅ナノインクによるフィルム上での回路形成について、印刷、焼成といったプロセスの解説も含めて、実用化への取り組みを解説する。

【キーワード】
銅ナノインク、フォトシンタリング、ギ酸リフロー、フレキソ印刷、インクジェット印刷、グラビアオフセット印刷、スクリーン印刷、回路形成、めっき増膜

【講演ポイント】
プリンテッド・エレクトロニクス分野で用いられる銅ナノインクの特長と実用化について、インク材料だけでなく、印刷や焼成プロセスを含めて解説する。

【習得できる知識】
銅ナノインクを用いた印刷法による回路形成

【プログラム】
1.プリンテッド・エレクトロニクスについて
 1-1. 従来技術との比較
 1-2. 実用例
 1-3. 導電性インクの特長と課題

2.銅ナノインクの解説
 2-1. 特長
 2-2. 金属粒子の焼結
 2-3. 銅粒子の焼結における課題と焼成方法
 2-4. 光焼結(フォトシンタリング)について
 2-5. フォトシンタリングのメカニズム
 2-6. ギ酸の還元力を用いた熱焼成

3.薄膜印刷による回路形成
 3-1. 印刷法とインクの特長
 3-2. インクジェット印刷
 3-3. フレキソ印刷
 3-4. グラビアオフセット印刷
 3-5. その他の印刷

4.厚膜印刷による回路形成
 4-1. スクリーン印刷
 4-2. スクリーン印刷結果と皮膜物性

5.印刷技術とめっき増膜
 5-1. めっきシード層としての印刷
 5-2. 評価結果(適用フィルムと検討結果)

【質疑応答】


第4部 低抵抗透明導電性フィルムを実現するNANOWEB®ナノ金属メッシュ技術と5G通信・EMI対策・自動車AD/ADAS向けに実現される用途
【16:00-17:15】

講師:コーンズ テクノロジー(株) テクニカルセンター アプリケーションサポートリーダー 川合 紘夢 氏

【登壇者企業について】
 弊社コーンズテクノロジー㈱は、日本のビジネスと産業のニーズを満たすため、海外から調達した革新的な製品と先端技術をプロモーション・マーケティング・販売する輸入専門代理店です。当分野にて比類ない経験をもち、時代の変化に即応するユニークな「技術専門商社」として、さまざまな事業を展開しています。
 事業分野は、通信RF、イメージング・IRなどの各種センサー、各種分析装置、産業用パッケージングそしてダイヤ成膜にといった技術におよび、用途としては各種無線通信システム、オートモーティブ、航空宇宙、防衛セキュリティー、エンターテインメント、先端エレクトロニクス技術開発にわたります。また、弊社ではCVD装置の製造、通信RF分野におけるエンジニアサポートも手掛けております。
 世界中のパートナーとの緊密な連携により、先進的な製品・技術をいち早く察知し、独自の付加価値を向上させてお客様に製品を提供することで、国内外のお客様のニーズに答えていきます。

【材料メーカーについて】
 META®社(Meta Materials社) (NASDAQコード: MMAT)は2011年にカナダ・ハリファックスで創業した企業でその名が示す通り、メタマテリアルの研究・開発・製造を行っています。主に光や電磁波を操ることで、自然界にある材料を超えた特性を持つ、新しい機能性材料やフィルムの提供を行っています。コンシューマー向け電化製品・5G通信・ヘルス&ウェルネス・航空宇宙・自動車、およびクリーンエネルギー分野にて、画期的な製品素材開発をサポートしています。 また、多機能素材であるメタマテリアルを小さな研究室にとどめておくのではなく、リーズナブルな価格帯で大量生産を行い、最先端技術の恩恵を上記一般産業に広く浸透させることを目標に掲げています。 同社は、世界的なリーディング企業と協力しながらともにインテリジェントサーフェス材料を創り出し、現在可能な保護/検出/接続といった機能を超越(Go beyond)していく事を目指しています。

【講演主旨】
 本講演では低抵抗・透明性・フレキシブル性に優れた透明導電性フィルム技術NANOWEB®をご紹介いたします。従来のITO(あるいはグラフェン、CNT、塗布型のAgナノワイヤ)といった透明導電性材料の代替技術として、これらを凌駕する優れた透過率と導電性を両立してご提供いたします。当材料は1µm以下のナノ幅の金属メッシュからなり、様々な基板に成膜可能(PETなどの柔らかいフィルムorガラスなどの硬い基板にも)。メッシュパターンを制御し、機能や特性も最適化可能です。また、このフィルムをロールの形で大量生産可能にするローリングマスクリソグラフィ(RML®)技術と、各種ご用途(透明アンテナ、5G向け電波反射フィルム、透明EMIシールド、自動車AD/ADAS向け透明ヒーター)をご紹介いたします。従来にない導電性により、これまでできなかった用途がご利用頂けるようになります。

【キーワード】
透明導電性フィルム,フォトリソグラフィ,メタマテリアル,メタサーフェス,透明ヒーター,AD/ADAS,自動運転,5G・6G通信,ミリ波,LiDAR,電気自動車,EMIシールド,電波シールド,電波反射,電波制御,高周波,ナノ技術,機能性フィルム

【講演ポイント】
ナノ幅の金属メッシュによる新しい透明導電性フィルムをご紹介。高い透明度と導電性により、これまでにない用途・機能を実現。5G/6G通信やEMI対策、自動車AD/ADAS用途などに活用できる様子を解説。

【習得できる知識】
最新の透明導電性フィルム技術情報
5G・6G通信向け材料の情報
CASEに向けた自動車・カーエレクトロニクス向け材料情報

【プログラム】
1.透明導電性フィルムNANOWEB®とメーカー企業META社のご紹介

2.ナノ金属メッシュにより実現される導電性と透明性

3.従来の透明導電性材料の課題とナノ金属メッシュ技術

4.ナノ金属メッシュのロールツーロール製造技術:ローリングマスクリソグラフィ技術

5.NANOWEB®により可能となる各種用途
 5-1.5G・6G通信(透明電波反射フィルム)
 5-2.電子機器のEMI対策(透明EMIシールド)
 5-3.自動車AD/ADAS(透明アンテナ 透明ヒーター)

【質疑応答】

セミナー講師

第1部 マクセル(株) 新事業統括本部 機能性材料イノベーション部 第1製品課 課長 技術士(化学部門) 水谷 拓雄 氏
【経歴】
2001年 筑波大学大学院化学研究科修了(修士課程)
2001年 日立マクセル株式会社(現マクセル株式会社)入社
2015年 技術士(化学部門)登録
2022年 マクセル株式会社 新事業統括本部 機能性材料イノベーション部 第1製品課 課長
【著作】
「ナノ粒子塗工液の調整とコーティング技術」(技術情報協会, 2019,共著)
「次世代ディスプレイへの応用に向けた材料、プロセス技術の開発動向」(技術情報協会,2020,共著)
「建築・住宅用高分子材料の要求特性とその開発、性能評価」 (技術情報協会, 2021,共著)

第2部 東洋紡(株) 総合研究所 堅田フイルム技術センター リーダー 多々見 央 氏
【経歴】
2007年 東洋紡株式会社に入社
透明導電性フィルムの開発、量産化に従事
主な技術領域は、表面加工(スパッタリング、薄膜など)である。

第3部 石原ケミカル(株) 第三研究部 部長 博士(理学) 有村 英俊 氏

第4部 コーンズ テクノロジー(株) テクニカルセンター アプリケーションサポートリーダー 川合 紘夢 氏

セミナー受講料

【1名の場合】55,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。


講師のプロフィール

塗料の製造(混合・分散)からコーティング技術を専門としております。材料では、有機・無機材料、透明導電材料、磁性材料などの知見があり、それらを活かした製品の設計開発に関する講演、執筆活動を行っております。

水谷 拓雄

みずたに たくお / 兵庫県 / マクセル株式会社 新事業統括本部

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