★5G市場での本格普及へ向けたLCP特有の課題と解決への取り組みを解説

セミナープログラム

<10:30~14:30>途中、昼休みを含む
1.液晶ポリマーの特性、市場動向、成形加工、フィルム化技術および特許情報からみる技術動向
八角コンサルティンググループ 代表 八角 克夫 氏
総合化学メーカーにて高分子重合触媒の研究開発、高分子フィルムの技術開発および知的財産などを経験
早期退職後、八角コンサルティンググループ創設 現在に至る

【本講座で学べること】
液晶ポリマー(LCP)の内外における市場・用途:特許などの公開情報に基づいて
・LCPの基本的特徴
・LCPの成形加工:特に5G向け材料としてのフィルム成形法の現状と展望

【講座概要】
液晶ポリマー(LCP)は、一般にスーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる分野に属し、高い耐熱性、そして射出成形時における優れた寸法安定性、高い流動性そしてバリなどが発生しにくいことから精密・微細化などを目的とする用途に適している。更に近年、これまでの通信方式と比べ高速・大容量化などの特徴を有する第 5 世代移動通信システム(5G)への適用が始まり、高周波・高速伝達回路による伝達損失を抑えることのできる材料としても LCP は期待されている。しかしながら、5G 向けの用途としてはフィルム化が要求されており、LCP の持つ高い配向性が原因でフィルム加工しにくい欠点を有していた。そこで、各 LCP メーカーは独自の加工技術で、この欠点を克服し、フィルム化とその量産化を試みている。
本セミナーでは、LCP に関する市場動向、基礎的物性、用途、そして特許などの公開情報から最新の成形加工技術や課題を紹介し、さらに将来の展望について幅広く紹介する。特に成形加工技術に関しては5G 向け FCCL 用フィルムの製造を、さらに最後ではBeyond 5G向けの課題などについても紹介する。

1.はじめに

2.世界の液晶ポリマー (LCP) の市場
 2.1 LCPの市場動向
 2.2 市場を支配する中国

3.液晶とは
 3.1 液晶分子の特徴
 3.2 液晶構造の主な種類

4.液晶ポリマーとは
 4.1 ポリマーの特徴
 4.2 液晶ポリマーの種類
  4.2.1 リオトロピック液晶ポリマー
  4.2.2 サーモトロピック液晶ポリマー

5.グローバルLCP市場の主要プレーヤー

6.LCPのモノマー

7.LCPの用途

8.LCPの成形加工
 8.1 リオトロピックLCPの成形方法
 8.2 サーモトロピックLCPの成形方法
  8.2.1 射出成形
  8.2.2 押出成形
  8.2.3 溶液キャスト法

9.5G技術を支えるLCPの動向
 9.1 LCPフィルム市場動向
 9.2 LCPフィルムの現状と課題
 9.3 LCPの特許情報
 9.4 特許情報から見るLCPフィルムの量産化に向けた技術動向
  9.4.1 新規フィルム成形法への挑戦
  1)多層Tダイの交差成形
  2)磁場をかける製膜方法
  3)ラミネート成形した後、延伸成形
  4)インフレーション成形の各取り組み
  5)溶液キャストフィルム成形
  9.4.2 LCPフィルムを使った FCCLとFPCの製造技術

10.LCPの今後の展望

11.Beyond 5Gに向けた最新のLCP 情報

12.おわりに

【質疑応答】


<14:45~16:15>
2.液晶ポリマーなどの高周波プリント基板上へのめっき法による配線形成技術
関東学院大学 小岩 一郎 氏

【本講座で学べること】
・液晶ポリマーへの湿式処理と紫外線処理
・低粗度での高密着力創生方法
・パターニングの可能性
・無電解ニッケルーリンめっき
・無電解銅めっき

【講座概要】
5G以降は、表皮効果のため、低粗度で高密着力を実現する必要がある。特に、液晶ポリマー(LCP)は注目されている低誘電率、低誘電正接を有する基板樹脂である。そのLCPの処理には溶液を用いる湿式法と紫外線などを用いる方法がある。本講座では、過マンガン酸カリウムを用いる湿式法と紫外線照射法を解説する。過マンガン酸カリウムを用いる湿式法は新規に開発した弱酸性過マンガン酸カリウム処理と無電解銅めっきを解説する。紫外線処理では無電解ニッケルーリン下地について解説する。

1.湿式法前処理による液晶ポリマー(LCP)への銅めっき
 1.1 緒言
 1.2 実験方法
 1.3 実験結果および考察
  1.3.1 めっきの析出性
  1.3.2 めっき皮膜の密着強度および表面形態
  1.3.3 断面SEM観察
  1.3.4 LCP表面改質の解析
 1.4 結言

2.表面平滑性を有した液晶ポリマー(LCP)とポニフェニレンスルファイド(PPS)基板上に紫外線照射を用いた無電解Ni-Pの選択析出と密着力の評価
 2.1 緒言
 2.2 実験方法
 2.3 結果と考察
  2.3.1 紫外照射によるパターニング
  2.3.2 平滑樹脂表面での十分な密着力の確保
  1)前処理が密着力に与える影響
  2)めっき浴条件が密着力に与える影響
  3)微細パターンの形成
  2.3.3 レーザー顕微鏡による観察
 2.4 結論

【質疑応答】

セミナー講師

1. 八角コンサルティンググループ 代表 八角 克夫 氏
2. 関東学院大学 理工学部 理工学科 表面工学学系 教授 工学博士 小岩 一郎 氏

セミナー受講料

1名につき55,000円(消費税込・資料付き) 
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき49,500円(税込)〕

受講について

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講師のプロフィール

化学技術・知的財産・情報の3つの柱のプロとして、お客様の課題解決や将来へ向けての提案をしていきたいと考えております。

八角 克夫

やすみ かつお / 千葉県 / 八角コンサルティンググループ

2019年5月に開業いたしました。
総合化学メーカ―にて高分子や触媒研究をはじめとして、調査や知的財産も長年行ってきたため、知的財産に関する視点を取り入れたコンサルタントが出来ると考えております。
また、若手技術者へ...続きを読む

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