ナノインプリントによる微細加工技術、装置の設計および光学材料への適用
★ナノインプリント技術の基礎から様々な分野への応用を紹介し、メタサーフェスやAR/MRグラス等への検討についても概説!
★直押し方式の微細転写装置に加え、大面積化・高スループット化へのアプローチとして注目されているRoll to Roll方式の装置開発状況について説明!
★デバイスへの適用例として、LEDの高輝度化、ウエハレベルレンズ、大面積 (G2 (370×470mm) ) サイズのWGP (ワイヤーグリッド偏光子) について解説!
★ロールツーロールによるモスアイフィルムの連続賦形技術および光学特性について解説!
セミナープログラム
【第1講】 ナノインプリント技術の基礎と将来
【時間】 13:00-14:00
【講師】東京理科大学 先進工学部 教授 谷口 淳 氏
【講演主旨】
ナノインプリント技術は、ナノオーダーの金型転写技術であり、簡単な原理でナノパターンが得られる利点がある。また、現在でも半導体用リソグラフィへの適用が模索されており、連続生産が可能なロールトゥロールでのフィルムへのナノ構造転写なども可能となっている。本講義では、ナノインプリント技術の基礎から様々な分野への応用を紹介し、将来展望もおこなう。将来展望としては、メタサーフェスやAR/MRグラス等への検討が世界的に始まっており、現在注目されている。これらの技術についても状況と展望を概説する。
【プログラム】
1.ナノインプリントの基礎
1-1 ナノインプリントの歴史
1-2 ナノインプリントの要素技術
1-3 ナノインプリントの各種方式
1-4 ナノインプリントの位置づけ
2. ナノインプリント派生技術
2-1 ナノトランスファープロセス
2-2 金属パターン転写
2-3 ロールナノインプリント
3. 将来展望
3-1 メタサーフェス
3-2 AR/MR グラス
4.まとめ
【質疑応答】
【キーワード】
ナノインプリント、ロールトゥロール、ナノ構造、メタサーフェス、ARグラス、MRグラス
【講演のポイント】
講演者は、ナノインプリントの基本要素である金型作製、転写装置作製、転写品の評価を長年行ってきた。また、転写品の機能設計・開発、新規ナノインプリントプロセス開発など応用研究も長年行ってきた。
【習得できる知識】
ナノインプリント技術の基礎知識
ナノインプリント技術を用いてどのように応用していけばよいかの方針などがわかる。
【第2講】 ナノインプリント装置の設計と光学材料への適用例
【時間】 14:05-15:40
【講師】芝浦機械株式会社 執行役員 R&Dセンター 研究開発部 部長 小久保 光典 氏
【講演主旨】
低コスト微細構造形成技術である、ナノインプリント成形技術の概要について紹介するとともに、超精密加工機による金型加工にも触れる。
ナノインプリント装置に関しては直押し方式の微細転写装置に加え、大面積化・高スループット化へのアプローチとして注目されているRoll to Roll方式の装置開発状況について説明し、デバイスへの適用例として、LEDの高輝度化、ウエハレベルレンズ、大面積 (G2 (370×470mm) ) サイズのWGP (ワイヤーグリッド偏光子) について解説する。
【プログラム】
1.芝浦機械株式会社の紹介
2.ナノインプリントプロセス
2.1 ナノインプリントプロセスの概要と特徴
2.2 ナノインプリントプロセス適用デバイス例
2.3 ナノインプリント装置構成と特徴
3.ナノインプリント装置と転写事例の紹介
3.1 直押し方式ナノインプリント装置 ST series
3.2 Roll to Roll方式UVナノインプリント装置 RT series
4.ナノインプリント手法を用いたデバイス適用例の紹介
4.1 LED
4.1.1 プロセス説明
4.1.2 Roll to Roll方式UVナノインプリント装置 RT seriesによるフィルムモールド作製
4.1.3 高輝度LED専用ナノインプリント装置 ST50S-LED
4.2 WLL(Wafer Level Lens ウエハレベルレンズ)
4.2.1 プロセス説明
4.2.2 機械加工およびStep & Repeat方式ナノインプリントによるマイクロレンズアレイモールド製作
4.2.3 WLL専用ナノインプリント装置 ST01S-WL
4.3 ワイヤーグリッド偏光子(大面積転写)
4.3.1 プロセス説明
4.3.2 インクジェットレジスト塗工による大面積(G2(370×470mm))サイズのWGP作製(残膜(RLT:Residual Layer Thickness)目標50nm以下への挑戦
4.3.3 G2(370×470mm)サイズWGP転写用Roll to Plate(RtP)装置 ST(G2)-RtP
【質疑応答】
【キーワード】
ナノインプリント,LED,深紫外LED,ウエハレベルレンズ,WLL,ワイヤーグリッド偏光子,Wire Grid Polarizer,大面積インプリント,Roll to Roll,Roll to Sheet,Roll to Plate
【講演ポイント】
●講演内容について
「講演主旨」参照ですが,LEDの高輝度化,ウエハレベルレンズの製作,大面積 (G2 (370×470mm) ) サイズのWire Grid Polarizer (ワイヤーグリッド偏光子)といった実際のデバイスに適用した発表事例は非常に少ないと思います。
●講演者について
各デバイス対応の装置に関して,装置仕様策定,設計,製造およびテスト成形に関して,実際携わってきましたので,困難な点や気にしなければならない点についての紹介をさせていただきます。
【習得できる知識】
ナノインプリント手法を様々なデバイス作製,様々な箇所へ適用することに関しての問題点,注意点に加え,判断基準なども紹介いたします。
【第3講】 蛾の眼を模倣した高性能反射防止フィルムの開発
【時間】 15:45-17:00
【講師】三菱ケミカル株式会社 R&D フェロー 魚津 吉弘 氏
【講演主旨】
モスアイ型反射防止フィルムは蛾の目を模倣したバイオミメティクス材料であり、表面に微小突起構造を形成したフィルムである。その特徴は可視光全波長域での反射を防止すること並びに角度依存性が少ないことがあげられる。その構造の作製はナノインプリントによって行われ、そのナノインプリントの金型は従来リソグラフィなどのトップダウンの方式で作製されており、小面積でしかも大変高価な金型が用いられていた。本講のポイントは安価に大面積で作製が可能な、アルミニウムを陽極酸化する際に自己組織的に形成されるアルミナナノホールアレイを活用したことである。大面積でしかも曲面にも形成できるという特徴を活かし、大型ロール金型を作製し、ロールツーロールによるモスアイフィルムの連続賦形技術を確立した。
【プログラム】
1.従来の反射防止フィルム
2.モスアイ構造と従来の製造技術
3.ポーラスアルミナを用いたモスアイ金型とナノインプリントによるモスアイ構造の作製技術
4.モスアイ型反射防止フィルムの光学特性
5.モスアイ型反射防止フィルムのその他の特性
【質疑応答】
【キーワード】
バイオミメティクス、蛾の眼(モスアイ)、反射防止、ナノインプリント、自己組織化、ロールツーロール
【講演ポイント】
本技術内容は、バイオミメティクス、ナノインプリント、自己組織化といった最先端の技術を融合した結果構築できたもある。
一つ一つの技術領域自体も非常に興味深いものではあるが、それらの技術をどのように融合してきたかも関心を持っていただけるものかと思います。自己組織化の研究から、本技術の構築に結び付けた道筋なども開設できればと考えてる。
【習得できる知識】
〇バイオミメティクスの動向
〇ナノインプリント技術
〇自己組織化(ボトムアッププロセス)
〇モスアイフィルムの適用領域
セミナー講師
- 第1部 東京理科大学 先進工学部 教授 谷口 淳 氏
- 第2部 芝浦機械株式会社 執行役員 R&Dセンター 研究開発部 部長 小久保 光典 氏
- 第3部 三菱ケミカル株式会社 R&D フェロー 魚津 吉弘 氏
セミナー受講料
【1名の場合】44,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。