【中止】GX実現に向けて注目集まる!?国内外の地熱発電の最新動向と今後の事業戦略
世界的にGX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けて様々な施策がとられる中で、地熱発電の位置づけはどう変わっていくのだろうか?地熱発電における日本と世界の最新動向と日本企業のとるべき事業戦略について解説する。
日時
【会場受講】 2023年7月27日(木) 13:00~16:30
【アーカイブ受講】 2023年8月17日(木) から配信予定(視聴期間:配信から10営業日後まで)
セミナー趣旨
2021年4月には、小泉環境相が地熱発電開発の期間短縮を表明し、2021年6月には、2030年度に現在の2倍を超える148万キロワットへと地熱発電を拡大する目標を掲げた。2019年5月に、Jパワー、三菱マテリアル、三菱ガス化学による、日本国内においては23年ぶりとなる1万キロワットを超える大型の山葵沢地熱発電所が稼働を開始し、再生可能エネルギー源の多様化と、国産エネルギーの拡大、出力が24時間安定し、ベースロード電源として利用でき、発電コストが安価な地熱発電に、政府は一段と力を入れている。2023年には、日本政府の支援を受けて、INPEXがインドネシアにおける地熱発電の新規建設と拡張投資を行う。
地熱発電の優れた特徴は、第1に地球内部に蓄積されたエネルギーであることから、資源枯渇がなく、再生可能なエネルギーであること。第2に燃焼によるエネルギー採取ではないことから、炭酸ガス排出量がライフ・サイクルで見て極めて少ないこと。第3に太陽光発電、風力発電をはじめとした太陽エネルギーに由来する共通の大きな弱点である天候、時間、季節による出力変動がないこと。第4にエネルギー密度が高いことから、小さな面積で大きな出力を得られること。第5に発電技術が確立しており、発電コストも一般火力発電と競争できる段階にあるものの、普及のために、2023年度以降も高値による買い取りが維持されること。等が挙げられる。特に、日本のように火山が多い国では、地熱発電の資源量は多く、米国、インドネシアに次いで、地下の浅い部分で世界第3位の2,347万キロワットという原子力発電所23基分のポテンシャリティーを持っている。しかし、日本は発電容量約60万キロワット、世界第10位の地熱発電設備を持っている状況にとどまっている。その理由は、1.地熱資源の8割が国立公園、温泉地帯にあり、制度的、環境的な規制が厳しかったこと、2.地熱資源の探鉱リスクが大きいこと、3.15年程度の開発のリード・タイムが必要なこと、等が挙げられる。しかし、2030年度における温室効果ガス排出46%削減の目標実現に向けて、環境省が国立公園における地熱発電の規制緩和を行い、地熱開発におけるJOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)による、地熱資源探査、出資、債務保証等の支援強化も加わり、2023年度から海外の地熱発電の探査事業への出資にも拡大し、地熱発電ビジネスへの優遇策を一段と強化している。日本は、2050年に1,200万キロワットという地熱発電の目標を掲げ、2020年度から、JOGMECが初期調査、開発段階の支援制度を拡充している。
世界においても、日本企業が参画して、地熱資源の豊富な米国、フィリピン、インドネシア、ニュージーランド、ケニア等のアフリカ諸国、メキシコ等の中南米諸国において地熱発電開発の動きが拡大されている。世界においては2022年末時点において1,585万キロワットを超える地熱発電所が稼動し、2050年には世界の地熱発電能力は2億キロワットに達することが見込まれている。特に、中国企業に市場を席捲された太陽光発電の場合と異なり、地熱発電は、地熱資源の開発、重金属に耐える蒸気タービン、発電機をはじめとしたモノづくりの製造ノウハウについて、日本の東芝、三菱重工業、富士電機の3社が、世界シェアの7割を占めており、日本企業が優位性を持つ分野である。地熱発電における日本と世界の最新動向と脱炭素への日本企業のとるべき事業戦略について分かりやすく解説する。
セミナープログラム
2.地熱資源と地熱発電の現状-日本のGX基本方針と国産エネルギー
3.地熱発電の優位性と課題-初期調査と開発期間短縮へのJOGMEC支援
4.地熱資源の日本と世界における開発の最新動向と今後の可能性
5.地熱資源開発技術の最新動向-探査技術の革新と掘削コストの削減
6.日本における地熱資源の資源量と可能性-高温岩体発電、超臨界地熱発電
7.世界における地熱資源の資源量と可能性-環太平洋とアフリカ諸国
8.日本における地熱発電の現状と今後の可能性と政策-開発期間の短縮
9.日本における地熱発電に係わる規制緩和の最新動向と今後の開発支援
10.世界における地熱発電の現状と今後の可能性-アフリカ開発の動き
11.日本における地熱発電のビジネス・チャンス-政府による技術、資金支援
12.アジアにおける地熱発電を取り巻くビジネス・チャンス-総合商社、重電
13.米国、中南米における地熱発電のビジネス・チャンス
14.日本と世界における地熱発電の今後の市場規模と可能性-アジア市場
15.地熱発電に係わる地下水処理ビジネスの可能性-重金属処理技術
16.地熱発電によるグリーン水素生産の今後の可能性-大林組、シェブロン
17.地熱発電における日本企業の優位性-中国企業、韓国企業との競争
18.日本企業の日本と海外でのビジネス展開における留意点-地熱探査と経済性
19.地熱発電に係わる地下水処理ビジネスの可能性-重金属処理技術
20.地熱発電ビジネスにおける日本企業の最適な経営戦略
□ 質疑応答 □
セミナー講師
1981年東京大学法学部卒業
東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行
東京銀行本店営業第2部部長代理(エネルギー融資、経済産業省担当)
東京三菱銀行本店産業調査部部長代理(エネルギー調査担当)
出向:石油公団企画調査部:現在は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(資源エネルギー・チーフ・エコノミスト)
出向:日本格付研究所(チーフ・アナリスト:ソブリン、資源エネルギー担当)
2003年から現職
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