スケールアップ・ダウン検討、失敗例/解決(対処)法と実験計画法による効率的なデータ収集≪効率的な実験計画の立て方、必要なデータの集め方≫【オンデマンド配信】

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開催日 オンデマンド
主催者 サイエンス&テクノロジー株式会社
キーワード 医薬品技術   化学反応・プロセス   実験計画法一般
開催エリア 全国

スケールアップ前提の実験計画の考え方、データの取得法、活用法

 ​​実際に経験した事例(失敗例)を参考に、、、「各開発段階で行う実験の注意点」、「実際のスケールアップ製造で遭遇した問題点」をどのように対処、解決したか?解説するまた、そこから得られた知見をもとに効率的な実験計画の立て方、必要なデータの集め方を説明する

日時

2023年11月29日(水)  まで申込受付中  /視聴時間:4時間59分【収録日:2023年4月24日】視聴期間:主催者でお申込み受付後、10営業日(期間中は何度でも視聴可)

セミナー講師

(株)三和ケミファ 医薬品事業部 統括本部長 薬学博士 丸橋 和夫 氏 [元 大鵬薬品工業(株) 合成技術研究所 所長]
 
【略歴】1979年 和光純薬工業株式会社 入社、東京研究所 主席研究員1983年 薬学博士 (岐阜薬科大学)1991年 大鵬薬品工業株式会社 入社、工業化技術研究所・所長、合成技術研究所・所長2007年 三菱商事株式会社 入社、先端化学品本部・技術顧問   (兼) 常熟力菱精細化工有限公司 (中国・常熟市) ・研開部本部長2008年 (株) エースジャパン入社 常務取締役 山形工場長2015年 (株) 三和ケミファ入社2016年 個人事業主登録、数社のアドバイザー業務も兼務、現在に至る

セミナー受講料

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※テレワーク応援キャンペーン(1名受講)【Live配信/WEBセミナー受講限定】1名申込みの場合:40,150円 ( E-Mail案内登録価格 38,170円 )※WEBセミナーには「アーカイブとオンデマンド」が含まれます。※1名様でお申込み場合、キャンペーン価格が自動適用になります。※他の割引は併用できません。

受講について

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配布資料

  • PDFテキスト(印刷可・編集不可)

セミナー趣旨

 実験計画法は「実験の計画」と実験により得られたデータの「解析方法」の二つから構成される。実験の計画とは「目的に応じてどのような実験を行えばよいか?」あるいは「どうすればデータを効率的に集めることができるか?」と言える。原薬、中間体、化学品のスケールアップ製造は開発過程で絶対に避けられない部分であり、開発初期では合成プロセス、出発原料の変更のような大幅な変更も可能であるが、開発が進むにつれ変更は困難となり、逆に設定したパラメータの不足、不都合部分が明らかになってくる。特に製品の品質を決定する精製(晶析)工程は最も注意が必要な部分である。 本セミナーでは実際に経験した事例(失敗例)を参考に各開発段階で行う実験の注意点、実際のスケールアップ製造で遭遇した問題点をどのように対処、解決したかを説明し、更にそこから得られた知見をもとに効率的な実験計画の立て方、必要なデータの集め方を説明する。

セミナープログラム

1.医薬品(原薬)の開発とスケールアップ(基本的な考え方)2.スケールとスケールアップの相違点  ・小スケールとスケールアップのパラメータの比較と考え方、設定法3.合成法、合成ルートの設定、考え方、注意点(ICH M7、化審法、その他)4.スケールアップ実験するためのチェックポイント、考え方と原料、中間体の評価項目(安全性、安定性、結晶多形、溶媒和他)とその対応策5.スケールアップでの問題点(実際の経験から)と対応策【1】開発初期(実験室~20Lスケール)の事例●転位反応: 1gから10gにスケールアップしたら転位反応が原因で目的物が得られなくなった。 (反応機構の理解)●アスコルビン酸硫酸エステル誘導体の製造: 1gスケールでは目的物が合成できたが、10gスケールでは合成不可の結果となった。 (中間体の安定性)●カラム分離工程の回避: 前臨床試験に進むことが決まり、カラム分離工程回避の必要性が出てきた。  (結晶性誘導体)●ピリジン・無水硫酸錯体(硫酸エステル化剤)の合成: 吸湿性が原因で目的物が得られないと判断したが、逆に吸湿性を利用することで大量生産可能な方法を見出した。 (目的物の物性の理解)●ペントキシフィリン中間体の製法検討: 文献を参考に実験を進めたが目的物は得られず、実験結果に基づいて検討を進めたところ、簡単な製法にたどり着いた。 (反応の理解)●抗生物質の側鎖の製造: 新合成法を考案し、特許出願までしたが、中間体に安全性の問題あることがわかり、検討中止。 (安定性は変えられない)●五塩化リンによるクロル化プロセス: 溶媒を変更したら反応が進まなくなった。 (結晶多形の影響?)●アルキルホルムイミデート類の合成: 青酸ガスを使用しなければならない。 (反応の理解)●エステルの選択(アミノチアゾール誘導体): メチルエステル、エチルエステルの比較実験をして相違点(物性)を確認、合理的な合成法に至った。●その他【2】パイロット試作(100~500Lスケール)での事例●ジクロルアセトニトリルの製造: 設備の性能を安易に考えて刺激性のミストが噴出した。 (反応の理解)●アミノチアジアゾール誘導体の製造: 設備の性能を安易に考えてオーバー反応してしまった。 (反応後の安定性確認)●塩酸ペンタゾシンの中間体の製造: スケールアップして中間体を大量合成したら分解してしまった。 (中間体の物性は変えられない)●アミノチアゾール酢酸誘導体の製造: 再結晶プロセスをスケールアップしたら目的物が得られなくなった。 (必ず原因がある)●臭素化プロセスのスケールアップ: パイロットにスケールアップしたところ、反応開始を確認できず、大きなトラブルに陥りそうになった。 対処法を検討した結果、合理的かつ安全なプロセス開発に至った。●撹拌速度の影響: アセトン/炭酸カリウム系でのアルキル化反応。 (不均一反応の考え方)●結晶多形の同等性:外部委託したら結晶形で同等性の問題が発生。 (規格設定の重要性)●その他【3】パイロットから商用生産(2000Lスケール以上)での事例●微量の添加剤の影響: 2工程先の抽出・分液工程で問題(エマルジョン)発生。 (微量の添加剤の影響、原料のロット管理)●Phase III試験後の製法変更: 爆発性の中間体を経由するためスケールアップ製造できずPhaseIII試験が終わってしまった。 (反応の仕組みの理解)●目標規格の原料が手に入らない: 商用生産に入ろうとしたら原料が入手できなくなった。 (原料調査の重要性)●設備変更して反応の本来の姿がわかった: パイロットまでGL、商用生産でSUSに切り替えたところ錆が発生。 (原料中の強熱残分の影響)●アミノチアゾール酢酸製造のスケールアップ: パイロットまでは問題なかったが、商用生産で乾燥機の選択を誤った。 (安定型と準安定型)●キャンペーン生産: スポット生産では問題なかったエステル交換反応を、キャンペーン生産に切り替えたところエステル交換反応が進まなくなった。 (種晶の影響)●溶媒回収できる条件でプロセスを設計: 溶媒回収しないと採算が合わなくなった。 (発想の転換)●残留溶媒の規格: 商用生産に移行しようとしたら残留溶媒の問題発生。 (溶媒和物)●出発原料の製法に伴う問題 (製法に伴う異性体混入の可能性)【4】商用生産開始後の事例(数千Lスケール)●収量低下の逸脱: 原料の溶解時間の影響 (原料と溶媒の相互作用)●技術移転: 季節の影響まで考えていなかった。 (湿度の影響)●原料の純度をアップ: 高純度の原料に切り替えた途端に逸脱 (不純物除去の仕組み)●乾燥時間の管理: 順調に商用生産がスタートしたが、突然製品の乾燥時間が2倍(10時間→20時間)になった。 (水和物の考え方)【5】最終精製工程のスケールアップと注意点●精製溶媒の選択の重要性 ・溶解、晶析プロセスで異性化 ・歩留まりへの影響 (マレイン酸塩化のプロセス) ・乾燥工程への影響(水和物副生の影響) ・難溶性原薬、中間体の精製 ・貧溶媒を加えて晶析 ・精製工程で水を使用する場合 ・原薬の乾燥プロセスで新たな残留溶媒が副生! ●空気(酸素、水分)の影響 ・溶解、脱色濾過、晶析中に過酸化物が副生 ・固液分離~乾燥過程で結晶形が変化 ・微量に副生した溶媒和物の影響)●環境の影響 ・遠心分離機の脱水袋、 ・異物混入の瞬間 ・フィルターの材質●包材(一次包材、二次包材)の影響 ・包材中の微量の添加物の影響(オキソン酸カリウム) ・包材の品質(結束帯の例)●粉砕機器の管理 ・洗浄手順(SOP)の書き方●その他6.まとめ実験計画法による効率的なデータ収集  (1)スケールアップを前提とした実験計画の考え方  (2)スケールアップ前提の実験計画の考え方、データの取得法、活用法(事例を参考に)    ・事例1:プロセスの短縮/ 7日近くかかるプロセス(反応→抽出→濃縮→晶析→乾燥)を2日に短縮    ・事例2:過酸化水素水による酸化反応(危険性回避)    ・事例3:結晶多形のスクリーニング