FCCL(フレキシブル銅張積層板)用途に向けた高分子フィルムの開発動向および金属との接着技術
ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)が5G/6G通信に今後どう活用されていくのか。
また難接着材料であるこれらのポリマー材料と銅箔との接着技術やプラズマ処理プロセスについても解説する!
※オンライン会議アプリZoomを使ったWEBセミナーです。ご自宅や職場のノートPCで受講できます。
セミナー趣旨
【第1部】
フレキシブル銅被覆積層体(FCCL)は、ポリイミドフィルムや液晶ポリマーフィルムなどの絶縁材料の片面または両面に銅箔を接着して形成させた銅被覆のフィルムをいう。FCCLは、電子技術の急速な発展、特に昨今の5G技術の発展により、携帯電話等の高速通信を支える重要な材料であり、その生産量も益々伸びていくと予想されている。
こうした背景のもと、FCCLを取り巻く素材メーカーの取り組みも極めて活発であり、銅箔に各素材メーカーの持つ高分子フィルムを接着させた独自のFCCL開発が進んでいる。
本セミナーでは、FCCLの特許動向をベースに、FCCLで使用されている高分子フィルム技術、さらに銅箔との接合技術などについて解析をした結果を紹介する。
【第2部】
5Gの実用化,IoTや無人化自動車運転時代の中,無線通信機器の周辺基板材料にも変革が求められている。自動運転向けミリ波レーダーや人工衛星の太陽電池パネル等の未来のネットワークシステムを,銅箔基板における絶縁フイルムを変更することにより低ノイズ,低消費電力及び,電池寿命の増加を実現しようとしている。
本テーマはその絶縁フイルム候補の液晶ポリマーのフイルム化技術について紹介弊社の溶液キャスト法によりLCPフイルムの課題の一つ配向性(縦横の強度の違い)の無いフイルムの生産が可能である。この技術を使用したFCCLは表面処理無しでも銅箔との高い密着性が得られる。
ご参加される皆様には、主に以下の内容を理解できるようにわかりやすく解説する。
・LCPの材料としての特徴に関する知識
・LCPの成膜方法に関する知識
・LCPを使用したFCCLに関する知識
【第3部】
(株)電子技研では、プラズマを用いた各種材料の表面改質技術を開発しており、独自の官能基付与技術(弊社特許技術)により、難接着材料が非粗化・接着剤レスで直接接着する技術、接着剤使用時の接着強度を高める表面処理技術を開発した。B5G/6G回路基板には低誘電樹脂使用及び平滑な界面で銅回路を形成する必要があが、低誘電樹脂は接着性に乏しく、投錨効果や接着剤に用いず密着性を確保する技術は確立されていない。弊社では、減圧プラズマを用いた表面改質により基材表面に強固に結合した官能基(-NH基)を形成することにより、低誘電樹脂を非粗化・接着剤レスでの直接銅めっきおよび銅箔/低誘電樹脂を直接接着する技術及び表面処理装置を開発した。この技術・装置を用いれば、77GHz以上でのB5G/6Gに活用できる多層フレキシブル基板作成が可能になる。また、高密度実装で処理速度を向上させるための次世代半導体パッケージ(パッケージ基板)が注目され始めている。基材としてはガラスが有望であるが、ガラスへの銅めっきはプライマー等種々の方法が検討されているが、信頼性を含め方法は確立できていない。ガラス基板への直接銅めっきにも弊社表面改質技術で実現できている。本講演では、本表面改質の原理から実例及び信頼性までを解説し、各企業の今後のビジネス戦略を立てて行く為の参考情報を提供します。
受講対象・レベル
実装材料、電子部品、通信機器、自動車部品メーカーなどの研究者・開発者・技術者。
セミナープログラム
-----【第1部】10:30~12:00-----
「特許から見たFCCL用高分子材料の最近の動向および今後の展望」
八角コンサルティンググループ 八角 克夫 氏
1.FPC用FCCL
(1) FPC用FCCLの市場
(2) FCCLの製法
(3)2層FCCLと3層FCCL
2.特許から見たFCCL用高分子フィルムの現状と課題
(1) 業界のFCCL用高分子フィルム特許動向
(2) 各メーカーの特許動向
(3) FCCL用高分子フィルムとその特徴
(4) 特許から見る課題
3.特許から見るFCCL用接着技術の動向
(1) FCCL用接着技術の動向
(2) 主要メーカーから見る銅箔との接着技術の紹介
4.今後の展望
≪質疑応答≫
-----【第2部】13:00~14:30 -----
「LCP フィルムの作製および銅箔と直接接着したFCCL の製造」(仮題)
共同技研化学(株) 大曲 祥太 氏
1.はじめに
2.液晶ポリマーについて
3.求められるFPC基板材料について
4.液晶ポリマーフイルムの特性について
5.液晶ポリマーの成膜(フィルム化)技術
6.液晶ポリマーフイルム、銅箔積層体(FCCL)の開発について
7.新規技術の特性と展望について
≪質疑応答≫
-----【第3部】14:45~16:15-----
「B5G/6Gおよびパッケージ基板向けプラズマ表面改質による難接着材料の直接接合」
(株)電子技研 古川 勝紀 氏
1.(株)電子技研の会社紹介
2.技術課題
3.プラズマを用いた表面改質による接着原理および状態評価
4.表面改質を用いた直接めっき、直接接着技術原理
5.表面改質を用いた直接めっき
(1) 低誘電率樹脂(フッ素、LCP、PPE)への直接銅めっき
(2) ガラスへの直接銅めっき(パッケージ基板対応)
(3) ビア、スルーホールへの高密着直接銅めっき
6.表面改質を用いた接着剤レス直接接着技術
(1) 低誘電率樹脂と金属(Cu)、低誘電率樹脂との直接接着
(2) 直接接着の応用
(3) コア材(PI)を用いた多層膜の直接接着
7.封止樹脂・接着剤の接着強度改善技術
(1) 接着剤の接着強度改善(Cu/エポキシ系接着剤)
(2) 異種材料の密着 (金、セラミックスとシリコーン接着剤の密着強度up)
(3) 高耐熱封止樹脂の密着性改善
8.応用技術(粉体材料への応用)
≪質疑応答≫
スケジュール:
10:30~12:00 第1部
12:00~13:00 昼食休憩
13:00~14:30 第2部
14:30~14:45 休憩
14:45~16:15 第3部
※進行上、多少前後する可能性がございます。
※ご質問はチャットか音声でお受けします。
キーワード:
FCCL,フレキシブル,実装,基板,FPC,プラスチック,樹脂,銅箔,講座,研修
セミナー講師
【第1部】八角コンサルティンググループ 代表 八角 克夫 氏
※(一社)技術知財経営支援センター 副代表理事
【第2部】共同技研化学(株) 技術課 大曲 祥太 氏
【第3部】(株)電子技研 開発事業責任者 開発部 部長 古川 勝紀 氏
《専門》
化合物半導体デバイス、解析及び分析技術、表面改質及び接着接合技術
《略歴》
1981年3月 大阪府立大学大学院 工学研究科 修了
1981年4月 シャープ(株) 入社
1917年2月 シャープ(株) 退社
同年2月 (株)電子技研 入社
現在に至る
セミナー受講料
55,000円(税込、資料付)
■ セミナー主催者からの会員登録をしていただいた場合、1名で申込の場合44,000円、
2名同時申込の場合計55,000円(2人目無料:1名あたり27,500円)で受講できます。
(セミナーのお申し込みと同時に会員登録をさせていただきますので、
今回の受講料から会員価格を適用いたします。)
※ 会員登録とは
ご登録いただきますと、セミナーや書籍などの商品をご案内させていただきます。
すべて無料で年会費・更新料・登録費は一切かかりません。
メールまたは郵送でのご案内となります。
郵送での案内をご希望の方は、備考欄に【郵送案内希望】とご記入ください。
受講について
Zoomを使ったWEB配信セミナー受講の手順
- Zoomを使用されたことがない方は、こちらからミーティング用Zoomクライアントをダウンロードしてください。ダウンロードできない方はブラウザ版でも受講可能です。
- セミナー前日までに必ず動作確認をお願いします。
- 開催日直前にWEBセミナーへの招待メールをお送りいたします。当日のセミナー開始10分前までに招待メールに記載されている視聴用URLよりWEB配信セミナーにご参加ください。
- セミナー資料は開催前日までにお送りいたします。
- 無断転載、二次利用や講義の録音、録画などの行為を固く禁じます。
講師のプロフィール
化学技術・知的財産・情報の3つの柱のプロとして、お客様の課題解決や将来へ向けての提案をしていきたいと考えております。
八角 克夫
やすみ かつお / 千葉県 / 八角コンサルティンググループ
2019年5月に開業いたしました。
総合化学メーカ―にて高分子や触媒研究をはじめとして、調査や知的財産も長年行ってきたため、知的財産に関する視点を取り入れたコンサルタントが出来ると考えております。
また、若手技術者へ...続きを読む