新しいパワーデバイス材料: 二酸化ゲルマニウム(GeO2)の 特徴と可能性 ~材料の特徴から製膜手法、今後の展開について~

24,200 円(税込)

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開催日 13:00 ~ 15:00 
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主催者 株式会社 情報機構
キーワード 半導体技術   電子デバイス・部品   薄膜、表面、界面技術
開催エリア 全国
開催場所 お好きな場所で受講が可能

大きな可能性を秘めた新しいパワー半導体材料である二酸化ゲルマニウム(GeO2)の特徴および、注目を集め始めた理由、社会実装の可能性についてお話します。

セミナー講師

 立命館大学 総合科学技術研究機構 教授    金子 健太郎 氏

■ご略歴2013年 京都大学大学院工学研究科電子工学専攻博士課程修了              博士(工学) 日本学術振興会特別研究員(PD)2014年 京都大学大学院工学研究科 助教2018年 同 講師2022年 立命館大学 総合科学技術研究機構 教授 現在に至る2023年 立命館大学 RARAフェロー 就任■ご専門および得意な分野・ご研究新しい半導体材料の開拓と合成、その応用研究■本テーマ関連学協会でのご活動2018年 - 現在IEEE CPMT Symposium Japan (ICSJ) 運営委員、査読委員 パワーデバイスセッション責任者2021年 - 現在 エレクトロニクス実装学会関西支部 役員 2019年 - 現在日本結晶成長学会 ナノ構造・エピタキシャル成長分科会 幹事 2018年 - 現在 日本材料学会 第67期 編集委員会 査読委員 2022年 - 2023年 応用物理学会 代議員 2021年 - 2022年 日本材料学会 半導体エレクトロニクス部門 編集担当委員 2020年 - 2023年 第4回酸化ガリウムおよび関連材料に関する国際ワークショップ(IWGO-4) 財務 2019年 - 2021年  電子材料シンポジウム(EMS) 現地実行委員 2019年 - 2021年 応用物理学会 関西支部 幹事 2019年 - 2021年日 本材料学会 半導体エレクトロニクス部門 編集副担当委員 2016年 - 2019年 有機金属気相成長法国際学会 ICMOVPE -二酸化ゲルマニウム 現地実行委員 2014年 - 2015年 第1回酸化ガリウムおよび関連材料に関する国際ワークショップ(IWGO2015) 財務2014年 テラヘルツプラズマ国際学会2014 現地実行委員、会計

セミナー受講料

1名24,200円(税込(消費税10%)、資料付)*1社2名以上同時申込の場合、1名につき13,200円*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。

受講について

  • 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。(開催1週前~前日までには送付致します)※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。)
  • 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
  • Zoomを使用したオンラインセミナーです→環境の確認についてこちらからご確認ください

セミナー趣旨

  大きな可能性を秘めた新しいパワー半導体材料である二酸化ゲルマニウム(GeO2)の特徴および、注目を集め始めた理由、社会実装の可能性についてお話します。GeO2は古くて新しい半導体で、熟練の半導体研究者・技術者の方はGe半導体基板の表面に形成する自然酸化膜を思い浮かべる方も多いと思います。しかし、Ge表面に形成する酸化膜はアモルファス相のものですが、当研究室が注目しているのTiO2等と同じルチル構造をもつ二酸化ゲルマニウム(r- GeO2)です。r- GeO2は熱的最安定相で、水に不溶で強固な薄膜となります。  β-Ga2O3と同等の巨大なバンドギャップ(4.6 eV)をもつ超ワイドギャップ半導体で、パワー半導体の性能指標の一つであるバリガ性能指数においてもSiCの10倍、 β-Ga2O3の約3倍の性能をもつことが算出されています。2019年頃よりパワーデバイスとして優れた性能をもつことが米国を中心に理論予測され始めました。具体的には、ドーピングによるp型とn型の導電性制御が可能である事、電子、正孔ともに高い移動度を有している事です。そして1970年代より様々な機関からCZ法、Flux法によるバルク合成が報告されていました。つまり、ホモエピタキシャル成長が可能でp型、n型の両伝導が可能、さらに大きなバリガ性能指数をもつ事から、パワーデバイスの新しい候補材料として一気に注目を浴びました。しかしながら、r- GeO2は飽和蒸気圧が大きな材料であるため、従来の真空装置を用いた製膜手法では作製が困難でした。例えば2020年に米国のグループからMBEによる極薄膜の作製が報告されましたが、成長速度が10 nm/hとかなり小さいものでした。当研究室では、真空を用いない液相製膜手法を応用する事で2021年に1μm/h以上の成長速度をもつ厚膜の作製を行いました。しかしながら、その薄膜には低結晶化領域が含まれており、結晶成長条件の最適化などが必要です。この材料の合成上の難しさとして様々な結晶相が混入するという問題があり、初期のSiC研究に非常に似通っています。本セミナーでは、材料の特徴から製膜手法、今後の展開についてお話をします。

受講対象・レベル

・材料系のR&Dに従事されている若手の方。・パワー半導体関係の何かしらの技術的専門職に関わっている方。

必要な予備知識

・ワイドギャップ半導体に関する基礎知識。・基礎的な半導体や結晶成長に関する知識。

習得できる知識

現在、研究が進められている新しいパワー半導体材料である二酸化ゲルマニウムについての基礎的な知識や世界中の研究動向に関する知見が得られます。

セミナープログラム

1. 新しいパワーデバイス材料、二酸化ゲルマニウム( r-GeO2)の可能性  1-1 二酸化ゲルマニウム(r-GeO2)の可能性        (バンドギャップ4.6 eV、p型とn型が作製可能(理論予測)、高い移動度、安価に基板作製可能、酸化ガリウムの2倍の熱伝導率)  1-2 なぜ、二酸化ゲルマニウム(r-GeO2)の薄膜合成はきわめて困難なのか?   1-2-1 真空成長手法による難しさ   1-2-2 非真空成長手法 ミストCVD法を例に  1-3 世界初の二酸化ゲルマニウム(r-GeO2)厚膜の合成と高速成長  1-4 二酸化ゲルマニウム(r-GeO2)のバンドギャップ変調  1-5 世界の二酸化ゲルマニウム(r-GeO2)研究の現状

■講演中のキーワードパワー半導体、二酸化ゲルマニウム、r-GeO2