ナノインプリントの基礎と製品応用 ~半導体,メタバース量産に向けたナノインプリント技術の動向と展開~
ナノインプリント技術の基礎的な原理とメカニズムについて理解が深まり、欠陥やトラブル対策の 基本が分かるようになります。また、事例をもとに、産業応用への展開の考え方を示します。
セミナー趣旨
ナノインプリント技術は、次世代の半導体ナノ加工技術として提唱され、現在では光学素子などをはじめとする多くの工業製品への応用展開が繰り広げられています。ここでは、多様なナノインプリント技術の基礎的な原理とメカニズムについて理解し、欠陥やトラブル対策の基本を身に付けます。さらに、ナノインプリントのシーズに基づいた応用展開について、これまでの事例をもとに紹介し、産業応用への展開の考え方を示します。これからナノインプリントを始めようとする方は、ナノインプリントのメカニズムとそのシーズを理解したうえで、応用に臨む基礎を身に着けていただきます。また、既にナノインプリントの経験のある方は、今一度基本に立ち返り、より低欠陥で効率よいナノインプリントプロセスの確立と、さらなる応用展開の礎となるものと期待いたします。
受講対象・レベル
・ナノインプリントを導入しようとお考えの方
・ナノ加工プロセスの効率化・低コスト化をお考えの方、
・効率的で低コストのナノ加工の開発に携わっている方
・ナノインプリントでのトラブルでお困りの方
・ナノインプリントの製品応用をお考えの方
習得できる知識
・成型の原理、樹脂の粘弾性特性、光硬化特性とプロセス最適化に関する基礎知識
・成型中の欠陥要因についての基本とその回避方法
・離型の原理と、欠陥の回避方法
・三次元構造の成型、マイクロ・ナノ混在構造の成型の基本
・AR/VRデバイスとナノインプリント応用
・先端半導体へのナノインプリント応用
・製品応用のすすめ方と材料・装置の選択 等
セミナープログラム
1.ナノインプリントの概要
1.1 ナノインプリントとは
1.2 ナノインプリントの特徴
1.3 周辺状況 業界状況
2.熱ナノインプリントの基礎
2.1 樹脂の粘弾性と成型性
2.2 形状・膜厚依存性
2.3 時間・圧力依存性
2.4 応力状態と欠陥低減
2.4.1 プロセスシーケンスによる欠陥低減
2.4.2 多層構造による欠陥低減
2.4.3 分子量分散による欠陥低減
2.5 多様な材料へのナノインプリント(ダイレクトナノインプリント)
2.5.1 ガラス材料へのナノインプリント
2.5.2 金属材料へのナノインプリント
2.5.3 機能性樹脂へのナノインプリント
2.5.4 生分解樹脂へのナノインプリント
2.5.5 有機半導体へのナノインプリント
2.5.6 セラミック材料へのナノインプリント
2.6 ナノインプリントにおける樹脂の分子挙動
2.6.1 ナノインプリントの分子動力学解析
2.6.2 樹脂充填と分子挙動
2.6.3 成型の分子量依存性
3.光(UV)ナノインプリントの基礎
3.1 樹脂の流動と充填
3.1.1 モールドと基板の表面状態依存性
3.1.2 凝縮性ガスによるバブルの解消
3.2 UV照射と回折・干渉
3.2.1 モールドによる回折
3.2.2 モールドによる干渉
3.2.3 モールドによる反射・吸収
3.3 UV硬化の基礎
3.3.1 UV硬化反応
3.3.2 UV硬化とプロセス条件の設定
3.3.3 UV硬化性と樹脂膜厚
4.ナノインプリントプロセスの応用展開
4.1 ナノキャスティング法
4.1.1 ナノキャスティングの原理
4.1.2 ナノキャスティングの応用
4.2 モールドレプリカ作製
4.2.1 電鋳によるナノ構造のレプリカ
4.2.2 シリコンゴム系材料によるレプリカ
4.2.3 シリカ系材料によるハイブリッドレプリカ
4.2.4 曲面構造のマスター作製
4.3 リバーサル・ナノインプリント
4.3.1 リバーサル・ナノインプリントの原理
4.3.2 転写モードとリバーサルモード
4.3.3 リバーサル・ナノインプリントによる三次元積層構造作製と応用
4.4 ハイブリッド・ナノインプリント
4.4.1 ハイブリッド・ナノインプリントの原理
4.4.2 ハイブリッド・ナノインプリントニよるマイクロ・ナノ混在構造の作製とその応用
4.5 ディープラーニングによるプロセス、材料設計
4.5.1 グリセリン添加によるPVAの成型性
4.5.2 グリセリン濃度と成型性の予測
4.5.3 シミュレーションとのハイブリッドシステム
4.5.4 成型性の予測とプロセス設計
5.離型技術
5.1 離型による欠陥
5.1.1 モールドの表面処理
5.1.2 表面処理方法と表面エネルギー
5.1.3 耐久性
5.2 離型の基本メカニズム
5.2.1 破壊力学によるシミュレーション
5.2.2 界面吸着と静止摩擦モデルによるシミュレーション
5.2.3 モールド側壁傾斜角と離型性
5.2.4 界面エネルギーと離型力
5.3 熱ナノインプリントと光ナノインプリントの離型性
5.3.1 樹脂の種類と離型性
5.3.2 温度依存性
5.3.3 サイズ依存性
5.3.4 光硬化性樹脂と付着性
5.4 樹脂収縮と寸法精度
5.4.1 樹脂収縮の影響
5.4.2 樹脂収縮と形状予測
5.4.3 収縮による形状補正
5.4.4 樹脂収縮による応力発生
5.5 離型方法と欠陥の低減
5.5.1 機械的手法
5.5.2 離型時の歪発生
垂直離型 ピール離型 ロール離型
5.5.3 偏析剤による欠陥抑制
5.6 モールド材料の最適化
5.6.1 モールド/樹脂の弾性率と離型
5.6.2 摩擦係数と離型
5.6.3 弾性率、摩擦係数と離型力
5.7 離型の分子挙動
5.7.1 分子量依存性
5.7.2 寸法依存性
5.8 AR/VR光導波路用 傾斜型回折格子の離型
5.8.1 シミュレーションモデル
5.8.2 垂直離型時の歪
5.8.3 ピール離型と回折格子の傾斜方向
5.8.4 回転離型と回折格子の傾斜方向
5.8.5 ロール離型と回折格子の傾斜方向
5.8.6 理想的な離型方法
6.最新のナノインプリント応用と展望
6.1 半導体集積回路へのアプローチ
6.1.1 UVナノインプリントと半導体
6.1.2 半導体リソグラフィ用ナノインプリント装置
6.1.3 ロジック回路への応用
6.1.4 メモリーへの応用
6.1.5 チップレットプロセスへの応用
6.1.6 課題と展望
6.2 メタバース機器へのアプローチ
6.2.1 ダイレクトナノインプリントとAR/VRデバイス
6.2.2 AR/VR用光導波路の種類とナノインプリント
6.2.3 高屈折率材料
6.2.4 ナノインプリントによる傾斜型回折格子の作製
6.2.5 課題と展望
7.まとめと最近の学会から
■事前質問について
セミナー内容にご希望(特に興味のある項目等)がございましたら,申し込みフォームの備考欄にてお知らせ下さい。
また、当日の講義の進行状況によっては、講義内容を一部スキップさせて頂く場合がございます。
セミナー講師
大阪公立大学 工学研究科 特任研究員(大阪府立大学 名誉教授) 工学博士 平井 義彦 氏
■ご略歴
1980年 松下電器産業㈱ 中央研究所/半導体研究センター
DRAM フォトリソグラフィプロセス、シリコン量子効果デバイスなどの研究開発に従事
1996年 大阪府立大学 工学部 機械システム工学科 助教授
2004年 大阪府立大学 工学部 電子物理工学科 教授
ナノインプリント、3次元フォトリソグラフィなどの研究に従事
2022年 大阪府立大学 名誉教授 大阪公立大学 特任研究員
■ご専門
半導体微細加工、ナノインプリント
■本テーマ関連学協会でのご活動
・国際ナノインプリント・ナノプリント技術会議(NNT) 国際組織委員
・応用物理学会 ナノインプリント技術研究会 顧問
・国際マイクロナノ技術会議(MNE) 国際組織委員
・国際マイクロナノテクノロジー会議(MNC) 組織委員
・応用物理学会 フェロー
セミナー受講料
1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
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