フォトレジストにおける材料プロセス技術の高度化に伴い、その品質への要求はますます厳しく!
塗布・乾燥の要点やレジスト膜欠陥・パターン剥離等の様々なトラブル解決策まで、豊富な実例を交えながらわかりやすく解説します!
セミナー趣旨
現在、レジスト材料は、半導体をはじめ、ディスプレイ、プリント基板、太陽電池、MEMS等の多くの電子産業分野において、世界市場で実用化されています。その市場規模は、年間1500億円におよび年々拡大しています。その反面、半導体製造プロセスの急速な進化によるレジスト技術の高度化に伴い、フォトレジストの品質が製品に与える影響も深刻化しています。また、レジストユーザーの要求も幅広くなり、レジスト材料および装置メーカー側は対応に追われる状況です。
本セミナーでは、レジスト材料開発、およびレジスト処理装置関連の技術者、レジストユーザー、リソグラフィでトラブルを抱えている方々を対象に、フォトレジスト材料の特性、プロセスの最適化などの基礎知識から、付着・濡れ・欠陥といった各種トラブルに注目し、評価・解決のアプローチを丁寧に説明します。また、研究開発・トラブルフォローといった実務上での取り組み方について、豊富な実例を交えながら解説します。また、レジストユーザーの視点とは何かを講師の経験も含めて詳述します。受講者が抱えている日々のトラブルやノウハウ相談にも個別に応じます。
受講対象・レベル
レジスト材料開発、電子デバイスメーカー、レジスト処理装置、プリント基板関係の技術者、および、レジスト材料を扱う方、
レジストを使用して製品・開発を生産する方、レジスト分野の技術指導をする方など、広範囲の方を対象としています。
習得できる知識
レジスト開発・レジスト処理装置開発・レジストを使用する上での基本的な考え方、ノウハウ、最適化法、トラブル対処法、
ユーザー側での評価手法などが習得できます。
セミナープログラム
1.レジスト概要(産業上の実用例)
・レジスト実用化トレンド(分類)
・ウェットエッチング用レジスト(アンダーカット)
・ドライエッチング用レジスト(プラズマ耐性)
・めっき用レジスト(ドライフィルム、金属配線形成)
・ソルダーレジスト(プリント基板)
・構造用レジスト(MEMS、3Dプリント)
・厚膜用レジスト(段差平坦化、Orchardの式、多層レジストプロセス)
・カバー用レジスト(TARC,BARC)
・カラーレジスト(ディスプレイ、相分離)
2.レジスト材料・プロセスの基礎(これだけは習得しておきたい)
2-1 レジスト材料とプロセスの最適化
・レジストの光化学反応(ポジ、ネガ、化学増幅型、EUV、TMAH溶解)
・プロセスフロー(CAD設計、シフト量、ラインマッチング、process window)
・ポジ型/ネガ型の選択基準(ピンホール転写欠陥)
2-2 露光描画技術の最適化
・露光システム(回折光、ステッパー、スキャナー、EUV)
・レイリ―の式(解像力、焦点深度)
・重ね合わせ技術(TTL、アライメントマーク)
2-3 レジスト形状の最適化
・光学像コントラスト(光回折劣化)
・残膜曲線(感度、γ値、最適露光時間)
・溶解コントラスト(レジスト垂直性)
・現像コントラスト(現像液濃度の最適化)
・パターン断面改善(段差部変動、寸法リニアリティー、PEB)
・耐エッチングコントラスト(選択比)
2-4 レジスト処理装置・シーケンスの最適化とその要点
・HMDS処理(シランカップリング、vapor処理、剥離防止)
・コーティング(スピン、膜厚分布、乱流、スキャン塗布、ラミネート)
・現像(ディップ、パドル、スプレー)
・乾燥(ホットプレート、プロキシミティー、減圧、真空)
・レジスト除去(アッシング、剥離液、IPA乾燥、物理除去)
3.レジスト欠陥・トラブル対策(歩留り向上の最優先対策とは)
3-1 致命欠陥とは
・欠陥と歩留まり(ウェットプロセスの貢献)
・配線上異物(致命/非致命欠陥、ショート/オープン欠陥、バブル欠陥)
・塗布ミスト(エッジ盛上り、EBRエッジバックリンス)
・接触異物(発塵、ウェハケース、ピンセット)
3-2 レジストパターン剥離メカニズムとその影響因子とは
・接着促進要因と剥離促進要因(バランスモデル、破断面解析)
・表面エネルギー(分散・極性成分マップ、付着エネルギーWa、拡張係数S、円モデル)
・応力歪み、膨潤、軟化(応力集中、膜内浸透)
・検査用パターン(サイズ、形状依存性)
・パターン直接剥離解析(DPAT法)
3-3 レジスト膜欠陥と対策
・ストリーエーション(スジ状膜厚むら)
・膜分裂(超薄膜化と自己組織化)
・乾燥むら(乾燥対流とベナールセル、光多重干渉)
・環境応力亀裂(白化、クレイズとクラック)
・ピンホール、はじき(拡張濡れ対策)
・膨れ(ブリスター)
・現像バブル対策(界面活性剤)
4.参考資料
・塗膜トラブルQ&A事例集(トラブルの最短解決ノウハウ)
・表面エネルギーによる濡れ・付着性解析法(測定方法)
5.質疑応答
(日頃の研究開発、トラブル相談にも応じます)
セミナー講師
アドヒージョン(株) 代表取締役社長/国立大学法人 長岡技術科学大学 名誉教授 博士(工学) 河合 晃 氏
*アドヒージョン(株)会社HP:http://www.adhesion.co.jp
■ご略歴
三菱電機(株)ULSI研究所にて10年間勤務し、半導体デバイスの高精度なコーティング、計測技術、微細加工、
および表面処理技術開発に従事した。
その後、長岡技術科学大学にて勤務し、高精度コーティング、AFM等の分析技術、レジスト技術、エッチング技術、
表面界面制御、ナノデバイスなどの先端分野の研究を実施している。
各種論文査読委員、NEDO技術委員、国および公的プロジェクト審査員などを歴任。
現在、長岡技術科学大学名誉教授、ならびに、技術コンサルティング会社として、アドヒージョン(株)代表取締役社長を務める。
著書33件、日本接着学会論文賞など受賞多数、原著論文166報、国際学会124件、特許多数、
講演会200回以上、日本接着学会評議員、応用物理学会会員、技術コンサルティング実績150社以上。
セミナー受講料
【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】:1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】:1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
→こちらをご確認ください
関連セミナー
もっと見る関連教材
もっと見る関連記事
もっと見る-
プラズモンとは?種類やよく用いられる現象、今後の展望をご紹介!
【目次】 プラズモンとは、金属中の自由電子が光と相互作用することで生じる集団的な振動のことを指します。この現象は、ナノテクノロジーや... -
マシンビジョンとは?仕組みと導入メリットや活用事例をご紹介!
【目次】 マシンビジョンは、近年の産業界において注目を集めている技術の一つです。これは、カメラやセンサーを用いて物体を認識し、分析す... -
ホール効果とは?自由電子と正孔の場合のポイント等ご紹介!
【目次】 ホール効果は、物質中の電流の流れに対して垂直な方向に電圧が発生する現象であり、半導体物理学や材料科学において重要な役割を果... -
パワーエレクトロニクスとは?近年注目されている理由や用いられる産業等をご紹介!
【目次】 パワーエレクトロニクスは、電力の変換や制御を行う技術であり、現代のエネルギーシステムにおいて欠かせない要素となっています。...