メタマテリアル・メタサーフェスの基礎と次世代通信に向けたアンテナ・反射板の開発動向および実験・評価【LIVE配信・WEBセミナー】
メタマテリアル・メタサーフェスの基礎と次世代通信に向けたアンテナ・反射板の開発動向および実験・評価について解説!
■本講座の注目ポイント
★5G Evolutionから6Gに向けて、メタサーフェスやRIS技術の俯瞰的なマイグレーションについてコンセプトから実験やシステムレベル評価などの実データに基づいた実証結果を示しながらその進化の方向性、将来の技術課題について言及!
セミナープログラム
【第1講】 メタマテリアル・メタサーフェスの基礎原理
【時間】 10:30-11:45
【講師】大阪大学 大学院工学研究科 物理学系専攻 / 教授 髙原 淳一 氏
【講演主旨】
本講演ではメタマテリアルおよびメタサーフェスに関する基礎原理について系統的な講義を行う。はじめにメタマテリアルからメタサーフェスにいたる研究の発展をたどりながら、メタマテリアル・メタサーフェスのコンセプトとそれらを用いて何ができるかを概観する。メタ原子から構成される人工媒質であるメタマテリアルの動作原理について有効媒質の視点から述べる。次に、メタサーフェスの動作原理について学び、メタマテリアルとの違いを理解する。特に近年進展が著しい、金属を用いない高屈折率媒質のみからなる誘電体メタサーフェスについて詳しく述べる。最後に、メタレンズ、メタホログラム、完全吸収体などのメタサーフェスの応用例について時間の許す限り紹介する。
【プログラム】
1.イントロダクション
1-1 メタマテリアルとはなにか
1-2 メタマテリアルからメタサーフェスへ
1-3 これまでのデバイスと何が違い、何ができるのか?
2.メタマテリアルの基礎原理
2-1 メタ原子と有効媒質
2-2 負の屈折率媒質(NIM)
2-3 波動インピーダンス
2-4 平面レンズ、完全レンズと短波長化
3.メタサーフェスの基礎原理
3-1 一般化スネルの法則
3-2 メタ原子による位相格子の分類とメタレンズ
3-3 伝搬位相
3-4 共振位相と光アンテナ
3-5 幾何学的位相
4. ミートロニクスの原理
4-1 ミー散乱理論とミー共振器
4-2 電気双極子、磁気双極子、多重極子
4-3 ホイヘンスメタサーフェス
4-4 縮退臨界結合と完全吸収体
5.メタサーフェスの応用例
メタレンズ、メタホログラム、完全吸収体、熱輻射エミッター
【質疑応答】
【キーワード】
メタマテリアル、メタサーフェス、光アンテナ、ミー共振、幾何学的位相、ミートロニクス、完全吸収体
【講演のポイント】
近年、メタマテリアルとメタサーフェスに関する論文が多数出版されている。論文の洪水の中で、初学者は何を勉強したらよいかわからないかもしれない。
本講演では基礎原理に基づきメタマテリアルとメタサーフェスについて系統的に学ぶことにより、しっかりとした基礎と本分野の考え方を身に着けることができる。これは応用においても役立つと考えられる。
【習得できる知識】
・メタマテリアル研究の大まかな流れ
・メタマテリアル、メタサーフェスの基礎原理
・メタサーフェスの応用例
【第2講】 テラヘルツ波制御のための人工構造とその応用 ~二次元周期構造のモアレパターンに関係するモアレ型メタ表面およびアンテナと導波路の立体的な組み合わせ~
【時間】 12:45-14:00
【講師】東北大学 大学院理学研究科 / 助教 大野 誠吾 氏
【講演主旨】
本セミナーでは、メタ表面に代表される人工構造による電磁波の制御手法について、特に位相制御に主軸を置いて講演する。メタマテリアル、メタ表面は、光の波長よりも小さい構造を三次元的もしくは二次元的に集積させることで新たな制御性を発現する構造として今世紀初頭から現在にかけて研究のすそ野を広げてきた。
講演者はこれまでテラヘルツ(THz)帯のメタ表面や人工構造の示す機能性について研究を進めてきた。THz帯で機能を発現するこれらの構造は、光波帯に比べ比較的大きくてもよく作製手法の工夫が活かしやすい。また、THz波は電場の直接観測が可能であることから位相に対する効果の原理検証に本質的な強みを発揮する。
講演では、THz波の位相制御手法として、二次元周期構造のモアレパターンに関係するモアレ型メタ表面、アンテナと導波路の立体的な組み合わせについて紹介する。このような位相制御技術と次世代無線通信技術(Beyond 5G/6G)の関係についても触れる。
【プログラム】
1. はじめに
1-1. メタマテリアルとメタ表面
1-2. テラヘルツ帯
1-2.1.テラヘルツ波とは
1-2.2.発生方法と測定方法
1-3. 人工構造の作製手法
2. モアレ型メタ表面
2-1. モアレパターンとは
2-2. モアレ型メタ表面
2-3. モアレパターンの設計方法
2-4. モアレ型メタ表面の作り方
2-5. モアレ型メタ表面により生じる制御性
3. アンテナ-導波路結合系
3-1. 次世代無線通信とテラヘルツ波
3-2. 位相の制御原理
3-3. 原理検証のための構造
3-4. 位相制御性の検証
4. まとめ
【質疑応答】
【キーワード】
テラヘルツ波、ベリー位相、ブルズアイアンテナ、2次元周期モアレ、トポロジー
【講演のポイント】
テラヘルツ波の位相制御について、モアレパターンを用いた手法とアンテナと導波路の立体的な配置による手法を紹介する。いずれも光と人工構造の幾何学的配置が制御性の原理であり、他の周波数帯でも応用可能である。
【習得できる知識】
電磁波の特性のうち主に位相を制御する手法の一つが理解できる。
【第3講】 メタサーフェスやRISを用いるNew Radio Network Topologyにおけるドコモの取り組み
【時間】 14:10-15:25
【講師】株式会社NTTドコモ 6Gネットワークイノベーション部 無線アクセス技術担当部長 須山 聡 氏
【講演主旨】
※本講演には須山聡氏に加え、同社の毛利檀氏にもご登壇いただきます。
5G Evolution & 6Gに向けては、無線アクセス性能の向上のため、空間領域で分散された新たな無線ネットワークトポロジ(New Radio Network Topology: NRNT)が検討されている。また、近年、経済性や低消費電力化の観点から、NRNTの主要な要素技術であるメタサーフェス技術やReconfigurable Intelligent Surface(RIS)技術が注目されており、NRNTの有効性を明らかにするため、28 GHz帯などの高周波数帯において実証実験が実施されている。また、6Gの候補周波数帯として注目されている7~24 GHzのミッドバンドにおいてもNRNTは有効であると考えられおり、5G Evolution から6Gに向けてのマイグレーションが検討されている。
本講演では、弊社で進めているメタサーフェスやRISを用いた実証実験について詳しく述べるとともに、その将来に向けての拡張性について説明する。加えて、6Gにおいてミッドバンドやサブテラヘルツ帯のメタサーフェスやRISを活用したときのシステム性能について6Gシミュレータを用いて視覚的に分かりやすく説明する。さらに、これらの取り組みが将来の6Gにおけるネットワークデジタルツインとつながり、より一層の性能向上を達成できると考えられており、その技術課題を明らかにするとともに、それに対する弊社の取り組みについても紹介する。
【プログラム】
1 5G Evolution & 6G
2 NRNT (New Radio Network Topology)の概要
3 メタサーフェスやRISを用いたミリ波帯実証実験
4 6Gシミュレータを用いたシステムレベル評価
5 ネットワークデジタルツインの技術課題とNRNTへの活用
6 まとめ
【質疑応答】
【キーワード】
6G、5G Evolution(5Gの高度化)、New Radio Network Topology(NRNT)、ミリ波、エリア改善,メタサーフェス,RIS
【講演ポイント】
本講演では、5G Evolutionから6Gに向けて、メタサーフェスやRIS技術の俯瞰的なマイグレーションについてコンセプトから実験やシステムレベル評価などの実データに基づいた実証結果を示しながら、その進化の方向性を示すとともに、将来の技術課題について述べる。
【習得できる知識】
・5G Evolution、6Gに関する基礎的な知識
・New Radio Network Topologyの技術コンセプト
・メタサーフェスやRISを用いた実験に対して知見
・メタサーフェスやRISをシステムに活用するときのポイント
・ネットワークデジタルツインやAIの活用に向けた技術課題
セミナー講師
第1部 大阪大学 大学院工学研究科 物理学系専攻 / 教授 髙原 淳一 氏
第2部 東北大学 大学院理学研究科 / 助教 大野 誠吾 氏
第3部 株式会社NTTドコモ 6Gネットワークイノベーション部 無線アクセス技術担当部長 須山 聡 氏
セミナー受講料
【1名の場合】49,500円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。