チクソ性 (チキソ性) の基礎と評価および活用方法
★「チクソ性」「チクソトロピー」「擬塑性流動」の違いを正しく理解しよう!
※本セミナーはZOOMを使ったLIVE配信セミナーです。会場での参加はございません。
【アーカイブ配信:5/28~6/11(何度でも受講可能)】での受講もお選びいただけます。
セミナー趣旨
塗料やインキの流動性を表現するために、しばしば「チクソ性(チキソ性と呼ばれることもありますが、最近はチクソ性の方が多く使われるようです)」という技術用語が使われますが、このような学術用語はありません。この基となる用語は「チクソトロピー」と思われますが、両者は必ずしも同じではないため、実用上、不都合が生じることになります。
本セミナーでは、まず学術的な意味と技術的な意味の違いを明確にして、物性評価として「チクソ性」を測定するためのテクニックを紹介します。
工業的に「チクソ性」が重要となる材料は微粒子分散系です。液体中に分散した微粒子は、ほとんどの場合、凝集体を形成します。「チクソ性」を支配するのはせん断流動場におけるこの凝集構造の動的変化です。凝集分散系が示すチクソトロピーや擬塑性流動など複雑な粘度挙動をメカニズムに基づいて包括的に説明するとともに、「チクソ性」に関わる最近の技術動向と展望についても概説します。
受講対象・レベル
微粒子分散系を取り扱う技術者が対象になりますが、初心者でもわかるように粘度の基礎から説明しますので、必ずしも分散系にこだわる必要はありません。受講に際して特別の予備知識も必要ありませんが、材料の粘度測定と評価で困ったという経験があればいっそう理解が進むと思います。基礎研究、技術的応用いずれの立場でも活用いただけるように説明します。
習得できる知識
・「チクソ性」「チクソトロピー」「擬塑性流動」の違いを正しく理解することができるようになります。
・「チクソ性」を的確に評価するための測定手法が習得できるようになります。
・ 微粒子分散系の「チクソ性」をメカニズムに基づいて制御するためのコツが掴めるようになります。
・ チクソ性に関わる最近の技術動向を展望できるようになります。
セミナープログラム
1.粘度の基礎
1-1. ニュートン流動と非ニュートン流動
(1)せん断速度と応力
(2)粘度の定義とニュートン流動
(3)擬塑性流動
(4)ダイラタント流動
(5)降伏挙動
1-2. 時間依存性流動
(1)チクソトロピー
(2)レオペクシー
(3)用語「チクソ性」と「構造粘性」の解釈
(4)履歴現象と平衡流動曲線
2.チクソトロピーの測定と注意点
2-1. 測定装置とその選択
(1)回転粘度計の特徴
(2)試料に対応した装置選択
2-2. 測定プログラムの設定
(1)二段階せん断法とヒステリシスループ法
(2)チクソトロピー回復過程の測定
3.コロイド化学の基礎と凝集分散系の非ニュートン流動
3-1. 粒子間相互作用と粒子の凝集
(1)電気二重層
(2)ζ電位
(3)DLVO理論
(4)高分子による分散安定効果
(5)高分子の架橋凝集作用
3-2. 通常の凝集分散系における非ニュートン流動
(1)凝集分散系の擬塑性流動
(2)三次元網目構造の形成と降伏挙動
4.チクソトロピー性制御の基本概念
4-1. 二粒子間相互作用とチクソトロピー
4-2. 凝集の空間構造とチクソトロピー
4-3. パーコレーション理論の応用
5.微粒子分散系の粘度コントロール
5-1. 非凝集分散系の粘度挙動
5-2. 凝集分散系の粘度コントロールに関する新技術
(1)粘度レベルと流動パターンの独立制御
(2)粒子間のベクトル的性質と粘度挙動
6.微粒子分散系が示す特異な粘度挙動
6-1. 異方性粒子分散系の逆チクソトロピー
6-2. ナノ粒子分散系のダイラタント流動
7.チクソ性に関わる最近の動向と技術展望
7-1. 官能評価とチクソ性
7-2. 規格基準と粘度調整
7-3. パラメータ特許とチクソ性
キーワード:
チクソトロピー,擬塑性,粘度,レオロジー,,,WEBセミナー,オンライン
セミナー講師
千葉大学 名誉教授 工学博士 大坪 泰文 氏
【専門】
レオロジー、化学工学、コロイド化学
【略歴】
1978年 東北大学大学院工学研究科博士課程修了(工学博士)
1978年 東北大学工学部助手
1982年 千葉大学工学部助手
1987年 米国 Princeton 大学招聘研究員(1988年まで)
2000年 千葉大学工学部教授
2015年 千葉大学定年退職(名誉教授)
【学会賞】
色材協会論文賞、日本機械学会ROBOMEC表彰、日本レオロジー学会賞
セミナー受講料
49,500円(税込、資料付)
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2名同時申込の場合計49,500円(2人目無料:1名あたり24,750円)で受講できます。
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受講料
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