これでわかった!超実践品質工学

投稿日 2016/07/03

品質工学(タグチメソッド)の入門書がたくさん出版されています。それだけ注目されているとも言え、また難しいとも言えるでしょう。それぞれの本が工夫されており、筆者の考えを反映したものですが、それ一冊で簡単に使えるほど品質工学は甘くありません。愚直に学習と実践を重ねる必要があります。

本書にも、筆者の経験と工夫が随所に盛り込まれています。特に、パラメータ設計の基礎となる機能性評価を重点的に解説し、機能の定義、ノイズ因子(誤差因子)抽出の方法など、類書にないノウハウやコツが開示されます。
品質工学の鬼門の一つである「SN比」を、筆者が所属する関西研究会で提案している「エネルギー比型」で記述していることも、理解を早めてくれるでしょう。

さらに、品質工学の実験計画シートやSN比・要因効果図などのパラメータ設計計算ツールを無償ダウンロードできるサービスもあり、初学者の導入には大いに役立つはずです。

「実践して成果を出す」ことを目的にしているだけあって、実務者が実務で迷いそうなところ、間違いそうなポイントを、現場目線で丁寧に解説していて好感が持てます。

初学者が初めて触れる入門書としても、また実践者が悩んだ時のノウハウ本としても、技術部隊の書棚に是非備えたい一冊です。