日本のものづくりを救う「最強のすり合わせ技術 」津曲公二・酒井昌昭著

投稿日 2017/05/09

 本書は、「日本のものづくりを救う」という副題を持ち、かつて日産とソニーに在籍していた二人のコンサルタントが、日本ものづくりを観察した一冊です。

 一時期、日本製造業悲観論が充満していましたが、このところ見直されてきたように感じます。利益率や効率、原価というドライな指標では他国に負けてしまうものの、壊れない、遅れない、何とかする(?)という「粘り腰」のDNAは新興国や、西欧にも真似できません。

 本書ではその根源を「すり合わせ」と表現し、世界において日本が活かすべきポジショニングと提起します。
 そこを軸として、新入社員からベテラン、開発から事務方、営業まで、製造業に関わる全ての人が
自分の仕事に誇りを持ち、これからの指針とするためのあれやこれやが、二人の経験談を元に展開されます。

 日々の雑事に追われて自我を亡くしそうな時に、一服の清涼剤としておススメします。