「タグチメソッドのはなし」長谷部光雄著
投稿日 2015/01/07
本書は、日本で最も分かりやすく品質工学を説明する長谷部光雄の11冊目の著作で、今回も納得性のあるたとえ話を多用して、難解と言われるその考え方と手順を解きほぐしています。
これまでの著書では主に機能性評価やパラメータ設計を中心に扱っていましたが、今回はオンライン品質工学やMTシステムまで分野を拡げて、タグチワールド全貌の解明に挑戦しています。さらに品質工学が得意とする技術の安定性、信頼性を超えて、機能が破綻した場合の「安全性」への考え方、対処法を記述しているのは長谷部さんらしいところです。
これ一冊ですべての品質工学手法を駆使できるようになるには無理がありますが、一般の技術者が持つべき心構えを知り、そのための強力な考え方と手法の両側面を持つ品質工学の
全体像を把握するには好適な書です。