「コア・コンピタンス経営」G.ハメル&C.K.プラハラード 著
投稿日 2014/04/16
経営戦略論においてコアコンピタンスという単語は頻繁に出てきます。「企業の核となる優位事項に集中して経営する」というやや保守的なイメージで本書を読み始めましたが、原題はCompeting for the futureで、むしろ没落した一流企業を顧み、現状に満足することなく将来の優位性を獲得するための学習に投資し、戦略的に努力する必要性を説く内容でした。
1994年の出版という事で、日本企業を持ち上げる場面が多いのですが、そこで取り上げた一流企業が今や陥落していく様は、日本企業でも同じであることが証明されているわけです。その点ではクリステンセンの「イノベーションのジレンマ」や、コリンズの「衰退の5段階」に通じる観察があります。
すでに状況が悪化した企業よりは、今絶好調の企業経営人こそが進んで読むべき一冊と言えるでしょう。