「品質コストの管理会計」梶原武久著
投稿日 2013/05/08
従来型の日本品質管理活動においては、「品質第一」主義が主流でしたが、
近年は過剰品質という評価も聞かれるようになり、一方でクレームやリコ
ールの話題も頻出しています。
本書では、品質コスト(予防、評価、不良)に関する広範なアンケートと
インタビューを通じて、これらのメカニズムを解明しています。
最適バランスポイントから遠く離れていた昔は、コストを評価するよりも
ひたすら不良を減らすことがすべての面で優位だったものの、バランスポ
イントに近づいた近年は品質コストが過少あるいは過大になる危険性が高く、
以前に比べると品質コスト評価の重要性が上がっていると結論付けます。
結論だけを知るならば、第9章を読むだけで十分でしょうが、もし$$$name$$$さん
が品質担当者であれば、過去の研究やデータの隙間に横たわる事実の襞を
感じ取るために、全頁をめくることも楽しいでしょう。