分散型電源導入系統の電力品質安定化技術
構成
発刊日 2013年05月24日 体裁 B5判上製本 266頁
分野
固有技術 > 電気・電子技術
制作
価格
66,000円 (税抜 60,000円) 1点 在庫あり
商品説明
再生可能エネルギーの大量導入や発送電分離にともない、不安定な発電が電力系統に与える影響を少なくするため、電力貯蔵やPCS(電力制御装置)をはじめとする電力品質対策をしなければなりません。本書では、系統連系の概要にはじまり電圧制御、出力予測、出力変動抑制、高調波抑制、系統連系保護・監視・計測などの技術をまとめています。
発刊にあたって
大山 力 横浜国立大学
藤井 康正 東京大学
小林 広武 (一財)電力中央研究所
合田 忠弘 九州大学
千住 智信 琉球大学
青木 秀憲 東海大学
雪田 和人 愛知工業大学
早﨑 宣之 伊藤忠テクノソリューションズ(株)
青木 功 伊藤忠テクノソリューションズ(株)
野呂 康宏 (株)東芝
北 裕幸 北海道大学
小玉 成人 八戸工業大学
太田 豊 東京大学
呉 国紅 東北学院大学
高田 裕真 東北学院大学
川﨑 章司 明治大学
亀田 秀之 (一財)電力中央研究所
青木 睦 名古屋工業大学
佐藤 孝則 (一財)電気安全環境研究所
内容紹介
第1章 電力品質安定化の概要
第1節 分散型電源を導入したときの電力品質安定化、系統連系の概要
1. 電圧変動の抑制
2. 需給バランスの維持
3. 高調波問題
4. 系統連系と保護
第2節 分散型電源の大量導入と全国の電力融通を考慮した最適電源構成
1. 地域間電力融通を考慮した最適電源構成モデル
1.1 最適電源構成モデルの構造
1.2 最適電源構成モデルの諸前提など
1.3 太陽光・風力発電の出力パターン
2. 最適電源構成の計算結果
2.1 シナリオ設定
2.2 計算結果の概要
第2章 電圧変動抑制技術
第1節 分散型電源普及時の電圧変動抑制技術
1. 分散型電源連系に伴う電圧上昇問題
2. 分散型電源側の対策技術
3. スマートグリッドにおける対策技術
3.1 配電線制御装置による対策
3.2 余剰電力に対応する需給一体型運用制御技術
第2節 分散型電源による配電系統電圧の電圧分布制御方式
1. 電圧分布制御方式とは
1.1 電圧分布制御方式の必要性
1.2 電圧分布制御方式の概要
2. 独立型電圧分布制御方式
2.1 独立型電圧分布制御方式の概要
2.2 電圧分布制御方式の基本原理
3. 集中型電圧分布制御方式
3.1 集中型電圧分布制御方式の概要
3.2 最適化問題の定式化
4. 自律分散型電圧分布制御方式
4.1 自律分散型電圧分布制御方式の概要
4.2 制御方式の詳細
4.3 各制御方式の動作領域
5. 公平性を担保する経済性を考慮した電圧分布制御方式
第3節 分散型電源の無効電力出力分担を考慮した電圧制御法
1. 制御目的
2. 対象となる機器と制御手法
2.1 制御指令値の決定手法
2.2 粒子群最適化手法
2.3 太陽光発電システム
3. シミュレーション結果
第4節 分散電源の潮流・電圧制御機器の最適配置
1. 配電系統の電圧制御について
2. 我が国の再生可能エネルギーの現状について
3. 太陽光発電などの再生可能エネルギーが大量に導入された場合の課題とその対応
4. 問題の定式化について
4.1 系統モデルの構成
4.2 評価関数と適応度
4.3 制約条件
4.4 SVRのモデル化
5. 最適配置アルゴリズム(提案手法)
5.1 コーディング
5.2 提案手法
6. シミュレーション条件
7. シミュレーション結果
第3章 出力予測技術
第1節 太陽光発電の出力予測
1. はじめに
2. 太陽光発電(PV)システム
3. PVシステムの出力予測技術の現状
4. PVシステムの出力予測手法例
4.1 雲画像を用いたPVシステムの出力予測
4.2 気象レーダデータおよび類似天気図を用いた
ニューラルネットワークからの日射量予測によるPVシステムの出力予測
5. まとめ
第2節 風力発電の出力予測
1. 風力発電出力予測手法の概要
1.1 風力発電出力予測の現状
1.2 風力発電出力予測手法の概要
1.2.1 気象予測モデルを用いる手法
1.2.1 統計モデルを用いる手法
2. 風力発電出力予測の適用
2.1 ウィンドファームにおける風力発電出力予測
2.2 電力系統エリアにおける風力発電出力予測(エリア予測)
第4章 出力変動抑制技術
第1節 蓄電池を用いた太陽光発電システムの出力変動抑制技術
1. 出力変動抑制装置の構築
1.1 システムの概要
1.2 対象発電設備の概要
1.3 蓄電池システムの容量検討
1.4 蓄電池システムの仕様
1.5 出力変動抑制制御の方法
1.6 監視制御システム
2. 変動抑制効果の検証
2.1 変動抑制試験結果
2.2 変動抑制効果の評価
3. 変動抑制効果改善策の検討
第2節 太陽光発電システムのNAS電池による出力変動抑制
1. メガソーラー発電所の短周期出力変動の抑制
1.1 出力変動抑制制御手法
1.2 移動平均法(MA)
1.3 変動幅中心値法(FCF)
1.4 ハイブリッド法(HY)
1.5 SOC調整
2. 出力変動抑制効果の評価
3. 蓄電池の必要容量の算定
第3節 風力発電の出力変動抑制技術
1. 複数の風力発電機での出力平滑化
2. 連系線を活用した方策
2.1 北海道電力と東京電力における実証試験
2.2 東北電力と東京電力における実証試験
3. 蓄電池の利用
3.1 二又風力発電所
3.2 市浦風力発電所
4. フライホイールの利用
5. 太陽光などの他の発電方式の利用
6. 発電出力予測
7. 発電機出力制御による方法
7.1 パワーエレクトロニクスとの統合制御による方法
7.2 遠隔出力制御による方法
8. 負荷制御による方法
8.1 自律制御による方法
8.2 直接制御による方法
第4節 EV/PHEVによるV2Gの制御手法とインターフェース
1. スマート充電・V2G制御手法
1.1 自律分散型の周波数制御
1.2 協調型の周波数制御
1.3 集約蓄電池としての運用
2. EV/充電インフラへの実装
2.1 制御・通信インターフェースの動向
2.2 V2Gテストシステム
2.3 スマート充電・V2G制御の実験例
第5章 高調波抑制技術
第1節 分散型電源を含む配電系統における高調波抑制機能を付加したSTATCOMの最適設置
1. 配電用STATCOMモデル
1.1 配電用STATCOM技術について
1.2 配電用STATCOMモデルの主回路構成
2. 配電用STATCOMの制御系
3. シミュレーションモデル
3.1 配電系統モデル
3.2 配電用STATCOMモデルの仕様
4. シミュレーション検討および考察
4.1 シミュレーション設定条件
4.2 シミュレーション結果および考察
第2節 分散型電源が連系された配電ネットワークにおけるアクティブフィルタの最適設置決定手法
1. 配電ネットワークにおけるAFの最適設置箇所,ゲインおよび設置台数の決定問題
1.1 AFの最適設置決定問題の定義および定式化
1.2 AFの模擬
1.3 高調波発生源の模擬
2. 配電ネットワークにおけるAFの最適設置箇所,ゲインおよび設置台数の決定手法
3. 数値計算例
3.1 DGが多数台連系された配電ネットワークの標準解析モデル
3.2 AF設置候補の決定
3.3 AF設置箇所およびフィルタゲインの決定
3.4 手法の有効性の検証
第6章 系統連系技術
第1節 電力系統の保護技術
1. 電力系統と保護リレー
2. 保護リレーの分類と役割
2.1 保護リレーの分類
2.2 保護リレーの役割
2.3 主保護と後備保護
2.4 保護リレーの要求性能
3. 保護方式の概要
3.1 送電線保護方式
3.2 母線保護方式
4. 事故波及防止リレー
4.1 保護リレーによる供給信頼度対策
4.2 事故波及防止リレーの分類
第2節 電力系統の監視制御技術
1. 電力系統の運用と電力品質
1.1 周波数制御の概要
1.2 電圧制御
1.3 情報通信
2. 変電所監視制御システム
2.1 変電所監視制御システムの概要
2.2 変電所監視制御システムに関する国際規格化
2.3 IPネットワーク監視制御システム
3. 電力システムの高度な監視制御
第3節 配電系統の計測解析技術
1. 配電系統の運用
1.1 配電系統の構成
1.2 配電系統の電圧制御
1.3 配電自動化システム
2. 分散型電源大量導入時の電圧制御の問題点と対策
2.1 太陽光発電大量導入時の電圧分布解析例
2.2 配電系統における情報活用
3. 需要家における計測技術
4. 多地点同期電力品質モニタリングシステム
4.1 多地点同期電力品質モニタリングシステムの概要
4.2 多地点同期電力品質モニタリングシステムにおける信号処理技術
4.3 多地点同期電力品質モニタリングシステムの活用
第7章 分散型電源の系統連系保護装置の認証
1. 小型分散型発電システム用系統連系保護装置等の認証制度
1.1 経緯
1.2 概要
1.3 目的
1.4 沿革
1.5 認証の対象品
1.6 認証登録までの流れ
2. 認証試験基準
2.1 認証試験基準の作成
2.2 認証試験基準の種類
2.3 各試験の概要
3. 今後のJET認証制度